エコキュート使用不可の入浴剤を使ってしまった!追い炊きしないなら大丈夫?壊れた時の対処法も
エコキュートの機種やメーカーによって推奨される入浴剤があり、それ以外を利用すると故障のリスクがあるため、注意が必要です。
しかし、そうとは知らず『うっかり入浴剤を使ってしまった!』というケースもあるでしょう。
今回は、うっかり入浴剤を使ってしまった方のために、対処法やチェック項目をご紹介します。
エコキュートで入浴剤を使ってしまったら
まずはエコキュートの給湯タイプをチェックしよう
実は、入浴剤の制限は、エコキュートの給湯タイプによって異なります。
一般的にエコキュートは、給湯タイプの種類によって
・フルオートタイプ
・セミオートタイプ
・給湯専用タイプ
の3つがあります。
「セミオートタイプ」や「給湯専用タイプ」のエコキュートであれば、入浴剤の制限はありませんので、安心してください。
その理由は「セミオートタイプ」や「給湯専用タイプ」のエコキュートは、浴槽内のお湯を循環させる機能はなく、一方的に給湯器のお湯を浴槽に排出する仕組みで動いているからです。
そのため、仮に浴槽の中で入浴剤を使ったとしても、そのお湯が給湯器の配管に引き込まれることがないため、トラブルにはつながらないのです。
一方、「フルオートタイプ」のエコキュートは、入浴剤の使用が限られます。
その理由は「フルオートタイプ」は、浴槽内のお湯を配管に循環させ、熱交換器を通して温め直す仕組みで動いているからです。
使用不可の入浴剤を使ってしまうと、入浴剤の成分が含まれたお湯が配管内を循環することで、フィルターの目詰まり、配管の錆や腐食、センサー類の異常などが生じるリスクがあります。
故障するおそれもあるため、「フルオートタイプ」のエコキュートでは、メーカーが推奨している入浴剤以外は使用しないようにする必要があります。
エコキュートで入浴剤を使ってしまったら、まずはお使いのエコキュートの給湯タイプをチェックしましょう。
ではもし「フルオートタイプ」のエコキュートで使用不可の入浴剤を使ってしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
使用不可の入浴剤を使ってしまったときのチェックポイント
もしメーカー非推奨の入浴剤を使用してしまったのであれば、すぐに排水して浴槽をお掃除しましょう。
使用不可の入浴剤を使った場合に気をつけたいのが配管の腐食です。
いつもどおりにお湯はりした後に「追い炊き」をONにして、入浴剤が混ざっていない通常のお湯を配管内に循環させておきましょう。
非推奨の入浴剤を一度使ったところで、すぐに詰まったり腐食したりすることは稀ですので、安心してください。
しかし、もし使用不可の入浴剤を何ヶ月も使い続けてしまっていた場合は、念の為、フィルターの目詰まりが起きてないか確認しましょう。
目詰まりしている場合は、いつもよりも念入りに掃除することで、対処が可能です。
配管に使われている金属や、入浴剤の種類によって、腐食のスピードに差があります。
洗い流せば問題がないこともあれば、配管が腐食してから気づくこともあります。
配管の腐食が進んでしまった場合には、業者を選んで修理してもらう方法しかありません。
その際に、メーカー非推奨の入浴剤を使用して故障したと判断されると、各種保証外になるケースもあるので注意してください。
なお、この図をみても分かるように、追い焚き機能で浴槽のお湯とタンクのお湯が混ざることはありません。
フルオートタイプの追い焚きの仕組みは、配管に設置されている熱交換器を通して、タンク側と浴槽側の熱だけが交換されるだけの仕組みですので、お湯が混ざることはありません。
エコキュートが壊れたときは専門業者へ連絡を
エコキュートの修理費用は、どのような故障なのかによって変わります。
例えば簡単な部品交換であれば、2~3万円程度で修理可能ですが、そうでない場合は値段は上がります。
保証期間内であれば無償での修理をしてくれることもありますので確認しておきましょう。
通常の保障は1~5年ですが、有料延長保証に加入すれば8~10年は無償での修理をしてもらえます。
急な出費を避けたという人は、延長保証の加入をおすすめします。
追い炊きしないなら使用不可の入浴剤も大丈夫?
