【川本ポンプ】エラーコード30「送水不能」の原因と対処法|水が出ないときの確認ポイント

「急に水が出なくなった」

「ポンプに“エラー30”と表示されて止まっている」

そんなトラブルが起きているなら、川本ポンプの「エラーコード30=送水不能」の状態です。

このエラーは、水源の枯渇や空気の混入(エア噛み)などが原因で、ポンプが正常に送水できなくなったときに発生します。

放置していると営業や施設運営に支障が出るばかりか、ポンプの焼損など深刻な故障にもつながるおそれがあります。

本記事では、川本ポンプの公式情報に基づき、「エラーコード30」の原因と対処法をわかりやすく解説します。

自分で確認できるポイントから、修理が必要なケースまで、今すぐできる対応策をご紹介します。

目次

エラーコード30「送水不能」とは

川本ポンプに表示される「エラーコード30」は「送水不能(または空運転)」を示すエラーコードです。

主にKB2シリーズ、JSB3シリーズ、KZBシリーズ、GSZB2シリーズなどの自動給水ポンプに搭載されている制御機能により検知されるもので、水が正常に供給されていない状態で発生します。(出典:川本ポンプ故障警報一覧

このエラーは、ポンプが運転状態にあるにもかかわらず、一定時間内に十分な水量が送れない場合に、ポンプ自身が自動で停止し、故障保護のために警報として「30」を表示します。

代表的な症状としては、次のようなケースがあります。

  • 操作盤に「エラー30」が表示され、ポンプが停止している
  • 水が出ない、または急に断水したような状態になる
  • ポンプの起動音はするが、吸水していないような動作感がある
  • 再起動しても数分で再びエラー表示が出る

なお、エラーコード30は川本製ポンプの中でも比較的新しいモデルに搭載されている電子制御タイプに特有の表示です。

旧式の手動リレー型ポンプではこうしたコード表示がない場合もあります。

そのため、型番がわからない場合でも、操作パネルに「30」と明示されているなら「送水不能」のエラーの可能性があります。

エラーコード30の主な原因


川本ポンプのエラーコード「30(送水不能)」が表示される原因は、ポンプが正常に水を吸い上げ、送り出すことができなくなったときです。

次に示すように、水源側に異常がある、ポンプが空気を吸い込んでいる(エア噛み)、などの原因が考えられます。


一次側の水源が枯渇している


水源となる受水槽や井戸の水位が下がりすぎているケースです。

受水槽であればフロートスイッチが故障して水が供給されていない、井戸であれば地下水位の低下やポンプ能力の不足が原因になることがあります。

チェックポイント:

  • 受水槽の水位を目視またはセンサーで確認
  • 給水元の供給停止(元栓閉止、断水)も含めて確認
  • 井戸ポンプとの連携がある場合、井戸ポンプ側の異常も疑う


ポンプが空気を吸い込んでいる(エア噛み)


吸水経路に空気が混入してポンプが空運転状態になっているケースです。

とくに初回の設置直後や修理・交換直後など、吸水側に空気混入があるとポンプが空転しやすく、送水不能に陥ります。

空気混入の原因例:

  • 吸込み配管の接続部の緩み(設置直後など)
  • ホースや配管に微細な亀裂が入っている
  • ポンプ上部に空気がたまっている(空気抜き不良)
  • フート弁の故障による逆流


給水バルブの閉止


給水側または吸水側のバルブが閉まっているというケースです。

単純なミスとして、点検や保守作業の後、バルブの開放を忘れてしまうケースがあります。

また、電動弁や自動弁が故障して閉止状態のまま動作しないという例もあります。

確認したいバルブ:

  • 吸水側のストレーナー手前のボールバルブ
  • 給水元の立ち上がり部分のメインバルブ
  • 自動弁や電磁弁の開閉状態(通電不良も含む)

フィルターやストレーナーの目詰まり

ポンプの吸水側には、異物を除去するストレーナー(フィルター)が設けられています。

これが長期間清掃されていない場合、ゴミやスケールが詰まり、水の流れを妨げて送水不能になることがあります。

詰まりのサイン

  • フィルター部の圧力差が大きくなる
  • ポンプの異音や振動が大きくなる
  • フィルター清掃で正常運転に戻る場合も多い


ポンプ本体の経年劣化や内部異常

ポンプ本体の内部部品(インペラやメカニカルシールなど)が摩耗・破損していて、物理的に送水できない場合もあります。

とくに10年以上使用されているポンプでは、定期的な点検が必要です。

内部異常の兆候:

  • 起動音が通常より大きい
  • 運転中にガタつく振動がある
  • モーターが異常発熱している

自分で確認できる5つのチェックポイント

エラーコード30「送水不能」が表示されたとき、まずは以下の5つを順番に確認しましょう。

多くはこの段階で原因が見つかるケースもあります。

チェック1:貯水槽の水位と警報ランプ

  • 貯水槽や井戸の水位が下がっていないかを確認します。
  • 水位低下や断水が原因であれば、給水が復旧するまでポンプは稼働できません。
  • 警報ランプや水位計が付いている場合は点灯状態もチェックしましょう。

