灯油ボイラーの水漏れ原因5つ!逃し弁の漏水は正常?修理費用の目安も解説
灯油ボイラーの周辺が漏れしている・・
ボイラーからチョロチョロと音がする・・
このような症状を見かけた場合、どこかで水漏れが起きているかもしれません。
放置しておくと、お湯が使えなくなるおそれがあります。
灯油ボイラーの水漏れは、水漏れの症状や、水漏れが起きている場所によって、原因が異なります。
- 灯油ボイラーが水漏れする5つの原因と修理費用の目安
- 灯油ボイラーの水漏れはどこに連絡したらいいか
本記事では、これらの内容について解説していきます。
灯油ボイラーが水漏れする5つの原因と修理費用の目安
灯油ボイラーの水漏れは、水漏れの症状や、水漏れが起きている場所によって、原因が異なります。
代表的な水漏れ事例を5つ取り上げると、次のとおりです。
- 配管からの水漏れ
- 配管の接続部分からの水漏れ
- 逃し弁(安全弁)からの水漏れ
- 減圧水出口・減圧弁からの水漏れ
- ボイラーの給湯器内部からの水漏れ
とくに「ボイラーからチョロチョロと水の音がする」という場合、逃し弁や減圧弁の故障の可能性があります。
次で詳しく説明します。
配管の水漏れ
配管に次のような症状がみられる場合、配管に破損や亀裂が起きている可能性があります。
- 配管周辺から水滴や水染みが見られる
- ボイラーの作動時に水漏れ音が聞こえる
- 灯油の供給が減少する
- お湯が出ない・お湯の出が悪い
配管に破損や亀裂が発生すると、配管から水漏れが起こります。
破損や亀裂が生じるきっかけは様々ですが、一般的には長年の使用で配管に負担がかかったことが原因です。
とくに冬季で配管が凍結すると、配管内の水が凍って膨張し、配管を内側から破裂させる原因になります。
配管から水漏れが起きている場合は、配管を修理・交換する必要があります。
修理費用の目安は5〜6万円ですが、交換する配管の長さが長くなるほど高くなります。
また交換箇所が外壁の内部など難しい場所の場合も値段は上がるため、見積もりを出してもらいましょう。
配管の接続部分の水漏れ
配管の接続部分から水漏れしている場合、次のことが原因の可能性があります。
- 接続部分のナットの締め付けが緩んでいる
- 接続部分のゴムパッキンが劣化している
使用期間が長くなると経年劣化により、配管の接続部分のナットが緩んだりすることがあります。
また、接続部分に使われているゴムパッキンは消耗品です。
パッキンは長い期間使用していると、固着といって、油が抜けて固くなってしまいます。
固く劣化したパッキンは弾力性が失われるため、隙間ができて水漏れの原因になります。
配管の接続部分から水漏れしている場合は、接続部分の状況を確認しましょう。
- ナットを締め直す
- パッキンを交換する
このように適切に修繕すれば、引き続きボイラーを使い続けられる可能性が高いです。
修理費用は、自分で修理するなら、部品代のみです。
使用されるゴムパッキンで代表的なものはOリングで、ネットで数百円程度で購入できます。
ただ、部品のサイズを間違うこともありますし、必要な工具も揃えなくてはいけません。
諸々の手間を考えると、専門業者に修理してもらうほうが確実です。
メーカーや専門業者に修理を依頼する場合、修理費用は5000円〜1万円程度が目安になるでしょう。
部品代は高くありませんが、出張費と作業費用が加算されるためです。
出張費は、修理業者の店舗が遠方にあるほど高くなります。
なるべく身近な業者に修理してもらうと、金額が安くすみます。
逃し弁(安全弁)からの水漏れ
逃し弁とは、ボイラーの内部で高くなり過ぎた圧力を逃がす弁です。安全弁ともいいます。
ボイラー内部の温度が上がると圧力が高くなるため、その圧を逃がすために熱湯を排出します。
