電気温水器の電気代が高すぎる5つの理由と節約方法!深夜電力プランの廃止で高くなった?
電気の力でお湯を沸かす電気温水器。
火を使わずにお湯を沸せるということで、安全面から設置しているご家庭も少なくありません。
しかし、毎月の「電気代が高すぎる」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、電気代が高すぎる理由の1つに、深夜電気プランの廃止も関係していると言われています。
そこで今回は、電気温水器の電気代が高すぎる5つの理由と節約方法について紹介しています。
電気温水器の電気代が高すぎる・高くなった5つの理由
電気温水器の熱効率が低い
実は電気温水器の熱効率は、エコキュートに比べるととても劣っており、熱効率が低いと言われています。
一般的な電気温水器は、電熱ヒーターの熱で水を温めてお湯を作る給湯器のことです。
電気温水器は、いわば、家庭用の電気ポットを大きくしたようなものとイメージするとわかりやすいでしょう。
貯湯タンク内は電気ポットのような構造になっており、電気を利用してヒーターを温める仕組みです。
一般的な電気温水器の内部は次のような構造です。
火を使わずに温水を作れる電気温水器は、安全面では優れています。
しかしその反面、熱エネルギーだけを利用してお湯を沸すため、熱効率が低いというデメリットがあります。
熱効率が低い分、より多くの電気エネルギーを使用することになり、電気代が高くなってしまうのです。
電気温水器の機能低下
電気温水器の電気代が高い理由の1つに機能の低下が挙げられます。
実は、電気温水器のヒーターには、年数が経つとスケール(水垢)が付着します。
スケールとは、水道水に含まれた塩分/石灰分/その他不純物が個体となって付着・固化したものです。
ヒーターにスケールが付着すると熱効率が低下します。
電気代が高くなってしまうことに加え、最悪のケースでは、お湯が沸かなくなることもあります。
電気代の高騰・値上げ
2021年9月頃から電気代の高騰や値上げのニュースが続いています。
高騰や値上げの原因は『石炭や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格高騰』とされています。
一般社団法人エネルギー情報センター「新電力ネット」によると、2022年4月〜2022年9月までの家庭用電力の平均販売単価は次の表の通りです。
年月 | 1kWh当たりの平均販売単価 |
---|---|
2022年4月 | 29.66円 |
2022年5月 | 31.79円 |
2022年6月 | 32.13円 |
2022年7月 | 28.99円 |
2022年8月 | 28.85円 |
2022年9月 | 30.32円 |
1kWh当たりの平均販売単価が30円を超えている月もあります。
電気代が高い電力会社を順位別に挙げてみました。
1:中部電力:7369円
2:東京電力:7306円
3:北海道電力:7252円
4:沖縄電力:7027円
5:東北電力:6745円
6:中国電力:6209円
7:四国電力:6095円
8:関西電力:5677円
9:九州電力:5526円
10:北陸電力:4792円
家計を直撃する電気代の高騰。
政府は電気料金の負担軽減策として、2023年1月に使用し、翌2月に請求される分から、家庭向けで1kWhあたり7円を補助すると発表しました。
しかし、2023年の春以降、電力会社7社が再び値上げをする見通しです。
早ければ3月に値上げが始まり、4月に請求される分から値下げ幅を上回る値上げが行われる地域もあります。
値上げの幅は国の審査で決まりますが、各社が申請した時点では平均で28%~45%になっています。
一部の電力会社で契約プラン終了
夜間に割安が適用されるプランには、夜間電力と深夜電力の2種類があります。
電気温水器やエコキュートなどは夜間運転機器に分類され、ほとんどのご家庭では、あらかじめ指定した電気温水器などを深夜プランで利用していたことでしょう。
一般的な深夜電力プランは、夜11:00〜翌朝7:00までの電気使用量の少ない時間帯に電気を使うことで、電気料金が割り引かれるシステムです。
電気代がお得になると人気の高いプランですが、大手電力会社では深夜電力プランを含む電気料金プランの見直しを図っています。
深夜プラン廃止の理由は、電気温水器を始めとする夜間運転機器の需要増加によるものです。
年々普及が進んでいる蓄熱式給湯器。
深夜プランを利用するお客様が増えたことで、電力会社の供給に伴うコストが増えていきました。
当初このプランは夜に余る余剰電力を安く提供することで成り立っていました。
しかし昨今の原発停止や原油高の高騰で必ずしも安く提供することが難しくなっているようです。
