灯油ボイラー(石油給湯器)の仕組みを図解!デメリットやタンクの注意点も

今度引っ越す家は灯油ボイラーになりそう・・

そもそも灯油ボイラーってどんな仕組み?

灯油ボイラーを初めて使う場合には、何かと不安かもしれません。

今回は、家庭用の灯油ボイラー(給湯器)の仕組みを分かりやすく図解していきます。

  • 灯油ボイラーの仕組み
  • 直圧式と貯湯式(減圧式)の見分け方
  • 灯油ボイラーのメリットやデメリット

についてご紹介していきます。

目次

灯油ボイラーの仕組みを図解

灯油ボイラーは、灯油を燃料としてお湯を作る装置です。

通常は、灯油ボイラーの近くに灯油タンクが設置されています。

出典:坂口ボイラーサービス

一般的な灯油ボイラーでは、まず灯油が灯油タンクからボイラーに供給されます。

一般的な灯油ボイラーの内部を分かりやすく図解するとこのようになります。

出典:ノーリツ公式サイト

湯沸かしのプロセスを簡単に説明します

  • ボイラーの燃焼器に灯油が送られる
  • 点火装置が点火して灯油が燃やされる
  • 熱が熱交換器を介して水に伝えられる
  • 水がお湯に温められ給湯先に送られる

灯油の燃焼方法には、噴霧式と気化式の2つがあります。

以前は噴霧式が主流でした。しかし現在は気化式が主流となっています。

噴霧式とは

灯油を霧状に噴き出して燃焼させる方法

※噴霧時の燃焼音が大きい・熱効率も悪い

気化式とは

灯油を電気ヒーターでガス化させてから燃焼させる方法

※熱効率が高く、音も静か

燃焼によって発生した排気ガスは、排気管を通じて屋外に排出されます。

この排気ガスの温度は200℃と非常に高温です。

出典:ノーリツ公式サイト

排気ガスの熱が無駄にならないように、最近では、もっと高機能な灯油ボイラーが登場しました。

その高機能な灯油ボイラーがエコフィールと呼ばれています。

出典:長府製作所「PG-5304」公式カタログ

エコフィールでは、排気ガスが捨てられる前に、様々な熱回収のプロセスを作り、熱を取り込もうとしているのが特徴です。

そのため、従来タイプに比べると、内部構造がやや複雑になっています。

灯油ボイラーのお湯を給湯する仕組み

灯油ボイラーのお湯を給湯する方法には2つのタイプがあります。

  • 直圧式
  • 貯湯式 ※減圧式とも言います

直圧式は、お湯側の蛇口をひねると同時に、瞬間的に着火してお湯を沸かし給湯する仕組みです。

こちらはエコフィールの直圧式の仕組み図です。

出典:長府製作所「PG-5304」公式カタログ

直圧式では、必要なときに必要な量だけ瞬間的にお湯を沸かしてくれるのが特徴です。

一方、貯湯式では、灯油ボイラーのなかにお湯をためておくタンクが内蔵されています。

出典:長府製作所「PG-5304」公式カタログ

貯湯式では、いったん温められたお湯は、タンクの中にためられます。

そして、蛇口をひねると、タンクにためられていたお湯が給湯されます。

貯湯式は、タンクのお湯の温度が下がると自動で燃焼を開始し、設定温度まで温め直してくれます。

外出時はスイッチを切って出かける方が多いですが、帰宅する頃には貯湯タンク内は冷めています。

そのため、スイッチを入れてから温め直すまで待たなければなりません。

給湯器の直圧式と貯湯式(減圧式)の見分け方

直圧式はタンクを内蔵する必要がないため、軽量で、形の融通が効きやすい特徴があります。

  • 床置き型
  • 壁掛け型

このように色んなタイプがあります。

一方、貯湯式(減圧式)はタンクが内蔵されており、基本的には床置き型のみです。

構造上の一番分かりやすい違いはタンクの有無です。

ただ、タンクは通常ボイラーの中に内蔵されており外からは見えません。

一番着実な見分け方は型番をチェックすることです。

通常は表面の右下あたりに記載があります。

型番を確認して、カタログで該当のものを調べてるのが着実な見分け方です。

灯油ボイラーの風呂の追い焚きの仕組み

灯油ボイラーの追い焚きの仕組みは、他の給湯器と同様です。

まず、お風呂の残り湯は、専用の配管を通じてボイラーに戻されます。

下の図の右下のお風呂から、専用配管がぐるっと循環して浴槽に戻っているのが分かると思います。

出典:長府製作所「PG-5304」公式カタログ

お風呂の残り湯は、専用の配管を通じて、ボイラー内の熱交換器によって再加熱され、戻ってきます。

追い焚きで、お風呂のお湯が、新しいお湯と混ざることはありません。

給湯配管と、追い焚き配管は別々の配管です。

灯油ボイラーのメリット

灯油ボイラーは買い替え費用が安い

灯油ボイラーは比較的、低価格で入手できます。

他の給湯器と比較して買い替え費用も安く抑えられます。

給湯器価格相場
灯油ボイラー7〜25万円
ガス給湯器7〜25万円
電気温水器20〜40万円
エコキュート25〜60万円

特に、電気給湯器やエコキュートと比較した場合において、導入費用の面で優位性を持っています。

灯油ボイラーは燃費も良い?

