給水ポンプのメカニカルシールとは?水漏れが起きる仕組みと原因を初心者向けに解説

「給水ポンプの下が濡れているけど、これって故障?」

「メカニカルシールって、何をしている部品なの?」

「水漏れしているけど、すぐ交換が必要なのか知りたい…」

そんな疑問に答える記事です。

給水ポンプの水漏れトラブルで、原因としてよく挙げられるのが「メカニカルシール」と呼ばれる部品です。

点検や修理の説明で「メカシールが劣化しています」と言われても、

・どこにある部品なのか
・なぜ水が漏れるのか
・放置するとどうなるのか

が分からないまま、不安になる方も多いのではないでしょうか。

実は、メカニカルシールは、給水ポンプの“回転部分から水が漏れないようにする、非常に重要な部品”です。

そして、水漏れの多くはこの部分の劣化や摩耗が原因で起こります。

この記事では、

  • メカニカルシールとは何か
  • 給水ポンプで水漏れが起きる仕組み
  • どんな状態になると「メカシールが原因」と考えられるのか

といったポイントを、設備に詳しくない建物管理者の方でも理解できるように解説していきます。

「本当に修理が必要なのか」

「業者の説明をどう受け取ればいいのか」

その判断材料として、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 給水ポンプのメカニカルシールとは
  • 給水ポンプのメカニカルシールから水が漏れる原因
  • メカニカルシールが原因の水漏れの症状例
目次

給水ポンプのメカニカルシールとは

メカニカルシールとは、給水ポンプの中で「回転している部分から水が漏れないようにする部品」です。

給水ポンプは、モーターの力で内部の軸(シャフト)を回転させて水を送っています。

この「回転する軸」は、必ずポンプ内部の水と接する構造になります。

そのため、

  • 軸は回っている
  • でも水は外に漏れてはいけない

という、少し矛盾した条件を同時に満たす必要があります。

この難しい役割を担っているのが、メカニカルシールです。

「回りながら水を止める」構造

給水ポンプの中では、

  • モーターが回転する
  • 回転軸がインペラ(羽根車)を回す
  • 水が押し出される

という動きが常に起きています。

問題は、この回転軸がポンプの外側へ貫通している部分です。

ここは、

  • 水が通る
  • しかも軸は高速で回っている

という条件が重なるため、水漏れが起きやすい“弱点”になりやすい場所です。

もし何も対策をしなければ、ポンプを動かした瞬間に水は外へ噴き出してしまいます。

そこで使われているのが、メカニカルシールです。

メカニカルシールが水漏れを止めている仕組み

メカニカルシールは、

  • 回転する側の部品
  • 固定されている側の部品

この2つを密着させることで、水をせき止める仕組みになっています。

ポイントは、「完全に固定して止める」のではなく、「回転を許しながら密着する」という点です。

ゴムパッキンのように動かない部品では、回転に耐えられず、すぐに破損してしまいます。

メカニカルシールは、

  • 摩擦に耐えられる材質
  • 水で冷却されながら動作する構造

になっており、回転と止水を両立できるよう設計されています。

メカニカルシールから水漏れする原因

メカニカルシールから水漏れが起きる時、その原因は複数考えられます。

ここでは代表的な原因を整理します。

摩耗・経年劣化(もっとも多い原因)

メカニカルシールの水漏れ原因で最も多いのが、経年劣化や多使用に伴う摩耗です。

メカニカルシールは消耗部品です。

どれだけ丁寧に使っていても、

  • 長年の使用
  • 回転による摩耗

によって、少しずつ性能が落ちていきます。

特に給水ポンプは、

  • 毎日使われる
  • 何年も連続稼働する

というケースが多く、使用年数に比例して劣化が進みやすい部品です。

圧力・運転条件の影響

次に多いのが、運転条件による負荷です。

例えば、

  • 圧力を高く設定しすぎている
  • ポンプが頻繁にON/OFFを繰り返している
  • 空気混入や異常運転が起きている

こうした状態が続くと、メカニカルシールには通常以上の負担がかかります。

その結果、

  • 密着面が摩耗する
  • 微細な隙間ができる
  • 水がにじみ始める

といったトラブルにつながります。

メカニカルシールが原因の水漏れで見られる症状

メカニカルシールが劣化すると、次のような症状が現れることが多いです。

ポンプ下部がじわじわ濡れる

メカニカルシールの劣化で最初に現れやすいのが、ポンプ本体の下あたりが、いつの間にか湿っているという症状です。

この段階では、

  • 水がポタポタ落ちるほどではない
  • 床がうっすら濡れている、または結露のように見える
  • 清掃すると一度は乾く

といった状態が多く、「本当に水漏れなのか分からない」と判断を迷いやすいのが特徴です。

しかし、配管やフランジに異常がないのに ポンプ本体の真下だけが濡れる場合は、メカニカルシールから水がにじみ始めている可能性が高いと考えられます。

運転中だけ水がにじむ

次によく見られるのが、ポンプが動いているときだけ水がにじむという症状です。

例えば、

  • ポンプ停止中は漏れていない
  • 運転を開始すると、少量の水がじわっと出てくる
  • しばらくすると床が濡れる

といったケースです。

これは、ポンプが回転して水圧がかかったときにだけ、メカニカルシールの密着が保てなくなっている状態です。

停止すると一時的に漏れが止まるため、

「今すぐ困っているわけではない」
「様子を見ても大丈夫そう」

と判断されがちですが、実際には確実に劣化が進行しているサインといえます。

放置すると漏れが徐々に大きくなる

メカニカルシールの水漏れで注意したいのは、放置しても自然に直ることはほとんどないという点です。

初期段階では「にじみ」程度だった漏れが、

  • 徐々にポタポタ落ちるようになる
  • 運転時間が長いほど漏れ量が増える
  • モーター側に水が回り始める

と、少しずつ悪化していきます。

特に怖いのは、水漏れがモーター内部に影響を与えるケースです。

不具合が進行すると、

  • メカニカルシール交換だけでは済まない
  • モーターやポンプ本体の修理・交換が必要になる

といった、修理範囲の拡大につながることもあります。

そのため、「少量だから」「今は動いているから」と放置せず、早めに原因を確認することが重要です。

これはメカニカルシールが原因?判断の目安

水漏れ=すべてメカニカルシール、というわけではありません。

ただし、

  • ポンプ本体の下から漏れている
  • フランジや配管ではない
  • 運転中に漏れが出る

このような条件が重なる場合、メカニカルシールが原因である可能性は高いと考えられます。

最終的な判断は専門業者が行いますが、管理者としてこの視点を知っておくだけで、説明の理解度が大きく変わります。

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給水ポンプのメカニカルシールは、「少しの水漏れ」から始まり、気づかないうちに故障が進行する部品です。

  • 床がじわっと濡れている
  • 運転中だけ水がにじむ
  • 以前より漏れが増えてきた気がする

こうした状態は、「まだ動いているから大丈夫」ではなく、点検のサインでもあります。

弊社では、

  • 給水ポンプの水漏れ点検
  • メカニカルシールの劣化診断
  • 修理で済むか/交換が必要かの判断
  • マンション・クリニック・中規模施設の給水設備対応

など、現場状況に応じたご提案を行っています。

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そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。

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