エコキュートとエコジョーズの違いは?仕組みや費用の比較・選び方について解説!
エコジョーズとエコキュートの違いは?
エコキュートとエコジョーズはどちらが安くてお得?
エコキュートかエコジョーズか、選び方は?
このような疑問に答える記事です。
エコキュートとエコジョーズのどちらを導入するか、迷ってしまいますよね。
エコキュートとエコジョーズは、名前は似ていますが、機能や費用・大きさなどは全く異なっています。
この記事では、エコキュートとエコジョーズの違いについて、仕組みや費用など具体的に解説します。
ライフスタイルに合った給湯器を選ぶためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
- エコキュートとエコジョーズの仕組みの違い
- エコキュートとエコジョーズのメリット・デメリット
- エコキュートとエコジョーズの費用の違い
- エコキュートとエコジョーズどちらにするか選び方
エコキュートとエコジョーズの仕組みの違い
エコジョーズとエコキュートの大きな違いは「給湯の仕組み」です。
エコジョーズはガスを使用して、エコキュートは電気でお湯を作ります。
また、エコジョーズが加熱の際に出る熱を再利用するのに対し、エコキュートは空気中の熱を集めてお湯の沸き上げに活用します。
エコキュートの仕組み
一般に、気体は圧縮すると温度が上がり、逆に膨張させると温度が下がるという基本原理があります。
エコキュートは、熱伝導率の高い自然冷媒(CO2)に、この基本原理を応用しています。
パナソニック公式動画が、この仕組みを分かりやすく説明しています。
エコキュートは、下記のような仕組みでお湯を作ります。
- 大気中の空気の熱をヒートポンプユニット内の熱交換器の冷媒が取り込む
- 取り込まれた熱が、ヒートポンプ内の圧縮機にて高温になる
- 高温になった冷媒(CO₂)は、ヒートポンプ内の水側熱交換器で熱を水に伝えてお湯をつくる
- 水側熱交換器で熱を奪われた冷媒(CO₂)は膨張弁に運ばれて、低温になる
- お湯を貯湯ユニットに貯めて、お風呂や台所、洗面などで使えるようにする
- 貯湯タンク内の高温のお湯は、設定温度になるよう水を混ぜて、お風呂や台所、洗面などに給湯される
このように、エコキュートは、冷媒の圧力の上げ下げを通して、冷媒の状態(温度)を変化させながら、熱を移動させているのです。
エコキュートを動かす電気は、実際のところは、お湯を沸かすためや給湯するためではなく、熱(冷媒)を移動させるために使われています。
エコキュートで使われるエネルギー(電気)と生み出されるエネルギー(熱)を比べると、なんと熱エネルギーは使った電気エネルギーの3倍以上です。
そのため、エコキュートは非常に効率の良い省エネ機器と言われているのです。
エコジョーズの仕組み
エコジョーズは、従来捨てていた排気熱を回収して再利用するガス給湯器です。
そのため発生した熱を最大限活かしきって、従来よりも少ないガス消費量で効率よくお湯が沸かせます。
エコジョーズは、下記のような仕組みでお湯を作ります。
- ガスを燃焼させ、その熱で1次熱交換器内を通過する水を温水に変える
- このときの排気は約200℃~230℃と高温なため、活用して二次熱交換器で水を予備加熱する
- 二次熱交換器であらかじめ温められた水が一次熱交換器へ送られる
※エコジョーズでは200℃の排熱を50℃まで下げる際に水蒸気が発生します。
それが結露するため、ドレン水として排出するための工事が別途必要になります。
エコキュートとエコジョーズのメリット・デメリット
エコキュートのメリット
エコキュートのメリットとして、次のようなことが挙げられます。
- タンク内の水が災害時の水の備蓄になる
- 環境への負荷も軽減
- オール電化と組み合わせれば、光熱費の大幅な削減
エコキュートは温めた水をためておく「貯湯式給湯器」です。
そのため、災害で断水になった際はタンク内のお湯を非常用水として使うことができます。
電気を使った給湯器とは言え、停電時でもお湯を取り出せるので安心です。
実際、災害対策としてエコキュートを選ぶ人も多いです。
また、電気でお湯を沸かすため、ガスを使わないことで二酸化炭素の排出量も削減され、環境への負荷も軽減されます。
電気料金が安くなる深夜電力を使用するので経済的であり、オール電化と組み合わせれば、光熱費の大幅な削減につながります。
エコキュートのデメリット
エコキュートのデメリットとして、次のようなことが挙げられます。
- 一度に大量に使用するとお湯切れになってしまう