逃し弁は、長年圧力を調整して負荷がかかっているため、経年劣化で故障につながりやすい部品のひとつです。
逃し弁から水漏れすると、周囲は濡れずに配管の中で水が流れる音がすることがあります。
ボイラーを燃焼させていないにも関わらず次の症状があれば注意が必要です。
- 逃し弁周辺から水の音が聞こえる
- 逃し弁周辺から水滴や水染みが見られる
通常、逃し弁は、排水ホースの付近に設置されています。
前面排気タイプのボイラーであれば排水ホースの出口付近、それ以外のタイプのボイラーであればボイラー上部の排水ホース付近にあることが多いです。
例)長府ボイラー KIB-3867E
逃し弁は、ボイラー内部の水(お湯)が膨張したときに圧を逃がすのが役割のため、ボイラーが燃焼しているときに水(お湯)チョロチョロ流れるのは正常です。
たとえ今現在、燃焼していなくても、ついさっきまで燃焼していたのであれば安全弁からお湯が出てもおかしなことではありません。
基本的には「電源が入ってるときは安全弁から水の音がしてもおかしくない」という認識して大丈夫です。
ただし、ボイラーが燃焼していない状態で、水(お湯)がチョロチョロ流れるのは異常です。
もし逃し弁からの水漏れが気になった場合は、ボイラーの電源を切ってから1時間ほど待って様子をみてみましょう。
1時間まっても逃し弁からの水漏れが止まらない、チョロチョロと水の音がする、という場合は、どこかに異常があります。
この時点では逃し弁の故障が原因とは限らず、他のパーツの不具合が影響している可能性があります。
特に、逃し弁は故障していなくても、減圧弁が故障していると、結果的に逃し弁から水漏れが起きる場合があります。
また、ボイラーの給水元栓を閉めても逃し弁の水漏れが止まらない場合は、家の混合水栓からの水の逆流が原因のこともあります。
素人が原因を特定するのは難しいため、不安な場合はすぐに専門業者に相談しましょう。
なお、逃し弁の部品代は3000円〜5000円程度ですが、業者に修理を頼むと、出張費や作業費用が加わります。
逃し弁の修理費用は1〜3万円前後が目安になりますが、逃し弁の水漏れは、他のパーツの不具合を併発していることが多いため、修理の内容次第ではもっと費用がかかることがあります。
減圧弁からの水漏れ
減圧弁は、ボイラーへの給水時にかかる水道の圧力を減圧する弁です。
基本的に、貯湯式のボイラーに備わっている弁で、給水配管の近くに付いています。
減圧弁は、長年圧力を調整して負荷がかかっているため、経年劣化で故障につながりやすい部品のひとつです。
減圧弁が故障すると、減圧弁の周辺から水漏れが起きることがあります。
仮に減圧弁から水漏れしていなくても、減圧弁に不具合があると給水圧力を適切に減圧できません。
その結果、ボイラーの逃し弁に負荷がかかり、逃し弁からに異常な水漏れを引き落とし原因になることがあります。
どちらに不具合があるのか特定して、処置する必要があります。
減圧弁が故障していた場合は、交換が必要です。
なお、減圧弁はメーカー純正品であれば1万円程度の部品代がかかります。
業者に修理を頼むと、さらに出張費や作業費用が加わるため、減圧弁の修理費用は、2〜3万円前後が目安になります。
灯油ボイラー本体からの水漏れ
ボイラー本体から水漏れしている場合、様々な原因が考えられます。
本体からの代表的な水漏れ原因のひとつが、熱交換器の銅管にできたピンホールによる水漏れです。
ピンホールは、針で開けたような小さな穴です。
これは長年の水圧や気泡による圧力が積み重なり、管が劣化して穴が発生します。
とくに、ピンホールは10〜20年使用された銅管に発生する可能性が高いです。
ピンホールによる水漏れは、放置しておくとボイラーの内部全体に水が広がります。
ボイラー内部の基盤に水がかかると、最悪の場合、ボイラー全体を交換しなければならなくなり、数十万円の交換費用がかかることもあります。
