【川本ポンプ】エラーコードHdL「吐出し圧力低下」の原因と対処法|渇水と空気混入に注意!
「ポンプが動いているのに水が出ない」
「制御盤に“HdL”の表示が出ている」
そんなトラブルが起きているなら、川本ポンプの「エラーコードhdl=吐き出し圧力低下」の状態です。
このエラーは、水源の枯渇や空気の混入(エア噛み)などが原因で、ポンプが正常に送水できなくなったときに発生します。
放置していると営業や施設運営に支障が出るばかりか、ポンプの焼損など深刻な故障にもつながるおそれがあります。
本記事では、川本ポンプの公式情報に基づき、「エラーコードhdl」の原因と対処法をわかりやすく解説します。
自分で確認できるポイントから、修理が必要なケースまで、今すぐできる対応策をご紹介します。
エラーコードHdL「吐き出し圧力低下」とは
川本ポンプに表示される「エラーコードHdL」は「吐き出し圧力低下」を示すエラーコードです。
主にKF2シリーズ、KFEシリーズなどの自動給水ポンプの制御盤で検知され、吐出し圧力が所定の値を下回るとポンプを自動停止し、「HdL」と表示されます(出典:川本ポンプ故障警報一覧)
代表的な症状としては、次のようなケースがあります。
- 操作盤に「HdL」と表示され、ポンプが停止している
- 給水が弱い、ほとんど出ない、圧力が回復しない
- 再起動してもすぐに再停止してしまう
- ポンプは動いている音がするのに、吐出口から勢いのある水が出ない
なお、エラーコードHdLは川本製ポンプの中でも電子制御式の給水ユニットに搭載された表示機能です。
旧型の手動運転式ユニットには、このような自動圧力監視と警報表示機能が搭載されていないこともあります。
そのため、型番がわからない場合でも、制御盤に「HdL」表示があるユニットであれば、吐出し圧力低下による自己保護機構が働いている可能性があります。
エラーコードHdLの主な原因
川本ポンプのエラーコード「HdL(吐き出し圧力低下)」が表示される原因は、ポンプが正常に水を吸い上げ、送り出すことができなくなったときです。
次に示すように、水源側に異常がある、ポンプが空気を吸い込んでいる(エア噛み)、などの原因が考えられます。
一次側の水源が枯渇している
水源となる受水槽や井戸の水位が下がりすぎているケースです。
受水槽であればフロートスイッチが故障して水が供給されていない、井戸であれば地下水位の低下やポンプ能力の不足が原因になることがあります。
チェックポイント:
- 受水槽の水位を目視またはセンサーで確認
- 給水元の供給停止(元栓閉止、断水)も含めて確認
- 井戸ポンプとの連携がある場合、井戸ポンプ側の異常も疑う
ポンプが空気を吸い込んでいる(エア噛み)
吸水経路に空気が混入してポンプが空運転状態になっているケースです。
とくに初回の設置直後や修理・交換直後など、吸水側に空気混入があるとポンプが空転しやすく、送水不能に陥ります。
空気混入の原因例:
- 吸込み配管の接続部の緩み(設置直後など)
- ホースや配管に微細な亀裂が入っている
- ポンプ上部に空気がたまっている(空気抜き不良)
- フート弁の故障による逆流
センサー類・制御基板・制御盤の故障
圧力発信器や制御系統に異常があるというケースです。
異常があると、吐出し圧力を正しく検知できず異常停止します。
とくに次のようなケースでは、誤って低圧と判定される可能性があります。
低圧判定の原因例
- 圧力センサー(発信器)の断線・故障
- 制御基板上のリレー、IC部の異常 など
これらの要因は単独で起きることもあれば、複合的に絡み合っているケースもあります。
現場では、「水源の異常の有無」「配管状態」「電装系のチェック」の順で、段階的に原因を切り分けて確認していくことが多いでしょう。
自分で確認できるチェックポイント
エラーコードHdL「吐き出し圧力低下」が表示されたとき、まずは以下を順番に確認しましょう。
多くはこの段階で原因が見つかるケースもあります。
チェック1:貯水槽の水位と警報ランプ
- 貯水槽や井戸の水位が下がっていないかを確認します。
- 水位低下や断水が原因であれば、給水が復旧するまでポンプは稼働できません。
- 警報ランプや水位計が付いている場合は点灯状態もチェックしましょう。
チェック3:ポンプの運転音と異常振動
- 運転音が「空回り」しているように軽い、または大きな異音がないかを確認します。
- 異常なガタつきや振動がある場合は、インペラやベアリングの不良が原因の可能性があります。
- 無理に運転を続けると内部損傷やモーター焼損を招く恐れがあるため注意が必要です。
チェック4:吸水管の気密確認(泡や水漏れ)
- 吸水側の配管や接続部に亀裂があると、空気が混入してエア噛みを起こしやすくなります。
- 石鹸水を配管接続部に塗布して泡立つか確認するのも有効です。
- フート弁の逆止不良がある場合も、ポンプ停止時に水が下がり、再起動時に空運転を招く原因になります。
チェック5:空気抜き操作と手順
ポンプ内たまった空気を抜くことで、症状が改善する場合があります。
▶︎自分でできる安全な空気抜きの操作方法は、メーカーの取扱説明書にも記載されていることがあります。
- ポンプ上部や配管最上部にあるエア抜きバルブを開け、溜まった空気を排出します。
- 機種によっては注水作業(プリミング)が必要な場合もあります。
- 詳細な手順は、取扱説明書またはメーカー公式サイトを参照してください。
ただし、ポンプの種類や設備によっては、高圧がかかっていたり、構造が複雑だったりすることもあります。
誤って空気を含んだまま再始動すると、空運転やモーターの焼き付きといった重大なトラブルにつながる恐れがあります。