フルオートタイプのエコキュートで入浴剤が限られる理由は、追い焚き機能を利用した際に、入浴剤の成分が配管に引き込まれ、配管の腐食などのトラブルを招くからです。
そのためフルオートタイプであっても、直接お湯を循環させる「追い炊き」の機能を使わなければ、入浴剤を使用しても大丈夫、と考える方もいるかもしれません。
たしかに、浴槽内のお湯を配管に循環させないのであれば、非推奨の入浴剤の使用がすぐにトラブルにつながるわけではありません。
しかしフルオートタイプの自動機能のなかには「追い炊き」以外にも、浴槽のお湯を循環させてしまうものがあります。
その代表的な機能は「自動保温」です。
自動保温は、湯温の低下をセンサーで検知して、自動で「追い炊き」を開始することで浴槽内のお湯の温度を保つ機能です。
この自動保温が機能してしまうと、実際には浴槽内のお湯が循環してトラブルに繋がってしまった!というケースもありえます。
他にも、フルオートタイプのお風呂の浴槽についている浴槽フィルターなどに、使用不可の入浴剤の成分が付着して残っていたために、トラブルにつながるケースもありえます。
追い炊きしないなら使用不可の入浴剤を使っても大丈夫、と考えるのは危険なため、メーカーが推奨している入浴剤だけを使用するようにしましょう。
エコキュートで入浴剤を使うときの注意点
使用不可の入浴剤の特徴
エコキュートに使用できる入浴剤は、各メーカーがホームページで公開しています。
一般的に、推奨されている入浴剤は、バブ・バスクリン・きき湯・バスロマンなどで、近隣のドラッグストアやインターネット通販で簡単に手に入る製品ばかりです。
しかし、それらの入浴剤であっても
- 白濁・とろみ成分
- 発泡成分
- 硫黄・酸・アルカリ・塩分などの成分
- 固形物・パウダー入り
などが含まれている場合には使用不可となっていることが多いため注意が必要です。
各成分がどんなトラブルを起こすのかを下記にまとめました。
成分 | 起こる可能性があるトラブル・症状 |
---|---|
白濁・とろみ成分 | 循環口に取り付けられたフィルターの目詰まり。成分が配管内に蓄積されると配管内で詰まり、お湯が出にくくなったり、故障原因になったりする。 |
発泡成分 | 配管内部に取り付けられたセンサーが反応し、正常な作動を妨げる。最悪の場合に故障原因にもなりうる。 |
硫黄・酸・アルカリ・塩分などの成分 | 配管に錆びや腐食が起こり、寿命を縮める。錆や腐食により、にごった水が出る。(とくに硫黄入りは、少量でも銅を腐食させてしまう可能性が高いため、注意が必要) |
固形物・パウダー入り | 循環口に取り付けられたフィルターが目詰まりを起こし、お湯が出にくくなる。(お湯に溶けると、おもちゃや花びらなどが出てくるタイプも注意が必要) |
これらの成分が含まれる入浴剤は、メーカーから推奨されているものでない限り、避けるのが無難です。
入浴剤を使った後のメンテナンス
入浴後は入浴剤の成分や汚れを洗い流す
入浴後は、使用OKの入浴剤であっても、成分や汚れを落とすように心がけましょう。
入浴剤の成分を放置すると、浴槽の変色や沈着にもつながるので、シャワーで洗い流すことをお勧めします。
付着しやすい入浴剤を使っている場合や、汚れ具合によっては、スポンジも用いて落とすようにしてください。
浴槽フィルターを洗浄する
フィルターに目詰まりが起こると、エコキュートや配管に負荷がかかり、故障につながります。
また、エコキュートの優れた省エネ効果が発揮できなくなるかもしれません。
入浴剤を使用した後は、浴槽の循環口に取り付けられたフィルターを、軽く洗浄するようにしましょう。
毎回の習慣にすれば汚れが溜まりにくく、シャワーで洗い流す程度ですから、それほど大変な作業にはなりません。
細かなメンテナンスが、エコキュートを長持ちさせることに繋がります。
普段から丁寧に使うことを心がけましょう。