温泉ポンプの耐用年数と寿命のサイン!水中ポンプの交換時期の目安
「10年以上メンテナンスしていないけれど大丈夫か?」
「そもそも温泉ポンプの耐用年数はどれくらい?」
そんな疑問に答える記事です。
温泉施設の命ともいえる温泉ポンプ(水中ポンプ)の耐用年数は約7年〜10年が目安とされています。
しかし実際の現場では、水質が綺麗であれば25年以上も現役で動き続けるケースが珍しくありません。
ここでは、ポンプ本体のリアルな寿命と、先にガタが来やすい内部部品の寿命について、わかりやすくお伝えします。無駄な交換費用を避けるための参考にしてください。
温泉ポンプの耐用年数とは?実際の寿命
一般的な耐用年数は約7から10年が目安
温泉ポンプ(深井戸水中ポンプ)の耐用年数は、一般的に7年から10年程度と言われています。
ただし、これはあくまで目安であり、実際の寿命とは違うことも多いです。
実際の話!水質次第で25年以上持つことも
実際の温泉ポンプの寿命を決めるのは、年数ではなく「水質」です。
現場のリアルな声として、「井戸水で消雪ポンプを19年間、一度もメンテナンスせずに使えている」という事例もあります。
水質が綺麗で、砂が混じらない環境であれば、ポンプの摩耗が少なく、25年から30年近く長持ちすることも珍しくありません。
逆に、温泉成分が非常に強かったり、温度が高かったり、砂をたくさん吸い上げてしまったりする過酷な環境だと、数年でガタが来ることもあります。
「うちの温泉の泉質はどうだろうか?」「最近、お湯に砂が混じっていないか?」という視点でポンプの環境をチェックしてみてください。
もし砂が混じりやすい井戸であっても、定期的に井戸の清掃を行えば、ポンプの寿命をグッと延ばせることもあります。
本体より短い部品ごとの寿命早見表
水中深くに沈める温泉ポンプは、完全に放置していいわけではありません。ポンプの中にある部品は、本体よりもずっと早く寿命を迎えます。
お湯を押し出す「羽根車」や、水漏れを防ぐパッキンなどの消耗品は、パーツごとに限界年数の目安があります。
以下の表は、一般的な水中ポンプの部品ごとの耐用年数目安です。
| 部品の名前 | 耐用年数の目安 | 交換の重要度 |
| メカニカルシール | 約2年 | 高い(水漏れ防止) |
| スリーブ | 約3年 | 高い |
| 羽根車 | 約5年 | 高い(お湯を押し出す) |
| ケーシング(外殻) | 約10年 | 中程度 |
温泉ポンプの耐用年数と寿命を縮める主な故障原因
温泉ポンプ(水中ポンプ)の耐用年数や寿命は、使われている環境によって大きく変わります。
特に温泉施設は、一般の家庭用井戸水とは違う過酷な条件が揃っていることが多いです。
【温泉ポンプの寿命を縮めやすい諸要因】
- 温泉特経の成分による部品腐食や劣化
- 砂の巻き上げによる内部部品の激しい摩耗
- 連続運転によるモーターへの深刻な過負荷
温泉特有の成分による部品腐食や劣化
温泉ポンプの寿命を縮める最大の原因は、温泉特有の成分による金属部品のサビや腐食です。温泉のお湯には、硫黄や塩分など、金属を溶かしたり錆びさせたりする成分がたっぷり含まれています。
一般の井戸水であれば10年以上持つ部品でも、強い温泉成分の中では数年でボロボロになってしまうことも珍しくありません。特に、酸性の強い温泉や塩分の濃い温泉では、温泉ポンプの金属部分が溶けて穴が空いてしまうリスクが高まります。
「うちの温泉は成分が濃くてお客様に人気がある」という施設ほど、実は温泉ポンプには過酷なダメージが蓄積しています。
温泉施設を運営されている方は、一般のポンプよりもサビ対策や定期的な部品チェックが重要になるとお考えください。
砂の巻き上げによる内部部品の激しい摩耗
温泉を汲み上げる際に一緒に吸い込んでしまう「砂」も、温泉ポンプを壊す大きな原因になります。
