【一人暮らし】電気温水器の電気代が高い!使わない時のつけっぱなしが問題?給湯器の賢い使い方と長期不在時の対応まとめ
電気の力でお湯を沸かす電気温水器は、火を使わずにお湯を沸かせる安全性・スペースの問題・コスト面から、マンションやアパートといった賃貸物件に多く設置されています。
しかし、そんな賃貸物件に引っ越してみると「電気代が高い」と感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、電気温水器にかかる電気代は全体の約40〜45%を占めており、節電を意識したときに決して無視できない割合になっています。
ここでは、
- 一人暮らしの月々の電気代
- 一人暮らしの電気代に占める電気給湯器の割合と金額
- つけっぱなしの改善で電気代はどれくらい安くなるのか
- 電気温水器の賢い使い方や節約方法
- 長期不在時の対応
などについて解説していきます。
【一人暮らし】電気温水器の電気代の平均
一人暮らしの電気代の平均は月々5,482円
そもそも一人暮らしをしていると電気代などの光熱費は月々いくらかかるのでしょうか。
総務省の統計調査によると
- 一人暮らしの電気代の平均は月々5,482円
- 一人暮らしのガス代の平均は月々3,001円
とデータが示されています(出典:総務省統計データ2021年調査結果より)
合計すると、一人暮らしでかかる光熱費は全体で月々8,483円かかっている、ということになります。
日中部屋を空けている学生さんや会社員と在宅ワークの方では、電気代に大きな開きが出ると考えられますが
一般的に一人暮らしの光熱費の平均は、電気ガスを含め全体として8000円〜9000円程度に収まっているのではないでしょうか。
一人暮らしの電気代に占める電気給湯器の割合と平均金額
電気温水器をお使いの場合、結論から言うと、電気・ガスを使っているときよりも、全体の電気代(光熱費)は少し割高になっています。
なぜなら、電気温水器はガス給湯器に比べると約1.3倍の電気代がかかるからです。
こちらは、パナソニックが公開しているランニングコストの比較図です。
電気温水器とガス給湯器を比べると、年間で約1.3倍のコストがかかっています。
電気温水器をお使いの場合、ガス給湯器より1.3倍の光熱費がかかるため、純粋に1.3倍すると
- 一人暮らしの全体の電気代の平均は月々9,382円
- 一人暮らしの電気温水器にかかる電気代の平均は月々3,900円
となります。
電気温水器にかかる電気代は全体の40%〜45%ほどで、月々の電気代の半分近くを電気温水器が占めていることになります。
一人暮らし向け電気給湯器のタンク容量と一人暮らしのお湯使用量
電気温水器の主な販売メーカーとしては、三菱電機・パナソニック・長府製作所・タカラスタンダード・コロナがあります。
ほとんどのメーカーが一人暮らし用として、タンク容量300Lを推奨しています。
一般的に1人が1日に使用する湯量の目安は次の通りです。
- お湯張り1回:約180L
- シャワー1回:約80L(1回8分程度)
- 炊事や洗面1日当たり:約30L
ライフスタイルによって多少の誤差はあるものの、1人1日当たり290~350L程度のお湯を使用することになります。
一人暮らしであっても290~350L程度のお湯が必要と言われていますので、最低でも300L以上のタンク容量が必要になります。
電気給湯器のつけっぱなしでかかる待機電力の電気代は高い?
電気給湯器のつけっぱなしでかかる電気代が高いのか?と心配になる方もいるかもしれません。
全体の電気代の全体の40%〜45%ほどを占める電気温水器ですから、給湯器にかかる費用は減らしたいですよね。
しかし実は、給湯器の待機電力にかかっている電気代は全体の電気代の1%程度にすぎません。
関東電気保安協会が出しているデータによると、そもそも家庭全体の消費電力のうち待機電力の割合は、全体の5%程度に過ぎません。
さらに待機電力のうち、給湯器にかかる待機電力は19%とデータが公開されています。
月々の電気代で考えると
- 月々1万円の電気代のうち500円が家電全体の待機電力による電気代(全体の5%)
- 月々1万円の電気代のうち100円が給湯器の待機電力による電気代(全体の待機電力の19%)
というイメージになります。
関東電気保安協会が出しているデータはガス温水器が基本ですが、待機電力に関して言うなら電気であれガスであれ大きな違いはありません。
ガスであれ電気であれ、湯沸かしのために機械を動かしているときの熱源が異なるだけで、給湯の仕組みは基本的にほぼ同じです。
給湯の機械を動かしていないときに待機しているのが待機電力なので、そこに大きな違いはないと考えて良いでしょう。
そう考えると、電気給湯器の待機電力を改善して得られる効果は、月々100円程度といえます。
電気代が高い場合、電気給湯器が動いていないときの待機電力が原因と考えるより、
- 普段の使い方(給湯時の電気代)
- 昼間や夜間の自動沸きまし(自動で稼働しているときの電気代)
などに原因があると考えて、工夫をしていくことが大切です。
電気温水器の冬の電気代は高くなる傾向も
一般的な電気温水器は、電熱ヒーターの熱で水を温めてお湯を作る構造になっています。
電気温水器は、いわば、家庭用の電気ポットを大きくしたようなものとイメージするとわかりやすいでしょう。
電気の力のみで温水を作る電気温水器は、水道水の温度によってお湯を沸かす時間も違ってきます。
特に冬は、気温の低下に伴い水道水の温度も下がります。