そのため、深夜電力プランを廃止にする電力会社も出ています。
電気温水器の深夜電力プランを廃止した電力会社一覧
電気温水器を始めとする夜間運転機器の割引廃止を実施した電力会社は次の通りです。
・中国電力2018年4月1日
・東京電力2020年10月1日
・東北電力2021年3月末
・中部電力2022年4月1日
・四国電力2022年4月1日
・九州電力2022年4月1日
・関西電力2022年7月1日
また、北海道電力・北陸電力・沖縄電力では、2016年3月31日をもって「夜間運転機器割引」への新規加入は終了しました。
深夜電気プランの廃止に伴い、「電気代が2倍に値上がりした」というお客さまの声も少なくないです。
やはり、電気温水器の電気代が高すぎる理由として、夜間運転機器の割引廃止が大きく関わっていることが分かりました。
環境や気温の影響
電気の力のみで温水を作る電気温水器。そのため水道水の温度によって、お湯を沸かす時間も違ってきます。
2023年冬季は、10年に一度とされる寒気が日本列島を襲い、その影響で水道水の温度も一気に下がりました。
当然、その水道水を電気温水器で沸かすとなれば、いつも以上に電力を使うこととなり、電気代が値上がりする要因にもなっています。
電気温水器で発生する電気代は、お住いの立地や環境、気温などにも左右されてしまうのです。
電気温水器の電気代の節約方法
電気温水器は火を使わずにお湯を沸せる給湯器。
便利で安全という理由から電気温水器を設置されているご家庭も多いです。
しかし、電気代の高騰により、毎月の請求額に驚いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、電気温水器の電気代を節約する方法を紹介します。
契約プランを再検討する
深夜電力プラン(夜間運転機器割引)の廃止により、電気代が値上がりしました。
しかし、時間帯で電気代が割引されるプランを扱っている電力会社は少なくありません。
現在の契約プランを再検討することで、電気温水器の電気代を節約できる可能性があります。
お客さまの住宅の種類やライフスタイルに合わせ、プランを再検討されてはいかがでしょうか。
ただし、安い時間帯以外の電気料金が割高になっているプランもあるため、その点には注意してお選びください。
電力会社を変更してみる
現在契約している電力会社より安いプランを見つけた際は、電力会社の変更で電気代のコストを抑えることも可能です。
しかし、2022年に起こったロシア対ウクライナの戦争により、燃料の高騰が進んでおり、新規契約をストップしている電力会社もあるといいます。
また、燃料高騰の煽りを受け、電気事業を撤廃している会社も出ておりますので、乗り換えをする際には、事前のリサーチを入念に行ってください。
こまめに電源をOFFにする
電気温水器の電気代を節約する方法の1つに、電源をOFFにすることも挙げられています。
特にフルオート機能が付いている電気温水器は、お湯はり・保温・追い焚き・足し湯をすべて自動で行うため、使用していない時でも多くの電力を消費しています。
電源をOFFにしてしまえば、当然フルオートが機能しなくなり、その分の電気代を抑えることに繋がります。
しかし、寒冷地や冬場の場合には、湯船に張ったお湯の温度は急激に下がります。
冷めてしまったお湯を再度温めるとなると、電力の消費が一気に上がり、それだけ多くの電気代が加算されますのでご注意ください。
湯切れに注意して節水する
お湯を使う時間帯を変えただけでも電気代の節約に繋がります。
例えば、夜間割引プランを使っているご家庭では、日中に使用するお湯を節水するだけで電気代のコストを抑えられます。
しかし、使用する時間帯があまりにも偏り過ぎるとタンク内は湯切れを起こします。
沸き増しが必要になり、その分の電気代が余計にかかってしまいます。
日頃からお湯を必要な分だけ使うようにして、節水を心掛けてください。
電気温水器よりエコキュートの方が電気代は安い?
電気温水器と同じように、電気の力で温水を作れる給湯器として注目されているのがエコキュートです。
エコキュートは熱と空気の力でお湯を沸かす構造となっており、その熱効率は電気温水器より遥かに優れています。
エコキュートに比べると、熱効率が劣っている電気温水器。例え新品であっても、熱効率はエコキュートの半分以下です。
熱効率が劣る分、電気温水器の電気代はエコキュートより3〜4倍高くなります。
もちろん、お住まいの地域や住宅の種類によっても変わります。
とはいえ、電気温水器とエコキュートの1年間の電気代には、実際6万円〜9万円もの開きが出ているケースもあります。
電気温水器を交換するときは、ぜひエコキュートを選択肢に入れて検討してみましょう。