- 冬期は熱効率が下がり、相対的に光熱費がかかりやすくなる
エコキュートは沸かしたお湯をタンクにためておく仕組みなので、一度に大量に使用するとお湯切れになってしまいます。
通常、困らない湯量がキープされていますが、大量のお湯が急に必要になった時には足りなくなってしまうかもしれません。
また、エコキュートは空気の熱を利用するため、気温が下がる冬期は熱効率が下がり、相対的に光熱費がかかりやすくなります。
エコジョーズのメリット
エコジョーズのメリットとして、次のようなことが挙げられます。
- 災害や工事などで断水とならない限りお湯を使い続けることができる
- 給湯されたお湯を新鮮な状態で飲める
- コンパクト設計で、置く場所を選ばない
エコジョーズは水道から直接供給される水を沸騰させてそのままお湯に変えています。
そのため、災害や工事などで断水とならない限りお湯を使い続けることができます。
また、給湯されたお湯を新鮮な状態で飲むことができます。
高温設定にしておけば、コーヒーやカップ麺にもそのまま利用でき、非常に便利です。
エコジョーズは、その大きさも特徴です。
直接お湯にして供給するため、タンクが必要なく、全体的にコンパクト設計で、置く場所を選びません。
一軒家はもちろん、マンションのベランダなどにもスムーズに設置できるので「給湯器を置きたいけど場所がない」などといった悩みも解消されます。
エコジョーズのデメリット
エコジョーズのデメリットとして、次のようなことが挙げられます。
- 断水してしまうと一切お湯が使えなくなる
- 災害時には火事などのリスクがある
- ガスをあまり使わない家庭は、節約の効果をなかなか実感できない
エコジョーズは水道水をそのまま温めているため、災害時など断水してしまうと一切お湯が使えなくなります。
また、ガスを燃料としているため、災害時には火事などのリスクがあり危ないでしょう。
エコジョーズは、ガスの熱を再利用しているため、ガスを多く使う家庭ほど恩恵を受けられるシステムです。
そのため、家族が少ない家庭や毎日の入浴をサッとシャワーで済ます人などは、節約の効果をなかなか実感できません。
そうなると、エコジョーズの導入・継続費用を考えた時に損してしまうことになりかねないので、使用状況を加味した上で導入を考えましょう。
※エコジョーズでは熱を再利用する過程で水蒸気が発生し、結露します。(この水をドレン水と呼びます)
ドレン水はエコジョーズ本体内部で中和された上で排出されるため、人体や環境に大きな問題はありません。
しかし、そのまま垂れ流しにしてしまうと周囲が水浸しになり、コンクリートや建物を腐敗させてしまう可能性があります。
それらを防ぐため、ドレン水を排出するための配管工事が別途必要になります。
サイズ的にはコンパクトで場所を取らなくても、配管が原因で設置できないケースもあるため、導入する際は確認しておきましょう。
エコキュートとエコジョーズの費用の違い
給湯器には多くの種類がありますが、中でも多いのが「エコジョーズとエコキュートはどちらがお得?」という疑問です。
しかし、燃料やお湯を作り出すシステムから異なるため、「こっちのほうがお得」と言い切るのは困難です。
初期費用 / 導入費用
前述のように、どちらがお得かと言い切るのは困難です。
しかし、導入費用だけで考えると、エコジョーズのほうがお得と言えるでしょう。
機種によって差はありますが、一般的にはエコジョーズは約20万円〜、エコキュートは約60万円〜となっています。
一見するとエコキュートは高い!と感じるかもしれませんが、販売会社によって価格はかなり異なります。
家電量販店やハウスメーカーだと提示価格は高くなりますが、当社のような給湯器専門店なら、もっと安い初期費用で導入できる可能性があります。
詳しくは当社のご案内も御覧ください。▶坂口ボイラー トップページ
継続費用
継続費用について、電気代の安い夜のうちにお湯をつくるエコキュートのほうがお得と言われています。
しかし、2023年からガス代も電気代も値上がり傾向にあり、ガスだから安い、電気だから安い、という判断ができない時代になっています。
そもそも、電気は化石燃料を燃やして作っており、ガスも同じです。
燃料価格自体が高騰しているため、どちらも値上がるという結果に繋がっています。
お住まいのエリアの電力会社の電気料金単価によって判断が変わる
電気代に関して、電力会社が出している電気料金単価(1kWhあたり)次第で変わってきます。
例えば、九州電力に関しては原発が動いているので、電気料金は現在でもかなり安いです。