その水を電気温水器で沸かすとなれば、いつも以上に電力を使うこととなり、電気代が値上がりする要因となります。
値上がり傾向?深夜電力のプラン廃止した電力会社
電気代の値上がりに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
2021年9月頃から電気代の高騰や値上げのニュースが続いています。
高騰や値上げの原因は『石炭や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格高騰』とされています。
政府は電気料金の負担軽減策として、2023年1月に使用し、翌2月に請求される分から、家庭向けで1kWhあたり7円を補助すると発表しました。
しかし、2023年の春以降、電力会社7社が再び値上げをする見通しです。
早ければ3月に値上げが始まり、4月に請求される分から値下げ幅を上回る値上げが行われる地域もあります。
値上げの幅は国の審査で決まりますが、各社が申請した時点では平均で28%~45%になっています。
今後も電気代は値上がり傾向にあると言えるでしょう。
しかし、この様な状況の中、割引率が高い深夜電力プランを廃止した電力会社もあります。
電気温水器を始めとする夜間運転機器の割引廃止を実施した電力会社は次の通りです。
- 中国電力2018年4月1日
- 東京電力2020年10月1日
- 東北電力2021年3月末
- 中部電力2022年4月1日
- 四国電力2022年4月1日
- 九州電力2022年4月1日
- 関西電力2022年7月1日
また、北海道電力・北陸電力・沖縄電力では、2016年3月31日をもって「夜間運転機器割引」への新規加入は終了しました。
【電気代が安くなる】電気温水器の賢い使い方や節約方法
深夜電力プランの廃止や石炭や液化天然ガスなどの輸入価格高騰により、電気温水器にかかる電気代が値上がりしている傾向にあります。
毎月届く電気代の請求額に驚いている方もいらっしゃることでしょう。
実は、電気温水器の電気代は契約や使い方などによって料金を抑えることも可能です。
そこで、電気代を少しでも安く抑える賢い使い方や賢い使い方や節約方法を紹介します。
契約プランを再検討する
電力会社によっては、時間帯によって電気代が安くなるプランを用意しています。
深夜電力プランに比べると割引率は下がりますが、少しでも割引が受けられるプランへ乗り換えましょう。
例えば、九州電力が出している『電化でナイトセレクト』は、夜間の料金が14円48銭、その他の時間帯は18円55銭〜27円57銭となっています。
こまめに電源をOFFにする
電気温水器には「フルオートタイプ」「セミオートタイプ」「給湯専用タイプ」の3種類があります。
自動で湯量や湯温を調節できる「フルオートタイプ」は、とても便利な機能です。しかし、電源をONにしているだけで多くの電力を消費しています。
電源がつけっぱなしになっていると、自動的に水温の低下を検知して追い炊きや保温を行ってしまうため、意図していない時でも多くの電力を使うことになってしまうのです。
お湯を使う時以外は自動的に稼働しはじめるのを防止する目的で、電源をOFFにすると、節電にも繋がります。
ただし、冷めたお湯を沸かし直すときに多くの電力が必要になるため、湯温を下げ過ぎないよう適度にオン・オフを意識しましょう。
湯切れに注意して節水する
お湯を使う時間帯を変えただけでも電気代の節約に繋がります。
例えば、夜間割引プランを使っている一人暮らしのお客様は、日中に使用するお湯を節水するだけで電気代のコストを抑えられます。
しかし、使用する時間帯があまりにも偏り過ぎるとタンク内は湯切れを起こし、沸き増しが必要になり、その分の電気代がかかってしまいます。
日頃からお湯を必要な分だけ使うようにして、節水を心掛けてください。
電気温水器を一日おきに沸かす
普段あまりお湯を使わないというライフスタイルの場合は、貯湯タンクのお湯を毎日沸かすのではなく、1日おきに沸かすというやり方でコストダウンに繋げることも有効です。
電気温水器の内部は、電気ポットや魔法瓶と同じで保温効果のあるタンクになっているので、1日沸かさなくても、すぐにお湯が水になることはありません。
1日程度であれば、お風呂やシャワーで不便を感じる温度にまで下がることはないでしょう。
ただし、特に気温が低い真冬となれば、3日沸かさないと完全な水状態になることもありえます。
再度お湯を最初から沸かそうとすると、電力の消費が一気に上がり、かえって電気代が高くなることもあります。
また、タンク内の温度が下がると使用できる湯量も減り、湯切れを起こしやすくなりますのでご注意ください。
【長期不在】電気温水器をしばらく使わないときの対応
各メーカーでは『長期不在』の電気温水器の対応として、電源を切って水抜きすることを推奨しています。
例えばPanasonicでは、次のようにホームページでお知らせしています。
1ヶ月以上使用しない場合は、タンクのお湯を抜いてください。
ただし、凍結の可能性がある季節や地域によっては、タンクだけでなく配管の排水もしないと、思ったよりも凍結防止の効果は得られません。
一人暮らしで賃貸にお住まいの方は、ぜひ管理会社や不動産会社に問い合わせてみましょう。
場合によっては、そのままで(何もしなくて)良いですよ、と言われることもあるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてくださいね!