給水ポンプの圧力タンク交換費用は高い?故障の目安・修理で済むケースの見分け方
「最近、水の勢いが弱い気がする…」
「圧力計の数値が安定しない」
「住民・利用者から“シャワーが弱い”とクレームが来た」
そんなとき、真っ先に疑われるのが 給水ポンプの“圧力タンク” です。
圧力タンクが劣化すると
・水圧が上下して安定しない
・ポンプが頻繁にON/OFFを繰り返す(チャタリング)
・水が出にくい、突然弱くなる
といったトラブルにつながり、放置すると 完全な断水 に発展することもあります。
ただ、現場ではこんな悩みも多いはずです。
- 「本当に圧力タンクが原因なのか?」
- 「修理で済むのか?交換すべきなのか?」
- 「そもそもタンクは交換するといくらかかるのか?」
- 「ユニット全体を交換するとしたらどんなケースか」
本記事では、こうした疑問にひとつずつ答えながら、
- 圧力タンクの故障症状
- 修理で済むケース・交換が必要なケース
- 費用感の目安
- 専門業者が見る“判断ポイント”
を、初心者にもわかりやすく整理しました。
今、建物で水圧トラブルが起きている方、あるいは点検で「圧力タンクが怪しいですね」と言われて不安な方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
圧力タンクが故障するとどうなる?|典型的な症状一覧
圧力タンクの劣化・故障は、症状がとても分かりやすいです。
以下のいずれかに心当たりがあれば、タンクが原因の可能性が高いです。
水圧が上下する・シャワーが弱くなる
これは圧力タンク故障で最も多い症状です。
- シャワーが弱くなったり強くなったりする
- 水圧が一定しない
- 圧力計の値が上下する
これらの症状はタンク内部の空気が抜けてしまっていることが原因であることが多いです。
ポンプが頻繁にON/OFFを繰り返す(チャタリング)
圧力タンクの中の空気が抜けてしまうと、水圧を支える“クッション”がなくなります。
すると、ポンプが止まった瞬間に水圧がストンと下がり、すぐに再びポンプが起動します。
その結果…
- 短時間でON
- すぐにOFF
- またすぐON
という動きを延々と繰り返す状態になります。これをチャタリングと呼びます。
ポンプは本来、「一定時間運転 → 停止 → 次の運転」というゆるやかなサイクルを前提に設計されています。
ところがチャタリングが起きると、
- モーターに過剰な負荷がかかる
- 電気回路(インバーター・制御盤)が異常熱を帯びる
- 始動電流が何度も流れる
- ベアリングに無理な力がかかる
などが重なり、放置すると、正常運転の比にならないレベルで劣化が進みます。
圧力計の針が安定しない
通常、給水ポンプの圧力計は 一定の数値付近で安定 しています。
ところが圧力タンクに異常があると、この針が
- 小刻みに上下に揺れる
- ゆっくり波のように上下する
- 給水していないのに急に数値が落ちる
といった“波打つ動き”を見せることがあります。
針が揺れるのは軽度な症状に見えますが、実際は以下の前兆です。
- チャタリング(頻繁ON/OFF)の前触れ
- 圧力タンク内部の空気ゼロの可能性
- 逆止弁不良やセンサー異常の可能性
- 早朝・深夜に断水が起きやすくなる
エアー補給してもすぐ抜ける
圧力タンクには、内部の空気量を調整するための エアー補給バルブ がついています。
タンク内部の空気が減ってしまったとき、ここから空気を補充すると一時的に水圧が戻ることがあります。
しかし…
- 空気を入れても数日で元通り弱くなる
- 補給直後は安定するが、すぐに水圧が不安定になる
- 空気を入れても入れても改善しない
という場合は、圧力タンク内部に 構造的な異常 が発生している可能性が高いです。
専門業者が現場で確認する圧力タンクの“故障サイン”
水圧トラブルが起きたとき、管理者でもできるチェック項目は以下の3つです。
- 圧力計の値が正常か
- 給水ユニットの警告ランプ(エラー表示)が出ていないか
- ポンプが頻繁にON/OFFしていないか(チャタリング)
この3つの情報は、専門業者が現場に出向いたときに、現場の状況を正確に伝える手助けになります。
もし、基本的な仕組みから知りたい方は以下の記事をぜひ読んでください。
これに加えて、圧力タンクが原因のトラブルかどうか、プロの技術者は以下のポイントで判断します。
- 空気を入れてもすぐ抜けるか(エア漏れ確認)
- 叩くと「水がパンパンに入っている音」がするか(内部が“水ダダ漏れ状態”)
- タンク外側が結露しているか(内部が水で満たされているサイン)
- 圧力がどれくらい安定せずシャワーが弱くなるか(予備圧力を保持できていない)
これらは 素人チェックでは判別しにくく、状況をみながら設備を触る必要がある内容 です。
※上記の判断にはエアバルブの開閉や空気圧測定などの作業が伴います。
素人が自力で実施しようとはしないでください。
圧力タンク以外にも水圧低下の原因があります。
- インバーター故障(よくある)
- 圧力センサー不良
- 逆止弁不良(戻り流が発生)
- 配管閉塞(サビ・スケール)
この辺りは管理者が判断するのは難しく、プロによる点検が必要です。
修理で済むケース・済まないケース
圧力タンクの不具合は、すべてが“即交換”というわけではありません。
現場では「修理で済む軽症」と「タンク交換が必要な重症」に分かれます。
| 内容 | 判断の一例 |
|---|---|
| 空気が少し抜けてるだけ | ✔ 修理可(エア補給) |
| 予備圧力のズレ | ✔ 調整で改善 |
| 周辺配管トラブル | ✔ 修理可 |
| 空気が維持できない | ✖ 交換 |
| タンク内部に水が侵入 | ✖ 交換 |
| 外側が結露 | ✖ 交換 |
| サビ・腐食がひどい | ✖ 交換 |
管理者としてこれらを把握しておくと、無駄な出費や不要な工事を避けられます。
修理で済むケース(軽症)
① 空気が少し抜けているだけ(エア補充で回復)
圧力タンクは時間とともに内部の空気が少しずつ減ることがあります。
- 水圧が弱い
- ポンプが少し頻繁に動く
といった症状は、エア補給だけで復活することがあります。
✔ 数千〜1万円台で対応可能なケースもある
(ただし、空気が“すぐ抜ける”なら別問題)
② 予備圧力の調整不良
タンク内の空気圧(予備圧)が適正値から外れていると、水圧が不安定になります。
- 空気圧が高すぎる
- 空気圧が低すぎる
この場合は 調整のみで改善 することがあります。
✔ 費用の目安:1〜2万円前後(調整のみの場合)
③ タンク周辺の配管・逆止弁が原因
圧力タンク自体ではなく、
- 逆止弁が閉まりきっていない
- 配管で水が戻ってしまう
- バルブの締め不良
といった周辺の不具合でも、水圧が落ちたりします。
この場合はタンク交換不要です。
✔ 費用の目安:1〜5万円前後(部品交換の有無により変動)
修理では済まないケース(交換が必要)
① エアを入れてもすぐ抜ける(タンク内部破損)
これは“タンク本体が寿命”の典型例です。
内部のダイヤフラム破れや溶接部劣化が原因のことが多く、修理では回復できません。
✖ 対応:タンク交換が必須
✔ 費用の目安:8〜20万円前後(容量・メーカーにより変動)
② タンク内部が水で満タンになっている
タンクの外面を軽く叩いて、「ドンッ」と鈍くて重い音がする場合は、空気室に水が侵入しています。
(逆に、内部に空気層があれば「コンコン」と軽い金属音がします)
鈍くて重い音がする状態は完全にアウトと判断することが多いです。
✖ 対応:タンク交換のみ
✔ 費用の目安:10〜20万円前後
③ タンク外側が結露している
本来はタンク外側が結露する構造ではありません。
結露は、空気室が破れ、中が“水の塊”になっている時に発生しやすい症状です。
✖ 対応:交換推奨
✔ 費用の目安:10〜20万円前後
④ サビ・腐食が進んでいる(10年以上経過)
サビ・腐食が深刻な場合、交換以外の選択肢はほぼありません。
見た目が軽度でも内部劣化が進んでいるケースがあるため、外観だけでは判断しないのがプロです。
- タンクの設置年や交換歴
- 外装の剥がれや茶色いサビの程度
- 結露の範囲やタンク音
これらを総合的にみて判断します。
✖ 対応:交換のみ
✔ 費用の目安:10〜25万円前後
給水ポンプの圧力タンクの寿命・交換費用
寿命の目安
給水用圧力タンクの寿命は 10〜15年 が一般的です。
内部のダイヤフラム(膜)や金属部分は長期間の圧力変動で確実に劣化します。
10年以上使っているタンクは、それだけで“交換候補”に入ります。
たとえ見た目がきれいでも内部が劣化しているケースは多いです。
交換費用の目安
一般的な小〜中規模施設で、給水ユニット向けの標準仕様タンクであれば、合計8〜20万円前後の相場感となることが多いでしょう。
圧力タンク本体の価格目安(相場)
- 小型(20〜40L):5〜10万円
- 中型(60〜100L):10〜20万円
- 大型(150L〜):20〜40万円
※川本・テラル・荏原など主要メーカーもこのレンジ
交換工事費(目安)
- タンク交換作業:3〜8万円
- 周辺配管の付け替え・逆止弁交換:1〜5万円
- 搬入・搬出・断水作業:別途1〜3万円
ただし、これはあくまでも小〜中規模施設の一般的な工事例であり、以下の場合は 20万超え になることもありえます。
- 夜間・緊急工事
- 大容量タンクの交換
- 地下ピットで搬入が困難
- 配管腐食がひどく周辺も交換が必要
さらに、高耐圧・耐食仕様、大型タンク、あるいは産業向け仕様 であればタンク本体だけで 20万円どころか、もっと高額になる可能性もあります。
実際には施設の規模を見てから、現場での判断となります。
あくまでも上記は参考程度にとどめておくことをおすすめします。
タンクだけ交換すべき?それともユニットごと交換?
圧力タンクが故障した場合、管理者がまず悩むのが
「タンク単体の交換で済むのか?」
「給水ユニットごと入れ替えるべきなのか?」
という判断です。
結論から言うと、この判断は “タンク以外の設備がどれだけ老朽化しているか” が大きなポイントになります。
ここからは判断ポイントの一例をお伝えします。
タンクだけ交換で十分なケース
① ポンプや制御盤がまだ新しい(設置5〜10年以内)
給水ユニット全体の寿命は 10〜15年 が目安。
そのため、ユニット全体がまだ若い状態であれば、
- 圧力タンクだけ劣化
- 他の機器は正常稼働中
- 故障履歴がほとんどない
というケースは多いです。
この場合は タンクのみ交換 でコストを最小化できます。
② タンクの破損が“単独トラブル”と判断できる場合
プロが確認して、
- 予備圧の保持ができない
- タンクの内部破損が明らか
- 周辺配管・逆止弁に問題なし
- 制御盤(インバーター)が正常
という状態で、タンクの単独故障と判断されるケース。
この場合も、ユニット全体の交換は不要と判断します。
③ タンク容量のみ変更したい場合
施設によっては「ポンプはそのまま使いたいが、タンク容量を増やして圧力の安定性を上げたい」というケースもあります。
例)
- 高層階の水圧改善
- 深夜のチャタリング減少
このようなケースも タンクだけの入れ替え だけを検討します。
ユニットごと交換したほうが良いケース
給水ユニット(ポンプ含む)が10〜15年以上経過している
給水設備は寿命が重なるため、タンクだけ交換しても“次はポンプが壊れる” という連鎖が起きやすいです。
- ポンプ(寿命:10〜15年)
- インバーター(寿命:8〜12年)
- 圧力タンク(寿命:10〜15年)
- 逆止弁・配管(同じく劣化)
このように、年数がかぶるため、
15年超えたユニット → タンク交換は延命措置にしかならない
となります。
結果的に高くつくためユニット交換が合理的と判断し、ユニット交換をすすめられるケースがほとんどです。
② 周辺部品(逆止弁・圧力センサー・配管)が劣化している
タンクが破損するときは、たいてい周辺機器も同じ年数老朽化しています。
- 逆止弁が戻り流を起こしている
- 配管接続部から微量漏水
- 圧力センサーの誤作動
- 制御盤ランプの点滅
この場合は 部分交換では根本解決にならない ため、ユニット更新の方が安心です。
制御盤(インバーター)が古い/故障が出始めている
圧力タンクが壊れる時期と、インバーターの劣化時期はとても近いです。
もし、
- 圧力がふらつく
- 異常ランプが点灯
- 圧力センサーの動きが不安定
という兆候がすでに出ているなら、
タンクを換えてもしばらくしてインバーターが壊れる可能性大。
そのため、ユニット更新のほうがトータルコストを抑えやすい と考えましょう。
圧力タンクは放置すると危険|断水リスクと早期対応の必要性
圧力タンクの不調は、見た目では分かりにくいため「まぁそのうち点検しよう…」と後回しにされやすい設備です。
しかし実際には、放置するほどトラブルが一気に加速する“危険な設備”でもあります。
圧力タンクが機能しなくなると、給水システム全体が不安定になり、最悪の場合は「建物全体が突然断水」します。
特に以下の建物は、1台の給水ユニットに依存していることが多いため緊急性が高いです。
- 小〜中規模マンション
- クリニック
- 老人ホーム
- テナントビル
- 事務所ビル
断水が起きると、住民や利用者への説明・復旧手配など、管理者の負担は非常に大きくなります。
特にマンションやクリニックなど、「水が止まると営業に直結する建物」では早期対応が必須です。
九州エリア(一部除く)で迅速対応中!坂口ボイラーへご連絡を
給水ポンプ・圧力タンクのトラブル、交換、メンテナンスは、ぜひ坂口ボイラーへご連絡ください。
わずかな違和感も、実は重大な不具合の前兆かもしれません。
- 水圧が弱い・安定しない
- 圧力タンクの音や結露が気になる
- ポンプの寿命が近づいている気がする
- 交換すべきか、修理で済むか迷っている
そんなときは、どうぞお気軽にご相談ください。
専門技術者が状況をお伺いし、最適な対処方法と費用の目安を、丁寧にご案内します。
例)弊社が対応できる内容
- 圧力タンクのチェック・交換
- 給水ユニット全体の点検・更新
- ポンプ・インバーターの修理/交換
- 逆止弁・配管まわりのチェック
- 緊急対応・夜間対応・断水を伴う工事 など
プロの技術者が状況を伺い、最適な対処方法をご案内いたします。
(写真や状況を送っていただくだけでも診断が可能です)