したがって、九州電力エリアにお住まいの方は、ガスよりも電気の方がお得になる傾向が高いといえます。
一方で、中国電力エリアは、すでに電気料金単価がすごく上がってしまっているので、太陽光発電とセットにしないと、お得感がないかもしれません。
一度、ご自身のお住まいのエリアの電力会社の動向を確認したり、試算してみたりするとよいでしょう。
月々の基本料金を節約するために、オール電化を目指すのもおすすめ
いずれにしても、燃料代は高騰している傾向があります。
月々の基本料金を節約するためには、オール電化を目指すのもおすすめです。
その理由としては、以下のように、電気とガスを両方使うと、どちらの基本料金もかかってしまうからです。
ガス代=基本料金(固定)+従量制料金(使った分だけ課金される)
電気代=基本料金(固定)+従量制料金(使った分だけ課金される)
「給湯器はエコキュート」「調理器はガスコンロ」など、電気とガスを併用して使用しているとします。
すると、それぞれに基本料金がかかり年間コストが上がってしまいます。
しかし、電気だけで生活するならばガスの基本料金はかかりません。
ガスの基本料金分が月々節約できることで見込めるトータルコストの削減も、長い目で見ると見逃せないポイントとなります。
このように、エコキュートを導入する際にはオール電化に切り替えた方が恩恵が大きいです。
基本的にはオール電化を前提として考えることをおすすめします。
エコキュートとエコジョーズどちらにするか選び方
選び方のポイント
給湯器を選び方のポイントは「使いやすさ」と「コストバランス」です。
ライフスタイルに合った給湯器の選びができると、結果的に多くのメリットを得ることができます。
給湯器選びの基本となるのは、家族構成やライフスタイルを考慮して、給湯器のメリットとデメリットをしっかりと比較することです。
家族構成やライフスタイル、商品の使い方によっては一般的なデメリットをあまり気にすることなく使用できます。
それだけでなく、メリットだけを感じるケースも珍しくありません。
一般的な商品の評価よりも個々の使用状況に照らして実際にどう感じるかということを優先しましょう。
特に、給湯器は状況によって設置が困難な場合や稼動する際の振動が気になることもあります。
エコキュートは深夜に動き、寝室などのそばに設置すると耳ざわりに感じるケースも少なくありません。
一例として、エコキュートとエコジョーズどちらにするか、選ぶポイントは次のとおりです。
- 入浴習慣
- 住宅の状況
- 自治体の補助金
入浴習慣
毎日湯船に浸かる場合はエコジョーズがおすすめです。
エコジョーズは給湯時のガス代を節約する効果があるため、お湯を頻繁に使う家庭ほど恩恵を受けやすいです。
浴槽にお湯を張る場合、約200Lのお湯を消費するため、エコジョーズを使用することで節約できるガス代が大きくなる可能性が高いです。
住宅の状況
住宅の状況も判断ポイントの一つです。
住宅の状況によっては設置できる給湯器が決まっている場合があります。
例えば、エコジョーズを設置する場合にはドレン排水のための配管が必要です。
しかし、ドレン配管を設置できない場合、ドレン排水の処理が出来ず設置することが出来ません。
また、エコキュートは深夜に運転して音を発するため、近隣の家との距離が極端に近い場合、クレームの原因となるかもしれません。
事前に話し合いをした上で設置するようにしましょう。
独断で設置してしまうと近隣トラブルを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
自治体の補助金
エコキュート・エコジョーズは、ともに導入することで自治体から補助金をもらえる場合があります。
「リフォーム補助金」や「省エネ事業」などの名前で出ている場合がありますので自治体に確認するようにしましょう。
エコキュートの方がおすすめな人
下記のような人は、エコキュートの方がおすすめです。
- プロパンガスからオール電化の新築に引っ越す人
- 光熱費を節約したい
- オール電化を利用したい / IHクッキングヒーターを使用している
- プロパンガスを使用している
- 安全性を重視している
- 震災に備えて水を貯めておきたい
プロパンガスからオール電化の新築に引っ越す人
プロパンガスは都市ガスに比べて単価が高いため、給湯にかかる光熱費はかさんでしまいます。
エコキュートは特に節約率の高い設備であり、その他のオール電化機器と組み合わせることでさらに節約率は上がります。
そのため、オール電化に切り替える人にとって、特に節約のメリットは大きなものとなるでしょう。