温泉ポンプの中に砂が入り込むと、お湯を押し出す部品がヤスリで削られるように摩耗してしまい、あっという間に故障してしまいます。
実際に、砂が頻繁に上がる井戸では、ポンプの摩耗が激しくなります 。そのためメンテナンスの意識は常に高くもっておく必要があります。
- 井戸の底に溜まった砂を定期的に掃除する
- 砂よけの専用フィルターを設置する
- 温泉ポンプの設置位置を少し高く調整する
このような工夫をすることで、砂によるダメージは劇的に減らすことができます。お湯への砂の混じり具合をチェックすることが、寿命を延ばす第一歩です。
連続運転によるモーターへの深刻な過負荷
24時間お湯を出しっぱなしにする「連続運転」も、温泉ポンプのモーターに深刻なダメージを与えます。
温泉ポンプを休ませずにずっと動かし続けると、モーターが熱を持ち、内部の部品が焦げたり焼き付いたりする原因になります。
特に、お湯の量が減っているのに無理やり温泉を引っ張ろうとすると、モーターへの負担はさらに跳ね上がります。以下の表で、運転状況による負担の違いをまとめました。
| 運転の状況 | ポンプへの負担 | 寿命への影響 |
| 24時間フル稼働 | 非常に大きい | 寿命が短くなりやすい |
| こまめな自動停止 | 少ない | 長持ちしやすい |
| 水がない空回り | 最悪(危険) | 一発で故障する可能性あり |
常に温泉を供給し続ける施設の場合は、温泉ポンプの水源地を2箇所確保してバランスをとるなどの対策をとることで、1箇所の負荷を低減できます 。結果的に、温泉ポンプ本体を長く安全に使い続けることに繋がります。
温泉ポンプの危険なサインと寿命の見極め方
温泉ポンプ(水中ポンプ)は外から見えない場所で動いているため、耐用年数が近づいてきても故障に気づきにくい機械です 。しかし、完全に壊れる前には必ず「危険なサイン」を出しています。
代表的なサインをいくつかご紹介します。
- 制御盤の異常や地上の配管に不自然な振動がある
- お湯の出が悪い・水量が極端に低下した
- ポンプの起動にいつもより時間がかかる
制御盤の異常や地上の配管に不自然な振動がある
温泉ポンプの本体は地下深くにあるため、直接ポンプから異音が聞こえることはほぼありません。地下で起きているトラブルのサインは、「地上の設備」に現れます。
一番わかりやすいサインが、温泉ポンプを動かすための「制御盤(操作盤)」の異常です。「最近よくブレーカーが落ちる」「いつもより電流計の数値が高い」といった状況は、地下のモーターに大きな負担がかかって無理やり回っている証拠になります。
また、地上に出ている配管を触ってみて、以前にはなかった不規則な振動が伝わってきたり、空気が混ざったような不自然な音が配管から聞こえたりする場合も要注意です。
| 地上のチェックポイント | 異常のサイン | 疑われる原因 |
| 制御盤(操作盤) | ブレーカーが頻繁に落ちる | モーターの過負荷・漏電 |
| 制御盤のメーター | 電流計の数値がいつもより高い | 内部部品の激しい摩耗 |
| 地上の配管 | 不規則な振動や異音がする | お湯をスムーズに送れていない |
地下の機械の異常は、電気や配管を通じて必ず地上にサインを出します。日頃から制御盤の数値や配管の様子をチェックすることが、故障の早期発見につながります。
お湯の出が悪い・水量が極端に低下した
「シャワーのお湯の勢いが弱くなった」「湯船に温泉が貯まるのが遅い」といった水量の低下も、温泉ポンプの寿命を示していることがあります。
部品の摩耗や、内部にゴミが詰まることで、お湯を押し上げる力が弱まっています 。
水量が低下した状態で無理に温泉ポンプを動かし続けると、ある日突然完全にストップすることもあるため、水量の変化を感じた時点で早めにプロの点検を受けましょう。
