エコキュート逃し弁の水漏れは故障?減圧の仕組みや漏水が止まらない時の対処・交換費用を解説
逃がし弁から水漏れが止まらないのは故障?
逃がし弁の修理代や交換費用の目安が知りたい
逃がし弁の仕組みは?自分で対処できる?
そんな疑問に答える記事です。
逃し弁は、エコキュートのタンクの破損を防ぐための部品です。
逃し弁から水が漏れていた場合、逃し弁の故障が原因ではないケースがあるため、見極めが必要です。
この記事では、逃し弁の漏水トラブル時に、事前に確認しておきたいポイントを具体的に解説します。
不要な出費やトラブルを避けて、落ち着いて対処するためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
- エコキュートの逃し弁からの水漏れは故障なのか
- エコキュートの逃し弁の仕組みと役割
- 逃し弁からの漏水が止まらない時の修理ステップ
- エコキュートの逃し弁の交換費用の目安
エコキュート逃し弁の減圧の仕組みと役割
逃し弁は、エコキュートのタンクの破損を防ぐための部品です。
逃し弁は、その名の通り、膨張水やタンクの内圧を外に逃がす弁です。
- 熱湯の膨張水を外に逃がす
- それによってタンクの圧力を外に逃がす(減圧する)
上の2つが逃し弁のメインの役割です。
水は、熱を加えると温度が上昇し、体積が膨張します。
このときの膨張水や圧力を外に逃がして、タンクを破損から守っているのが逃し弁であり、安全弁とも呼びます。
逃し弁は、一般には、貯湯タンクの上部に設置されています。
湯沸かし時に発生する膨張水は、水蒸気も含めて、上へと上がっていくため、貯湯タンク上部に逃し弁を配置して、その膨張水を逃がすというわけです。
タンクのお湯は、まず逃し弁で余計な膨張水や圧力を逃がし、その後、蛇口やシャワーへと送られていきます。
エコキュート逃し弁の水漏れは故障?
逃し弁から水が漏れていた場合、逃し弁の故障が原因ではないケースがあるため、見極めが必要です。
逃し弁から水が漏れる原因は主に次の4つです。
- 逃し弁のゴミ噛み
- 逃し弁の故障
- 減圧弁の故障
- 混合水栓からの逆流
※周辺の配管からの水漏れを除く。
逃し弁にゴミが噛んでいると、水漏れが起きることがあります。
逃し弁のレバーを上げ下げして、ゴミ噛みの有無を確認してみましょう。
逃し弁のレバーを上げ下げしても改善がみられないときは、別の原因が考えられます。
逃し弁が故障すると、逃し弁から水が漏れることがあります。このときは逃し弁の修理が必要です。
しかし逃し弁は故障していなくても、減圧弁が故障している、または混合水栓が故障し水が逆流している場合も、逃し弁から水が漏れることがあります。
減圧弁が故障しているパターン
エコキュートの減圧弁は、逃し弁とは異なる弁です。
減圧弁は、通常はタンクに給水する給水元栓の近く(タンクの下部から中腹あたり)に設置されています。
給水時にタンクにかかる水道の水道圧を減圧して、タンクに負荷がかからないようにするのが減圧弁です。
一般に水道水の水圧は、0.15~0.74Mpa(※Mpaは圧力の単位)ほどあります。
減圧弁は、この水道水の水圧を0.1Mpa 以下にして、貯湯タンクにためていきます。
この減圧弁が故障して、減圧されないまま水道水がタンク内に給水されると、タンクに負荷がかかります。
そのため、タンクにかかった圧力を逃がそうとして逃し弁が開き、逃し弁から水が漏れることがあります。
この場合、故障しているのは逃し弁ではなく減圧弁ということになります。
混合水栓が故障しているパターン
浴室やキッチンなどの水回りには、混合水栓がついています。
混合水栓とは、水とお湯の両方を利用することができる水栓設備です。
混合水栓の例
混合水栓の水側の栓は給水配管から繋がってきており、お湯側の栓は給湯配管(つまり貯湯タンク)から繋がってきています。
混合水栓は、基本的には、この水とお湯を混ぜて蛇口から出しています。
通常、混合水栓には逆流を防ぐ逆止弁(チャッキ弁)がついているため、水が逆流することはありません。
※ここでいう逆流とは、給水配管から流れてきた水が、お湯側の栓を突き破ってお湯側の給湯配管へ逆流(つまり貯湯タンクへ向けて流れる)ことです。
