加圧給水ポンプが止まらない・ON/OFFを繰り返す症状は故障?原因を設備側・制御側から探るポイント
加圧給水ポンプが、なかなか止まらない
運転ON/OFFを繰り返す状態が続いている
漏水?それとも制御の問題?
そうした疑問をもったときに必要なのが、いきなり結論を出そうとせず、状況を整理しながら原因を探っていくことです。
給水ポンプが止まらないとき、漏水、ポンプ故障、制御系の異常、などさまざまなケースが考えられます。
また、クリニックや介護施設、温浴施設など、給湯使用が集中・変動しやすい業務用施設では、加圧給水ポンプの挙動が、ボイラーや給湯システムの影響を受けることがあります。
この記事では、「加圧給水ポンプが止まらない/ON/OFFを繰り返すとき、どのような原因を探ればよいのか」を、設備側・制御側の視点に分けて整理します。
無駄な出費やトラブルを避けて適切に対処するためにも、ぜひ参考にしてください。
- 原因の切り分け方(設備側・制御側・給水ポンプ本体)
- 自分で確認できること・専門点検が必要なこと
- 給湯システム・ボイラーと加圧給水ポンプの関係
原因の切り分け① 設備側(漏水・配管・バルブ)の影響
給水ポンプが止まらないとき、まず疑われやすいのが漏水や配管まわりの問題です。
どこかで水が少しでも流れ続けていると、ポンプは「使用中」と判断し、運転を続けたりON/OFFを繰り返したりします。
注意したいのは、目に見える水漏れがなくても、設備側の問題を完全に否定できるわけではない点です。
例えば、
・配管内部でのわずかな漏れ(見つけにくい)
・逆止弁やバルブが完全に閉じきっていない状態
・タンクや接続部で圧力が少しずつ逃げている
こうした異常は外から確認しづらく、「漏水ではなさそう」と感じていても、実際には設備側が原因になっていることがあります。
着実に原因を特定していくためには、流量を測るなどして、丁寧に異常の有無を確認していく必要があります。
原因の切り分け② 設備側(膨張タンク)の影響
ON/OFFを繰り返す症状で、特に疑われやすいのが膨張タンクです。
膨張タンクは、給水設備の中で水圧の変動を吸収する役割を持っています。
- 膨張タンク内の空気が不足している
- タンク内部の膜が劣化・破損している
このような状態になると圧力をうまく吸収できなくなり、短い間隔でON/OFFを繰り返す状態が起こります。
漏水でも配管異常でも説明がつかない場合、設備側の膨張タンクの状態を疑うことが重要です。
この膨張タンクは、
・ポンプとは別に設置されている場合
・ポンプユニット内に組み込まれている場合
のどちらもあり、設置形態は機種や設備によって異なります。
そのため、見た目だけでは存在に気づきにくい場合もありますが、一般に疑われる対象のひとつです。
膨張タンク不良が原因となっているのかどうかは、バルブを閉めて、圧力計を観察する、などして判断していきます。
原因の切り分け③ 制御側(センサー・制御信号)の影響
設備側(漏水・配管・膨張タンク)を確認しても説明がつかない場合、専門業者が次に着目するのが制御側の異常です。
加圧給水ポンプは、圧力や流量をセンサーで検知し、その情報をもとに「運転する」「停止する」を自動で判断しています。
この判断の材料や判断ロジックにズレが生じると、実際の設備状態とは関係なく、ポンプが止まらない・ON/OFFを繰り返す挙動になります。
制御側の確認では、主に次の点を見ます。
センサーが正しい情報を出しているか
- 圧力センサー・圧力スイッチの検知値
- 流量センサーが「流れていない状態」を正しく認識しているか
制御盤が正しく判断しているか
- 停止条件が成立しているのに運転が続いていないか
- タイマーやリレーが正常に動作しているか
- 接点の焼け・固着など、経年劣化が起きていないか
制御側の異常は、見た目では分からず、ポンプ自体も動いているため、「壊れていないように見える」のが特徴です。
そのため専門業者は、センサーの信号・制御盤の反応・運転の再現性を一つずつ確認しながら、制御が誤った判断をしていないかを切り分けていきます。
原因の切り分け④ 給水ポンプ本体の故障
制御側まで確認してもなお説明がつかない場合、最後に残る原因候補が給水ポンプ本体の不具合です。
これまでも説明したとおり、「止まらない」という症状だけで、ポンプ本体が壊れていると判断されることはほとんどない ですが、次のような条件が重なるとポンプ故障を疑います。
