【図解】電気温水器とは?賃貸マンション給湯器の違いや見分け方!ガスと比べてどちらが安い?

オール電化や太陽光パネルの普及に伴い、最近では『電気給湯器』を設置する賃貸マンションも増えています。

しかし、まだまだ馴染みが薄い電気温水器。自分が賃貸マンションに入居したとき、実際に設置されている給湯器は電気なのか?ガスなのか?見分けがつかない方も多いようです。

そこでここでは

  • 【図解】電気温水器とは?
  • 賃貸マンションの給湯器の違いや見分け方
  • ガスと比べてどちらが安い?

について詳しく解説していきます。

これから引越しを検討されている方も、給湯器の違いや見分け方が分かりますので、ぜひ参考にしてください。

目次

賃貸マンションの電気温水器とは?貯湯式給湯器の特徴

マンションに導入されている給湯器には『電気温水器』『エコキュート』の2種類があります。

賃貸マンションで採用している電気式給湯器は、主に「貯湯式」になります。

貯湯式とは、タンク内に貯まった水を電熱ヒーターの力で沸かし、そのお湯をタンク内にストックしておく給湯器です。

電気温水器もエコキュートも燃料は電気。しかし、この2つの給湯器には大きな違いがありますので、詳しく解説していきます。

電気温水器の特徴

電気温水器は、電熱ヒーターの熱で水を温めてお湯を作る給湯器です。

構造的には、家庭用の電気ポットを大きくしたようなものとイメージするとわかりやすいでしょう。

こちらが、一般的な貯湯式の電気温水器です。

出典:Panasonic

電気温水器には『角型』と『丸型』の2つのタイプがあります。

こちらは、三菱電機が販売している電気温水器の一部です。

出典:三菱電機

一般的な電気温水器は『フルオートタイプ』『オートタイプ』『給湯専用タイプ』の3種類を展開しています。

電気温水器は、火を使わずにお湯を沸かせるため、安全面から設置する賃貸マンションも増えていますし、稼働時の音が静かという点もメリットの1つです。

いつでも使いたいときに適温のお湯が使えますが、使いすぎるとタンク内のお湯が尽き、湯切れすることがあるため注意しましょう。

また、タンクに貯まった湯水は、震災時に生活水として使うことも可能です。

一般的に賃貸マンションの多くは、貯湯式の電気温水器をパイプシャフトに設置しています。

パイプシャフトに設置された丸型電気温水器の一例。

しかし、構造やスペースの問題で、室内やベランダに設置する賃貸マンションもあるでしょう。

こちらは部屋に設置された角型電気温水器の一例です。

こちらは、ベランダに設置された角型電気温水器の一例です。

このような形で、パイプシャフト・室内・ベランダに貯湯式の電気温水器が設置されています。

エコキュートの特徴

オール電化の普及に伴い、最近ではエコキュートを導入している賃貸マンションも珍しくありません。

エコキュートは『フルオートタイプ』『オートタイプ』『給湯専用タイプ』の3種類に分かれています。

電気温水器と同じく、エコキュートも貯湯式の給湯器で燃料は電気です。しかし、2つの給湯器には大きな違いがありました。

エコキュートはタンクに貯めた水をヒートポンプを使って効率的に温める構造になっており、ランニングコストを電気温水器の約1/3に抑えることが可能です。

こちらはエコキュートの構造です。

出典:Panasonic

熱効率のアップにより「毎月の電気代が安く済む」という点が、最大のメリットと言えるでしょう。

エコキュートは、タンク内の熱湯と水道水と混合弁で混ぜることで、いつでも適温のお湯がシャワーや蛇口から出る仕組みになっています。

しかし、エコキュートは貯湯式の給湯器です。一気にお湯を使い過ぎるとタンク内のお湯が尽き、湯切れすることがあるため注意しましょう。

ガス給湯器

ガス給湯器には『都市ガス型』と『プロパンガス(LP)型』の2種類があります。

ガス給湯器の中には水が通過するパイプがあり、そのパイプを『熱交換器』で熱してお湯を作ります。

ガス給湯器の構造は次の通りです。

貯湯式電気温水器のようにタンク内でお湯を沸かすのではなく、ガス給湯器は水が配管を通ることで、ガスが自動的に点火され急速に温められる仕組みになっています。

この構造を『瞬間式』といいます。

蛇口をひねるとガスが瞬時にお湯を沸かす造りになっているので、使いたいとき好きなだけお湯が使えるという点がメリットです。

ガス給湯器はガスの力で火を作りお湯を作ります。

