灯油ボイラー8つの不着火原因!燃焼しない・ランプがつかないのは故障?

長年使用していると起きる灯油ボイラーの不具合の1つが灯油ボイラーの不着火です。

・停電後に着火しなくなった
・電源を入れても燃焼しない
・着火せず、赤いランプが点滅する

このような症状に出くわすと、故障を疑うこともあると思います。

そこで今回は、不着火の原因について症状や対処法も合わせて解説していきます。

目次

灯油ボイラーが燃焼しない8つの不着火原因

灯油切れを起こしている

1つ目の原因として考えられるのは、灯油切れです。

灯油切れは、灯油残量がゼロになっているケースが一番想像しやすいでしょう。

しかし実際には次のような場合にも、灯油切れの症状が起こります。

  • 灯油の量が著しく減っている(ゼロではない)
  • 灯油が汚れている

このような場合でもリモコンが灯油切れを示したり、不着火に繋がることがります。

「外から目視では灯油がまだあるように見えたけど、実際は灯油が切れていた・・・」

そんな場合もあるので、実際にタンク内を確認してみましょう。

いったん灯油切れを起こすと、普段は灯油しか通らない場所にに空気が入り混んでしまいます。

そのため、灯油切れを起こした後に給油しても、内部に空気が混入しているため給湯器がうまく動かなくなります。

灯油切れを起こした後に給油した場合は、エア抜きを行って空気を抜くようにしてください。

一般的は手順は下記のとおりです。

  • 油タンクの送油バルブを開きます
  • オイルストレーナーの空気抜きねじをゆるめます
  • 灯油が連続して出てきたら、ねじを締めます
  • このときこぼれた灯油はただちにふき取ります
  • 送油バルブを閉じます