明らかな異音・振動が出ている
- 金属が擦れるような音
- 運転中の大きな振動
- 以前と比べて明らかに違和感のある運転音
これらは、内部の軸受(ベアリング)や回転部の異常を示すサインです。
運転しているのに性能が出ていない
- モーターは回っているが、水圧が安定しない
- 十分な水量が確保できない
- 運転時間が異常に長い
この場合、インペラ(羽根車)の摩耗など、内部劣化が進んでいる可能性があります。
他の原因が消去されている
- 漏水や配管に問題がない
- 膨張タンクも正常
- 制御側の判断にも異常がない
これらを確認したうえで、ポンプ本体そのものが原因と判断されることが多いです。
自分で確認できること・専門点検が必要なこと
現場で確認できる範囲
専門知識がなくても、次の点は比較的安全に確認できます。
- 目に見える漏水がないか
- 配管や接続部に水がにじんでいないか
- 使用していない時間帯でもポンプが運転しているか
- 運転音や振動に、以前との明らかな違いがないか
また、
「いつ頃から症状が出始めたか」
「特定の時間帯や使用状況で挙動が変わるか」
といった状況整理も重要な確認ポイントです。
これらは、後で専門業者に相談する際の判断材料になります。
無理に触らないほうがよいポイント
一方で、次のような作業は、知識がない状態で行うことはおすすめできません。
- 制御盤や電気部品を開ける
- センサーや配線を抜き差しする
- 圧力スイッチや設定値をむやみに変更する
- 原因が分からないままポンプを停止・再起動する
制御や電気系統は、誤った操作によって別のトラブルや安全上のリスクを招くことがあります。
専門業者に相談すべきタイミング
次のような状況に当てはまる場合は、専門業者に相談するタイミングと考えてよいでしょう。
- 漏水や設備側の異常が、自分では見つけられない
- 膨張タンクやポンプ本体を確認しても判断がつかない
- ON/OFFを頻繁に繰り返し、なかなか症状が改善しない
- 制御側の異常を確認したいが、自分では知識や経験が不足している
きちんとした知識や経験をもつ専門業者であれば、設備の状態と制御の判断を切り分けながら、「どこに原因がありそうか」を整理してくれます。
信頼できる専門業者に任せることで、/無駄な出費や二次トラブルを防ぐことにつながります。
また、クリニックや介護施設、温浴施設など、給湯使用が集中・変動しやすい業務用施設では、給湯システム側の影響も考慮にいれて検討しましょう。
給湯システム・ボイラーと加圧給水ポンプの関係
クリニックや介護施設、温浴施設など、給湯使用が集中・変動しやすい業務用施設では、加圧給水ポンプの挙動が、ボイラーや給湯システムの影響を受けることがあります。
給水ポンプ単体では原因が特定できない場合でも、給湯・ボイラーを含めた視点で見ることで、適切な対応につながるケースがあります。
給湯側の状態が、給水ポンプの挙動に影響するケース
例えば、
- ボイラー側で給水要求が断続的に発生している
- 給湯配管内の圧力変動が大きい
- 給湯側のバルブや制御の影響で、水の流れが安定しない
このような場合、給水ポンプ自体に異常がなくても、結果として「止まらない」「ON/OFFを繰り返す」挙動が現れることがあります。
現場では、「実際には給湯・ボイラー側の条件が影響していた」というケースも珍しくありません。
だからこそ、「給水ポンプの問題」「ボイラーの問題」と切り分ける前に、設備全体をひとつの流れとして捉えることも大切です。
給水ポンプの異常をきっかけに、給湯システムやボイラーを含めて確認することで、結果的に無駄な部品交換や的外れな修理を避け、適切な対応につながることもあります。
設備全体を見た上での判断・対応は専門家にお任せください
加圧給水ポンプの症状は、給水設備だけでなく給湯システムやボイラーの運転条件が関係していることもあります。
「どう対応すべきか分からない」
「ポンプ以外にも原因がありそう」
「業務用設備だから安全第一で対応したい」
こんなときは、設備全体を見たうえで原因を丁寧に整理する専門業者の点検が最適です。
当社は業務用ボイラー・給水設備の診断・修理を専門としており、現場の状況を正確に把握し、最適な対応策をご提案します。
まずは状況をお聞かせください。簡単なヒアリングからでもご相談いただけます。