ポンプの起動にいつもより時間がかかる
スイッチを入れてから温泉ポンプが動き出すまでに、いつもより時間がかかる場合も注意が必要です。モーター自体や電気系統の部品が劣化して、交換時期が近づいているサインになります 。
以下に、温泉施設で見逃してはいけないトラブルサインを一覧にまとめました。
- 温泉を汲み上げる配管が不自然に振動している
- シャワーや蛇口から出るお湯の勢いが明らかに弱い
- スイッチを入れてもお湯が出るまでに時間がかかる
温泉ポンプの不具合は、放置して自然に直ることは絶対にありません。
上記のリストに一つでも当てはまる症状が出ているなら、早めに専門業者へ相談しましょう。
温泉ポンプの耐用年数をグッと延ばすメンテ術
耐用年数が10年と言われていても、適切にお手入れをすれば15年、20年と寿命を延ばすことが可能です。
温泉ポンプ(水中ポンプ)を長く安全に使い続けるためには、完全に壊れる前のメンテナンスが欠かせません。
- 異常がなくても1年〜数年に1回の定期点検を実施
- 消耗部品を寿命の前に先回りで交換する
- 井戸自体の高圧洗浄で環境を改善する
異常がなくても1年〜数年に1回の定期点検を実施
温泉ポンプを長持ちさせる一番の近道は、どこも壊れていなくても必ず定期点検を行うことです。
深井戸水中ポンプの場合は、ポンプの引き上げが必要なため頻繁に点検は実施できませんが、それでも1年〜数年に1回は点検しておくのが望ましいです。
外から見ただけではわからない汚れや摩耗も、分解して点検を行うことで見つかるケースが多々あります。
目に見えない小さな異物が溜まっていたり、内部の部品にサビが発生していたりすることもあり、これらを放置するとモーターに大きな負担がかかり、モーターの寿命を急激に縮めてしまいます。
定期点検を行うことで、数十〜百万円単位の本体交換という大惨事になる前に故障を防ぐことができます。
消耗部品を寿命の前に先回りで交換する
パッキンやシールなどの消耗品は、完全に壊れる前に先回りで交換するのが最も賢いメンテナンス術です。
温泉ポンプの内部部品は、本体よりも早く劣化していきます。たとえば水漏れを防ぐメカニカルシールなどは、一般的には約2年程度で寿命を迎える消耗部品です。
専門業者に依頼してこれらの部品を早めに新しくしておけば、ポンプ本体の大がかりな故障を防ぐことができます。
部品の劣化が早めに分かれば、費用を抑えた修理で済む場合もあります。部品交換の費用対効果について、以下の表にまとめました。
迷ったら「早めの部品交換」を一択で選んでください。結果的に温泉施設の経費を大幅に節約できます。
井戸自体の高圧洗浄で環境を改善する
温泉ポンプだけでなく、お湯を汲み上げている「井戸水」の環境そのものを綺麗にすることも非常に重要です。
温泉ポンプが砂を吸い上げて摩耗してしまう場合、温泉ポンプだけを新しく修理しても根本的な解決にはなりません。
綺麗な井戸水であればポンプの摩耗も少なく長持ちします。もし井戸から砂が上がる場合は、ポンプのメンテナンスだけでなく、井戸の掃除も必要になります。
「最近お湯に砂が混じるな」と感じたら、ポンプの故障を疑う前に井戸の清掃を検討してください。井戸が綺麗になれば、温泉ポンプの寿命は驚くほど延びます。井戸の清掃とポンプのメンテナンスをセットで行うのが、プロおすすめの長持ち術です。
迷ったらプロの専門業者へ点検を依頼
少しでも「おかしいな」と感じたり、10年以上メンテナンスをしていなかったりする場合は、できる限りプロの専門業者に点検を依頼してください。
素人判断で放置するのが一番危険です。当社は、ボイラーを強みとしており、温泉施設の修繕・点検の実績もございます。
九州エリア(一部除く)なら最短15分で駆けつけ可能。ぜひ一度ご相談ください。