※空気抜きは十分に行なってください。

※空気抜きが不十分だと、点火しなかったり、燃焼中に消火することがあります。

エア抜きのやり方はお使いのメーカーによっては手順が異なる可能性があります。

必ずお使いのメーカーの取扱説明書に記載されている手順を確認して、実施してください。

点火プラグの汚れや故障で点火しない

2つ目の不着火の原因として考えられるのが、点火プラグの故障やすす汚れによる不具合です。

点火プラグとは、灯油に点火する部品です。

キッチンのガスコンロの場合、点火する時にチリチリと音がして赤く熱せられる所が、点火プラグです。

点火プラグは灯油に火を着火させる装置で、数センチ開けて並べた2本の棒の間に電気(火花)を起こします。

この点火プラグが新品の時は、電気を通しやすく火花を起こしやすいため、ピカピカと光っています。

この点火プラグ系の部品が故障すると、不着火の原因となります。

また、点火プラグは使用する度に、すすや汚れが付着していきます。

すすが電気を通しにくい性質を持っているため、すすで汚れると着火速度が落ちていき、いずれは着火自体しなくなります。

業者に頼むか自分で掃除するかして、すすや汚れを取り除くと良いでしょう。

すすやよごれは不良灯油を使ったときに出来ます。

不良灯油とは、水やごみが混ざった灯油のことです。

灯油ボイラーを長く使いたい場合は不良灯油は避けることで、数年ボイラーを長く使用することが出来ます。

ノズル・ストレーナーに汚れが詰まっている

3つ目の原因として考えられるのは、ノズル・ストレーナーの汚れや詰まりです。

ノズルやストレーナーは灯油の流れを制御し、燃焼の質を確保する役割があります。

そのため、これらの部品が汚れで詰まっていると燃焼が不安定になります。

  • 調子が良い時は着火できることがある
  • 調子が悪い時に失火してしまうことがある

このような場合、単純にノズルが詰まっていて燃料の噴出を邪魔しているかもしれません。

ノズルやストレーナーは個人で清掃される方もいらっしゃいます。

清掃で改善するケースもありますが、またすぐに詰まってしまうことも少なくありません。

結果的には部品交換に至るケースも多いでしょう。

部品交換は、専門業者に依頼するほうが良いです。

バーナーに不具合が起きている

4つ目の原因として考えられるのは、バーナーの不具合です。

灯油ボイラーのバーナーには、気化式と噴射式の2つのタイプがあります。

噴霧式とは

バーナーから灯油を霧状に噴き出して燃焼させる方法

※噴霧時の燃焼音が大きい・熱効率も悪い

気化式とは

灯油を気化式バーナー(電気ヒーター)でガス化させてから燃焼させる方法

※熱効率が高く、音も静か

以前は噴霧式が主流でしたが最近では気化式が主流となっています。

いずれにしても、このバーナーが故障すると、不着火の原因となります。

バーナーの故障の要因の多くは、経年劣化によるものです。

対応としては、基本的にはバーナーを丸ごと交換することになり、素人が作業するのは難しいでしょう。

バーナー部の噴射口が燃焼不良を起こしている場合は、黒煙が出ることもあります。

黒煙ですすがボイラー内に体積していくと、必要以上に加熱され大災害になるおそれがあります。

少しでも不安を感じたら、早めにメーカーや専門業者に相談しましょう。

燃焼制御装置に不具合が起きている

5つ目の原因として考えられるのが、燃焼制御装置に不具合が起きている場合です。

この燃焼制御装置の不具合は、主に貯湯式の灯油ボイラーでよく起きます。

燃焼制御装置とは、きちんと炎が点火しているかどうかを検知する装置です。

炎の状態を信号としてコントローラーに送り、必要以上に燃えていると検知すると安全のために火を遮断します。

炎の状態を検知する方法としては、例えば次のようなものがあります。

  • 炎の明るさを検知するタイプ
  • 実際の炎が当たることで認識するタイプ

炎の明るさを検知できない原因の1つには、燃焼制御装置がすすで汚れているという場合があります。

また、燃焼制御装置そのものが故障している、というケースもあります。

対処法としては、燃焼制御装置を清掃する、劣化しているなら部品を取り替えるという方法が考えられます。

これらの作業も、基本的には個人がやるべきではありません。

専門業者を呼んで、対応してもらう方が良いでしょう。

電磁ポンプに不具合が起きている

6つ目は、電磁ポンプに不具合が起きているケースです。

電磁ポンプとは、エンジンやモーターを使わずに、灯油を循環させるために使われるポンプです。

電磁ポンプが故障していると、送油がうまく行われないため、不着火の原因となります。

電磁ポンプの交換は、とても専門的な作業になるため、素人では行えません。

必ず専門業者に交換を依頼して下さい。

排気筒が潰れている・詰まっている

7つ目は、排気筒が潰れていたり、排気口にゴミが詰まっているケースです。

排気筒が潰れていたり、排気口にゴミが詰まっていると、着火不良を起こすことがあります。

ボイラーの内部が酸欠状態になっているためです。

酸欠状態でボイラーを使用すると、すす詰まりに繋がるため、無理して使用を続けるのは禁物です。

寒冷地では落雪によりボイラーの排気口が塞がれてしまうケースもあります。

屋外設置のボイラーを囲っている場合は、開口部が狭くなってしまい、酸欠状態になることがあるため注意しましょう。

灯油ボイラーの基盤に不具合が起きている

8つ目は、内部基盤が故障しているケースです。

灯油ボイラー内部の電子機器が故障すると、不着火の原因になります。

故障の要因は、経年劣化によるものが大半です。

内部に溜まった汚れやホコリなどを何年も蓄積すると、基盤がショートして故障の原因になることがあります。

基盤の場合は修理は難しく、基本的には丸ごと新しいものに交換することとなります。

灯油ボイラーが燃焼しない・燃焼ランプがつかないのは故障?

灯油ボイラーが燃焼しない・燃焼ランプがつかない原因の多くが経年劣化による故障や汚れです。

汚れは清掃によって改善されることがありますが、故障の場合には基本的に交換するしかありません。

ただし、次のような症状の場合は、故障ではありません。

【正常】燃焼ランプがついたり消えたりする3つのケース

燃焼ランプがついたり消えたりする症状のなかには正常なケースがあります。

  • 水の温度が高く使用量が少ない
  • そもそも湯量を絞っている
  • エコスイッチがONになっている(高効率給湯器限定)

灯油ボイラーは、入ってくる水の温度が低いほど、水量が多いほど、連続して燃焼します。

夏季で、入って来る水の温度が高く、さらにシャワー等の使用では水量も少ない場合、正常な動作としてインチング燃焼(点いたり消えたり)になることがあります。

また、お湯の蛇口を開けたときに、一定の水量がないと灯油ボイラーは燃焼を維持できません。

そのため、そもそも蛇口からの湯量を絞ってチョロチョロとしか出していない場合、ついたり消えたりの症状が起きることがあります。

エコスイッチがONになっていて、ボイラーが全開で燃焼する必要がない場合も、燃焼が途中で付いたり止まったりを繰り返します。

このような場合は蛇口を全開にしたり、エコスイッチ(エコモード)を解除してみてどうなるかを確認してみましょう。

・排気筒周りの問題

ボイラーが酸欠状態に陥っている時、火がついたり消えたりという症状になることがあります。

屋内タイプの場合は排気筒に変形や破損がないか、屋外タイプの場合は排気口が目詰まりを起こしていないかどうかを確認してください。

まとめ

今回は、不着火の原因などについて解説しました。

掃除や交換などで個人では対処が難しい場合は、下手に手を出さず専門業者に依頼するのが良いでしょう。

ボイラーの火がついたり消えたりするという症状は、ボイラーが寿命を迎えた時に出やすい症状の1つです。

ボイラーの機器寿命・耐用年数は10年前後であり、寿命に近いボイラーは修理より本体の交換の方が良いケースもあります。

高額修理になるようでしたら、本体交換をの方がお得になるケースが多いです。

その場合はボイラーの交換を検討してみましょう。

灯油ボイラーの不完全燃焼の原因は?

灯油ボイラーの内部にすすが付着している、点火系部品が故障している、などの原因が考えられます。

ボイラーのエラーの直し方は?

電源プラグを抜く、又は、リモコンのスイッチをOFFにして再度ONにする方法があります。詳細はお使いのメーカーの取扱説明書を確認しましょう。

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