ボイラー本体からの水漏れを発見したら、早急にメーカーや専門業者へ相談しましょう。
逃し弁の水漏れ特殊ケース:混合水栓からの水の逆流
家の蛇口の混合水栓の故障が、逃し弁の水漏れ原因になっていることがあります。
家の蛇口の混合水栓には通常、お湯や水の逆流を防止するために逆止弁がそれぞれ付いています。
お湯側の逆止弁が壊れると、蛇口から出るはずのお湯や水が、お湯側(つまりボイラーに向けて)逆流することがあります。
とくに貯湯タイプのボイラーは減圧弁により水圧を下げているため、逆流する水の水圧に耐えきれず押し戻されて、逃し弁から水が漏れ出します。
具体的には次のような流れです。
- 混合水栓の故障で、お湯の供給配管に水が入り込む
- 圧力は逆流する水の方が強いためお湯を押し出す
- ボイラーまで押し出され安全弁からお湯が出てくる
- 一見すると水漏れのように感じる
一見すると、逃し弁の水漏れのように感じますが、これは逃し弁の故障ではありません。
家の混合水栓は、あらゆる場所にあります。
どの混合水栓の蛇口が原因になっているか特定して、修理する必要があります。
逃し弁の水漏れが、混合水栓からの逆流なのかどうかをチェックしたい場合は、いったんボイラーの給水元栓(止水栓・止水バルブともいいます)を閉めてみましょう。
ボイラーの給水元栓を閉めることで、お湯の供給をストップした状態で、逃し弁からの水漏れが止まらないのであれば混合水栓からの水の逆流の可能性が高いです。
灯油ボイラーの水漏れはどこに連絡したらいい?
灯油ボイラーが水漏れした場合、基本的にはボイラーを設置した業者に連絡しましょう。
ボイラー購入時の保証書に、設置した業者は記載されています。
戸建ての場合は、家を建てたハウスメーカーに問い合わせると設置した業者がわかります。
賃貸物件のときは、オーナーや管理会社に連絡しましょう。
設置した業者がわからないときは、近所のボイラー専門業者や水道業者を探すか、メーカーへ連絡しましょう。
ネットを利用すると、ボイラーの修理業者を紹介するようなサイトもあるため参考にしてください。
基本的に、店舗が遠いほど出張費は高くなるため、近所で業者を探すのがオススメです。
もちろん、灯油ボイラーのメーカーへ連絡してもOKです。
メーカー担当者またはメーカーが提携している修理業者へ取り次いでくれるはずです。
ただし、基本的にメーカーはボイラー本体しか修理しません。
水漏れの現場を確認をした結果、ボイラーが原因の水漏れではない場合、その場で修理してもらえないことがあります。
それでも、出張費などは請求されてしまうため、余計なコストがかかってしまうことがあります。
出来るだけ自宅近くのボイラー専門の修理業者または水道業者を見つけられるとベストです。
まとめ
灯油ボイラーの水漏れは、水漏れの症状や、水漏れが起きている場所によって、原因が異なります。
原因を特定したり、実際に修理を行うのは、個人では難しい場合も多いです。
本体からの水漏れは被害が拡大するおそれもあるため、早めに修理を依頼しましょう。
- 灯油ボイラーの水漏れに火災保険は適用される?
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給湯器はカーポートや塀などと同様に建物の設備品として扱われるため、補償対象に「建物」が含まれている場合は適用される可能性があります。契約内容によって異なりますので、保険会社に確認してみましょう。
- 賃貸マンション住まいで灯油ボイラーから水漏れしていたらどうする?
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まずは家主オーナーや管理会社に連絡しましょう。自分で判断せず、必要な対応についても指示を仰ぎましょう。