特に井戸水を使用している場合や、どこを開けていいかわからないときは、無理をせず専門業者に相談することをおすすめします。
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HdLエラーが出たときの確認ポイントと応急処置
HdLエラー(吐出し圧力低下)が表示された場合、
まずは現場で確認できる以下の3点を優先的にチェックしましょう。
受水槽の水位を確認する
ポンプに送られる水が足りていないと、吐出し圧力が正常に上がらず、HdLエラーになります。
まず、受水槽の水位を目視で確認してください。
タンクが空に近い場合、水源の枯渇や補水不良が疑われます。
・自動補水弁が故障していないか
・井戸水の場合、揚水ポンプが正常か
などもあわせてチェックし、必要に応じて補水や修理を行います。
また、水が十分にあるのにポンプへ届いていない場合は、吸込み配管に空気が混入していないかを確認しましょう。
エア噛みの有無を確認する
HdLエラーは、空気混入(エア噛み)によっても発生します。
これはポンプが水を押し出す力を発揮できなくなるためです。
特に以下のような箇所を点検してください。
- 吸込み口の水没状況
→ 水中に沈んでいないと空気を吸い込みやすくなります。 - 継手やバルブの緩み
→ ごくわずかな隙間からでも空気が侵入します。 - 吸込み配管の破損・老朽化
→ 地中配管や屋外の露出配管は経年劣化しやすい箇所です。
エアが疑われる場合は、エア抜きバルブ(エアベント)を活用し、空気を逃がすことで一時的に改善することがあります。
電気系統・センサー類を確認する
物理的な水の流れに異常がない場合は、電気的な制御系の不具合も視野に入れます。
以下を順に確認しましょう。
- 圧力センサーの配線が抜けていないか
→ 接点が緩んでいると、誤作動や値の読み取りエラーにつながります。 - 制御盤の表示やエラーログの確認
→ 一時的な誤作動であれば、リセット操作で復旧する場合もあります。 - 漏電ブレーカーが落ちていないか
→ 雷や水濡れによる電源トラブルが原因になることもあります。
ただし、圧力センサーの故障や制御基板の異常は、現場での判断が難しいため、異常が続く場合は専門業者に相談しましょう。
リセット方法と再起動手順
確認ポイントを確認して対策ができたら、以下の手順でリセットを行うことができます。
- 制御盤のリセットボタンを押す
- ポンプの操作盤にある「リセット」「復帰」ボタンを3秒ほど長押しします。
- 機種によっては電源を一度OFF→ONに切り替える方法でも復帰できます。
- 電源ブレーカーの操作
- 制御盤にリセットボタンがない場合は、ポンプ用ブレーカーを一度OFFにして10秒程度待ち、再度ONにします。
- 再起動後の挙動を確認
- 再起動して正常に送水が始まれば、エラーHdLの原因は解消された可能性があります。
- ただし再度エラーHdLが出る場合は、原因が残っているか、部品不良が疑われます。
- 繰り返し発生する場合は要注意
- 何度リセットしても再発する場合、無理に再起動を繰り返さないことが重要です。
- 繰り返すとポンプやモーターが焼損し、修理費が高額になる恐れがあります。
それでも直らないときは?
上記のチェックとリセットを行っても直らない場合、以下のようなポンプ内部の不良が原因の可能性があります。
- ポンプ内センサー(圧力・流量センサー)の異常
- モーターの焼損など
このような場合、現場で自力修理するのは困難です。無理に稼働させないことが最も重要です。
空運転状態で運転を続けるとモーターの過熱・焼損が進み、修理費用が数十万円規模になるケースもあります。
症状が再発する、もしくは異音や振動を伴う場合は、早めに専門業者へ点検を依頼しましょう。
修理を依頼する際のポイント
専門業者へ修理を依頼する際は、以下の情報を事前に伝えると対応がスムーズになります。
- ポンプの型番・製造番号(操作盤や本体に記載)
- 使用年数(設置後何年経過しているか)
- 表示されたエラーコードと症状の詳細
- 直近で行ったメンテナンスの有無
費用の目安:出張診断費5,000〜10,000円前後、部品交換費は部品の種類によって10,000〜30,000円程度が一般的です。
依頼先は「メーカーや販売元に直接依頼する」か「地元の専門業者に依頼する」かの2択があります。
- メーカーや販売元:安心感があるが、対応まで日数がかかることがある
- 地元業者:迅速対応が可能で、費用面でも比較的リーズナブル
施設運営に支障が出ている場合は、即日対応できる地元業者を選ぶメリットが大きいでしょう。
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- 最短で即日対応・部品手配が可能
- 修理だけでなく代替機の提案や交換工事も対応
よくある質問(FAQ)
Q1:ポンプは何回リセットしても大丈夫?
リセット自体は何度でもできますが、原因を解消せずにリセットを繰り返すのは危険です。空運転が続くとモーター焼損のリスクが高まるため、2〜3回リセットしても改善しない場合は専門業者へ相談しましょう。
Q2:井戸水でも同じエラーになりますか?
はい。井戸水を水源にしている場合も、井戸の水位低下やフート弁の逆止不良、配管の空気混入によってエラー30が発生します。特に地下水位が不安定な季節や長期間の取水時は注意が必要です。
Q3:空運転してしまったら、どんな故障になりますか?
空運転を続けると、ポンプ内部のメカニカルシールの損傷やモーターの焼損につながります。最悪の場合、ポンプ本体の交換が必要になるケースもあります。異常を感じたらすぐに停止し、原因を取り除くことが大切です。