光熱費を節約したい
エコキュートのメリットの一つに、ランニングコストの安さが挙げられます。
ランニングコストは、一般的なガス給湯器(プロパンガス)と比較して、約4分の1と言われているため、光熱費を節約したい方にはおすすめです。
オール電化を利用したい / IHクッキングヒーターを使用している
オール電化を利用したい方、IHクッキングヒーターをすでに使用している方には、エコキュートがおすすめです。
家で使用する熱源をまとめることで余計な基本料金をかける必要がなくなり、光熱費の節約が見込めます。
プロパンガスを使用している
プロパンガスを使用しているガス給湯器のランニングコストは、エコキュートの約4倍です。
10年間使用することで、エコキュートの初期費用を回収できることもあるためエコキュートの設置がおすすめです。
安全性を重視している
エコジョーズはガスを燃やしてお湯を沸かすシステムのため、不完全燃焼などで火事を引き起こす恐れがあります。
しかし、エコキュートは火を使わずお湯を沸かすため安全です。
震災に備えて水を貯めておきたい
エコキュートは温めた水をためておく「貯湯式給湯器」です。
そのため、災害で断水になった際はタンク内のお湯を非常用水として使うことができます。
電気を使った給湯器とは言え、停電時でもお湯を取り出せるので安心です。
エコジョーズの方がおすすめな人
下記のような人は、エコジョーズの方がおすすめです。
- お湯を使用する人が多い / お湯切れの心配をしたくない
- シャワーをよく使う
- プロパンガスを使っている
- オール電化にするのが不安な人
- 昼間は在宅勤務などで基本的には家にいる
- 初期費用を安く抑えたい
- コンパクトに設置したい
お湯を使用する人が多い/ お湯切れの心配をしたくない
お湯を使用する人が多いとガス代は高くなりますが、エコジョーズを使えばその分大きな恩恵を受けられます。
また、エコジョーズは瞬間式の給湯器なため、お湯を沸かしてすぐに使用することができます。
家族がそれぞれ好きな時間帯にシャワーを使う家庭など大量のお湯が必要な場面でも、その場で必要な分だけお湯を作り出すことができるので、お湯切れの心配がありません。
シャワーをよく使う
シャワーを15分以上出しっぱなしで使う場合、1回浴槽にお湯をためるよりもガス代がかかると言われています。
また、エコジョーズは瞬間式の給湯器なため、お湯を沸かしてすぐに使用することができます。
シャワーを使った時の「水が出て驚いた」「なかなか温かくならない」などが減るのは大きなメリットと言えます。
プロパンガスを使っている
全国的に見ても、プロパンガスは都市ガスよりもガス代が高くなるのが一般的です。
普段からプロパンガスを利用している家庭では、毎月のガスの量が少しでも減ればガス代にも少なからず影響が出ます。
エコジョーズであれば最大15%も削減できるので、大幅な節約効果を実感できるでしょう。
オール電化にするのが不安な人
ガスコンロを使い続けたい人や、給湯コストの節約を行いたいがガス給湯器を使い続けたいという人もいるでしょう。
完全にオール電化に切り替えるのではなくガス機器を使用し続けたいという人にこそ、エコジョーズはおすすめです。
戸建て住宅の2階でも強い水圧でお湯を使いたい人
エコキュートは、一部直圧式の製品を除いてガス給湯器やエコジョーズに比べてシャワーの水圧が弱い点がデメリットです。
しかし、直圧式・瞬間式のエコジョーズであればお湯を同時使用した場合でも、強い水圧を保つことが出来ます。
昼間は在宅勤務などで基本的には家にいる
エコキュートを使用する際には夜間の電気代が安く、昼間の電気代が高いプランで電気料金の契約をすることが一番光熱費の節約に繋がります。
しかし、昼間も家にいて電気を使う機会が多い場合、かえって電気代が高くなってしまう恐れがあります。
昼間は在宅勤務などで基本的には家にいる場合は、エコジョーズのほうがおすすめです。
初期費用を安く抑えたい
機種によって差はありますが、一般的にはエコジョーズは約20万円〜、エコキュートは約60万円〜となっています。
このように、初期費用を安く抑えたい人はエコジョーズがおすすめです。
コンパクトに設置したい
エコジョーズは、直接お湯にして供給するためタンクが必要なく、コンパクト設計で置く場所を選びません。
「給湯器を置きたいけど場所がない」などといった悩みを持つ方におすすめです。
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