給湯器の劣化や誤った使い方が原因で、火災に繋がる危険もありますので注意しましょう。

賃貸マンションの電気温水器と他の給湯器の違いを分かりやすく解説

賃貸マンションに設置されている給湯器は『電気式』と『ガス式』の2種類になるでしょう。

2つの給湯器の大きな違いは燃料です。電気温水器の燃料は電気になりますが、ガス式給湯器は燃料にガスを使います。

しかし、ガス給湯器の燃料はガスになるものの、その給湯器を稼働させているのは電気です。

電気温水器やガス給湯器には、電気の配線と水やお湯の配管が繋がっていますが、ガスの配管が通っているのはガス給湯器だけです。

こちらが、一般的なガス給湯器の配管および配線。

近年では、オール電化や太陽光パネルの普及に伴い、『エコキュート』を導入する賃貸マンションも増えています。

エコキュートと同じく電気の力でお湯を沸かす仕組みの電気温水器。

どちらも火を使わずにお湯を作れるため、安全面でも優れていると言えるでしょう。

しかし、経年した電気温水器は熱効率が悪くなり、どうしても消費電力が上がってしまう傾向にあります。

現在、電気温水器が設置されている賃貸マンションにお住いの方から、電気代が高すぎるとお悩みの声もあがっているようです。

賃貸マンションの給湯器は電気・ガスどちらが安いのか

賃貸マンションに設置されている『電気温水器』『エコキュート』『ガス給湯器』のランニングコストを比較してみます。

こちらは、パナソニックが公開しているランニングコストの比較図です。

出典:パナソニック公開調査

比較図では、エコキュートのランニングコストが最も割安になることが分かります。

同じ電気式の給湯器でも、電気温水器のランニングコストはエコキュートの4倍です。

また、電気温水器とガス給湯器を比べると、電気温水器の方が年間で約1.3倍のコストがかかっています。

エコキュートやガス給湯器に比べると、電気温水器の光熱費の方が一番割高になる傾向です。

ただし、パナソニックのガス給湯器のデータは、都市ガスタイプを対象にしています。

では、賃貸マンションのガス給湯器がプロパンガス(LP)だった場合、光熱費はどうなるでしょう。

一般的にプロパンガスは都市ガスよりも高い傾向にあります。

こちらは、東京都のプロパンガスと都市ガス料金比較表です。

出典:プロパンガス料金消費者協会

プロパンガス(LP)と都市ガスを比べると、プロパンの方が年間で約1.6倍のコストがかかっています。

東京都に限らず、全国的にプロパンガスの方が割高傾向です。

電気温水器・エコキュート・ガス給湯器のランニングコストを比較すると、エコキュートが一番割安で、プロパンガスの給湯器が最も割高になっています。

※エコキュートは家庭用ヒートポンプ給湯器ともいいます。

出典:パナソニック公開調査

ランニングコスト面では、エコキュートが一番優れていると言えるでしょう。

賃貸マンションの給湯器が電気かガスかわからないときの見分け方

一般的には、賃貸マンションに設置された給湯器を使い、入浴やお皿洗いなどを行います。

しかし、賃貸マンションに設置された給湯器が「電気」なのか「ガス」なのか分らないというお客さまも多いようです。

そこで、給湯器の見分け方を詳しく解説します。

電気給湯器の見分け方

賃貸マンションに導入されている電気給湯器は、貯湯タイプの「電気温水器」です。

電気温水器には『角型』と『丸型』の2つのタイプがあります。

賃貸マンションの場合、広さや立地によって設置場所は異なりますが、一般的にはパイプシャフト・ベランダ・室内に設置されています。

こちらは室内とベランダに設置された角型タイプの電気温水器です。

こちらは、パイプシャフトに設置された電気温水器の一例です。

出典:クラシアン

貯湯タンク式の電気温水器はとても大きな形状になっているため、一目見ただけで電気温水器とわかるでしょう。

ガス給湯器の見分け方や確認方法

賃貸マンションに導入されているガス給湯器は、とてもコンパクトな作りになっています。

多くの賃貸マンションでは、ガス給湯器を屋外に設置しているでしょう。

屋外タイプのガス給湯器には『パイプシャフト方式』と『壁掛型』『据置型』の3タイプがあります。

ガス給湯器はガスの力で火を作ってお湯を沸かすため、設置のための基準が設けられています。

賃貸マンションに付いているガス給湯器の設置場所について詳しく解説します。

パイプシャフト式