チェック2:バルブの開閉状態

  • 吸水側・給水側のバルブが閉じていないかを確認します。
  • 保守作業後の開け忘れや、自動弁・電動弁の故障で閉止しているケースもあります。
  • バルブを開けても水が来ない場合は、給水元側の断水やバルブ不良が疑われます。

チェック3:ポンプの運転音と異常振動

  • 運転音が「空回り」しているように軽い、または大きな異音がないかを確認します。
  • 異常なガタつきや振動がある場合は、インペラやベアリングの不良が原因の可能性があります。
  • 無理に運転を続けると内部損傷やモーター焼損を招く恐れがあるため注意が必要です。

チェック4:吸水管の気密確認(泡や水漏れ)

  • 吸水側の配管や接続部に亀裂があると、空気が混入してエア噛みを起こしやすくなります。
  • 石鹸水を配管接続部に塗布して泡立つか確認するのも有効です。
  • フート弁の逆止不良がある場合も、ポンプ停止時に水が下がり、再起動時に空運転を招く原因になります。

チェック5:空気抜き操作と手順

ポンプ内たまった空気を抜くことで、症状が改善する場合があります。

▶︎自分でできる安全な空気抜きの操作方法は、メーカーの取扱説明書にも記載されていることがあります。

  • ポンプ上部や配管最上部にあるエア抜きバルブを開け、溜まった空気を排出します。
  • 機種によっては注水作業(プリミング)が必要な場合もあります。
  • 詳細な手順は、取扱説明書またはメーカー公式サイトを参照してください。

ただし、ポンプの種類や設備によっては、高圧がかかっていたり、構造が複雑だったりすることもあります。

誤って空気を含んだまま再始動すると、空運転やモーターの焼き付きといった重大なトラブルにつながる恐れがあります。

特に井戸水を使用している場合や、どこを開けていいかわからないときは、無理をせず専門業者に相談することをおすすめします。

リセット方法と再起動手順

確認ポイントを確認して対策ができたら、以下の手順でリセットを行いましょう。

  1. 制御盤のリセットボタンを押す
    • ポンプの操作盤にある「リセット」「復帰」ボタンを3秒ほど長押しします。
    • 機種によっては電源を一度OFF→ONに切り替える方法でも復帰できます。
  2. 電源ブレーカーの操作
    • 制御盤にリセットボタンがない場合は、ポンプ用ブレーカーを一度OFFにして10秒程度待ち、再度ONにします。
  3. 再起動後の挙動を確認
    • 再起動して正常に送水が始まれば、エラー30の原因は解消された可能性があります。
    • ただし再度エラー30が出る場合は、原因が残っているか、ポンプ内部の部品不良が疑われます。
  4. 繰り返し発生する場合は要注意
    • 何度リセットしても再発する場合、無理に再起動を繰り返さないことが重要です。
    • 繰り返すとポンプやモーターが焼損し、修理費が高額になる恐れがあります。

それでも直らないときは?

上記のチェックとリセットを行っても直らない場合、以下のようなポンプ内部の不良が原因の可能性があります。

  • ポンプ内センサー(圧力・流量センサー)の異常
  • 逆止弁やフート弁の不良による再起動時の空運転
  • モーターの焼損、ベアリング破損、インペラの摩耗など

このような場合、現場で自力修理するのは困難です。無理に稼働させないことが最も重要です。
空運転状態で運転を続けるとモーターの過熱・焼損が進み、修理費用が数十万円規模になるケースもあります。

症状が再発する、もしくは異音や振動を伴う場合は、早めに専門業者へ点検を依頼しましょう。

修理を依頼する際のポイント

専門業者へ修理を依頼する際は、以下の情報を事前に伝えると対応がスムーズになります。

  • ポンプの型番・製造番号(操作盤や本体に記載)
  • 使用年数(設置後何年経過しているか)
  • 表示されたエラーコードと症状の詳細
  • 直近で行ったメンテナンスの有無

費用の目安:出張診断費5,000〜10,000円前後、部品交換費は部品の種類によって10,000〜30,000円程度が一般的です。

依頼先は「メーカーや販売元に直接依頼する」か「地元の専門業者に依頼する」かの2択があります。

  • メーカーや販売元:安心感があるが、対応まで日数がかかることがある
  • 地元業者:迅速対応が可能で、費用面でも比較的リーズナブル

施設運営に支障が出ている場合は、即日対応できる地元業者を選ぶメリットが大きいでしょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1:ポンプは何回リセットしても大丈夫?

リセット自体は何度でもできますが、原因を解消せずにリセットを繰り返すのは危険です。空運転が続くとモーター焼損のリスクが高まるため、2〜3回リセットしても改善しない場合は専門業者へ相談しましょう。

Q2:井戸水でも同じエラーになりますか?

はい。井戸水を水源にしている場合も、井戸の水位低下やフート弁の逆止不良、配管の空気混入によってエラー30が発生します。特に地下水位が不安定な季節や長期間の取水時は注意が必要です。

Q3:空運転してしまったら、どんな故障になりますか?

空運転を続けると、ポンプ内部のメカニカルシールの損傷やモーターの焼損につながります。最悪の場合、ポンプ本体の交換が必要になるケースもあります。異常を感じたらすぐに停止し、原因を取り除くことが大切です。

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