しかし、逆流を防ぐ逆止弁(チャッキ弁)が故障すると、圧力の高い水道水が圧力の低い湯を押し出してしまいます。
混合水栓の中でお湯側に水が入り込んで、圧力は水の方が強いためにお湯を押し出します。
通常、タンクのお湯は、まず逃し弁で余計な膨張水や圧力を逃がし、その後、蛇口やシャワーへと送られていきますが、逆流すると、貯湯タンクの配管まで押し出されて、逃し弁から溢れます。
そのため、一見すれば逃し弁からの水漏れのように見えます。
この場合は、故障しているのは逃し弁ではなく混合水栓ということになります。
エコキュート逃し弁の漏水が止まらない時の修理ステップ
湯沸かし時に水蒸気やお湯が排水されている場合は、逃し弁の正常な動き(膨張水の排水)なので問題ありません。
しかし、逃し弁から水漏れが止まらない場合(常時、漏水している場合)は、異常があるため、原因を特定する必要があります。
基本的な見極め方は次のとおりです。
まずは貯湯タンクの給水元栓を閉じてみましょう。
給水元栓とは、三菱のエコキュートの例でいくと、下図の④の給水配管専用止水栓のことです。※機種によって場所が異なります。
給水元栓を閉じると、タンクへの給水が止まり、タンクのお湯が出なくなります。
給水元栓を閉じたときに、逃し弁からの水漏れが止まるかどうかを確認しましょう。
- 逃し弁からの水漏れが止まるならタンク側のトラブル
- 逃し弁からの水漏れが止まらなければ混合水栓のトラブル
本来の逃し弁は高い圧力のときだけ開き、その他は閉じています。減圧弁も、給水を止めているときは減圧する水がないため作動しません。
逃し弁からの水漏れが、タンクの給水元栓を閉じることで止まるなら、タンク側の部品にトラブルがあると考え、減圧弁または逃し弁の故障を疑います。
一方、逃し弁からの水漏れが、給水元栓を閉じても止まらないなら、タンク側ではなく家の混合水栓からの逆流を疑います。
つまり給水元栓を閉じると、家の混合水栓からは「お湯は出ないが水は出る」という状態になります。
一方、給水元栓を閉じても水漏れが止まらないときは
なお、給水元栓を閉じたとしても、この給水元栓自体が壊れており水が止まらないときは、この限りではありません。
エコキュート逃し弁の交換費用の目安
保証期間内の場合は無料で点検・交換が可能です。
お使いのエコキュートが保証期間内かどうかを事前に確認してみましょう。
もし、保証期間外だった場合には有料の交換となります。
逃し弁の交換費用の目安は2万円〜3万円程度です。
値段の内訳は、部品代は純正品が1万円前後で、そこに出張費や修理技術料などが加算されます。
なお、事前に注意したいのが、修理の依頼先です。
- 逃し弁や減圧弁の故障ならエコキュートのメーカーや業者
- 混合水栓の故障なら混合水栓メーカーや水道業者
このように、故障がどこかによって、修理の問い合わせ先が異なります。
基本的に、エコキュートのメーカー修理窓口に修理依頼すると、エコキュートの故障(つまり逃し弁や減圧弁の交換)なら対応してくれますが、混合水栓の修理はやってくれません。
現場で状況を確認した結果、部品交換などの修理をしない(修理不要)となった場合でも保証期間外だと
- 出張費がかかる
- 点検料がかかる
という料金体系になっています。
実は、メーカーの出張・点検料の相場は、安くはありません。
例)出張点検費用(公式サイトの概算料金目安)
三菱 | ・取扱説明・点検調整(部品交換を伴わない作業):9,680円~15,180円 ・見積診断:6,490円~9,680円 |
ダイキン | ・出張点検のみ:14,500円〜19,000円 |
メーカー窓口への依頼費用が高いと感じる場合には、給湯器の専門業者への依頼も検討してみましょう。
給湯器の専門業者は、メーカーに比べると良心的な料金体系になっていることが多いです。
とくに、近隣のお住まいの地域で活動している給湯器の専門業者なら
- 出張費が安い
- 見積もり費用がかからない
といった料金体系で対応してくれる業者もあるため、ムダな出費を抑えることもできます。
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