賃貸マンションの玄関側の廊下には『パイプシャフト』を設けている物件も少なくありません。

このパイプシャフト内に設置されているガス給湯器が、パイプシャフト設置タイプです。

扉の中や壁に埋め込まれているため、一見すると給湯器とわからない物もあります。

壁掛型

パイプシャフトを設けていない賃貸マンションの場合、ベランダなどの壁にガス給湯器を掛けるケースもあります。

このように壁に設置するガス給湯器を『壁掛型』と呼びます。

壁掛タイプの特徴は、配管が給湯器の下側から出ている点です。

据置型タイプ

据置型のガス給湯器は、マンションの廊下などに直接置きます。

配管が横から出ている点が据置型の特徴です。

全てのタイプのガス給湯器には『排気口』がついています。

一方、電気温水器には排気口がありません。この違いも電気給湯器とガス給湯器を見分けるポイントになります。

賃貸マンションがエコキュートかどうか

エコキュートはタンクに貯めた水をヒートポンプを使って効率的に温める構造になっています。

ヒートポンプは一見するとエアコンの室外機のような形をしています。

こちらが実際のエコキュートの画像です。

出典:三菱電機

エコキュートは2つの機械を使って操作するため、設置するにはそれだけ多くのスペースが必要になります。

賃貸マンションには次のように設置します。

エコキュート設置ケース①ベランダ

貯湯タンクとヒートポンプをベランダに置く

出典:Panasonic

賃貸マンションのベランダに貯湯タンクとヒートポンプを並べて設置します。

貯湯タンクとヒートポンプは配管で繋がっているので、エアコンの室外機とは区別がつくでしょう。

エコキュート設置ケース②パイプシャフト

近年ではエコキュートの開発が進み、賃貸マンションなどの集合住宅に適した薄型でスリム設計のエコキュートも増えつつあります。

こちらのエコキュートは、パイプシャフトに設置したケースです。

出典:Panasonic

薄型の貯湯タンクは、パイプシャフト内にキレイに収まっています。

しかし、パイプシャフトはスペースが狭いため、ヒートポンプはパイプシャフトの横に置くか、ベランダなど離れた場所に別途設置することになります。

イメージとすれば次のように設置されます。

貯湯タンクとヒートポンプは配管で繋がっているので、エアコンの室外機とは区別がつくと思いますが、どうしても判断に困った時は、不動産会社などに確認してください。

賃貸マンションの給湯器が電気かガスか確認する方法

賃貸マンションを借りる時、設置されている給湯器を重視されている方も多いようです。

そこで、検討されている賃貸マンションが電気かガスか確認する方法を紹介します。

最近では、多くの不動産会社が空き物件を大手情報サイトに掲載しています。

例えば、LIFULL HOME’Sでは、住みたい住所・家賃や間取りなどの他に「こだわりの条件」を検索できます。

そこにオール電化や都市ガスといった、ご自身が希望するライフラインや設備を入力すると、条件に合った物件を紹介してくれます。

実際に検索した画像がこちらです。

出典:LIFULL HOME’S

オール電化の物件であれば、給湯器は『電気温水器』か『エコキュート』のどちらかになるでしょう。

また、都市ガスやプロパンガスの物件であれば、ガス給湯器と予測できます。

お目当ての物件が決まりましたら、直接、不動産会社にお問い合わせくだされば、お客様のご希望に沿った給湯器付きの物件を案内してくれるでしょう。

賃貸マンションのお風呂の給湯が電気かガスかの見分け方

賃貸マンションへ引越しをしたものの、自分の部屋に付いている給湯器の種類が分らない方は、まず、入居時にもらった説明書を確認してください。

基本的にお風呂の給湯は、据え付けてある給湯器が電気かガスかで決まります。

各世帯に設置された1台(1種類)の給湯器を使い、入浴や炊事を行うことになります。

これから引越しを検討されている方で、給湯器の種類にこだわりを持っている方は、大手物件サイトを利用するか、不動産会社に相談するのも良いでしょう。

賃貸マンションに設置された給湯器で、光熱費のコストが大きく変わってきます。

しかし、設置された給湯器に不満を感じても、賃貸マンションは、個人の判断で勝手に給湯器を取り換えることは禁止されていますのでご注意ください。

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