灯油ボイラーは燃費が良いと言われてきました。

効率的な燃焼が行われるため、比較的少量の灯油でも十分な熱を供給することができるからです。

ただし、最近は原油高の影響もあって、燃料の相場が上昇しています。

総合的に見て、本当に経済的にお得になるのかどうかは個別にシミュレーションする必要があります。

直圧式は使い勝手が非常に良い

直圧式は、使い勝手が良いのが魅力です。

次のようなメリットがあります。

  • 水圧が高い
  • お湯は飲用に使える
  • 温度設定も自由自在

直圧式は、水道の水圧をそのまま利用するため、水圧はとても高いです。

お風呂のシャワーも快適に使うことができます。

また、水道水を瞬間的に温めて給湯しているため、飲用にも利用できます。

リモコンの設定温度も自由自在なため、非常に便利です。

直圧式のデメリットは▶こちらをクリック

貯湯式は直圧式より割安・井戸水も可能

貯湯式は直圧式に比べて割安な価格帯で提供されることが多く、導入コストが経済的です。

地下水や井戸水にも対応しており、水道の水圧が低い地域や水源が制約される環境でも安定給湯が可能です。

貯湯式のデメリットは▶こちらをクリック

灯油ボイラーのデメリット

灯油タンクの給油に手間がかかる

灯油ボイラーを利用するには灯油タンクが必要です。

もしタンク容量が小さいと、頻繁に給油する必要があり、手間や労力がかかることがあります。

問題は、いったん灯油を切らしてしまうと再稼働に時間がかかることです。

エア抜きという作業をしないと、再稼働できません。

若いうちは良いですが、年齢を重ねると「給油は手間がかかる」という理由で別の給湯器を検討する方もいます。

あらかじめ大きめのタンクを用意すれば手間は減りますが、タンクの大きさ次第では消防法の制限があります。

灯油タンクの容量に消防法の規制制限がある

灯油タンクの容量が大きくなると消防署への届け出や防油堤の設置が義務になってきます。

消防法の具体的な規制はこちらです

  • 200L以上の灯油タンクは消防署へ届出が必要
  • 490L超の灯油タンクは防油堤の設置が義務
  • 設置できる灯油タンクは基本的に1,000Lまで
  • 490Lの灯油タンクを1m以上離して2つ設置する場合には防油艇は必要ない

東北の寒冷地や山間部の豪雪地帯では、1000Lの大型タンクを使う家庭も珍しくありません。

雪深くなるため頻繁に給油出来ないことが多いためです。

しかし、タンク容量が大きくなると規制を守る必要があります。

いったん灯油を切らすとエア抜きが必要

いったんタンクの灯油切れを起こすと、エア抜きが必要となります。

通常は、灯油が切れるとリモコンにエラーが表示されます。

本来灯油しか流れないはずの配管に空気が入ってしまうため、安全上の理由からエラーになります。

こうなると個人でエア抜き作業する方もいますが、通常は推奨されません。

エア抜きのやり方は何通りもあるため、個人でやるには判断が難しいのです。

例)

  • 電磁弁部分でエア抜きをする方法
  • ストレーナー部分でエア抜きをする方法 など

いずれにしてもエア抜き作業は、オイルセンサを誤って作動させてしまうリスクもあります。

そのため、基本的には専門業者のプロの方に対応してもらうことが多いでしょう。

かかる費用は業者によりますが、一般的には出張費などを含め5千円〜1万円ほどかかってしまいます。

直圧式は値段が高く故障しやすい

直圧式のデメリットは次のとおりです。

  • 貯湯式より価格が割高
  • ポンプなど故障しやすい傾向がある
  • 水質次第では設置できない

直圧式は貯湯式に比べると、お値段は割高です。

水圧による負荷がかかりやすいため、貯湯式に比べると、故障しやすい傾向もあります。

水圧制御装置やポンプなどの部品は、定期的なメンテナンスや修理が必要です。

また、水質が良くない地域では使用が難しい場合があり融通がききにくい給湯器です。

貯湯式は湯切れリスクがあり灯油消費量も多め

貯湯式のデメリットは次のとおりです。

  • 湯切れのリスクがある
  • 湯切れを起こすと沸くまで時間がかかる
  • 使い方によっては灯油を消耗しやすい
  • 直圧式に比べると水圧が弱い
  • リモコンの細かな温度設定が出来ない
  • 直圧式に比べて場所をとる
  • 古いボイラーでは騒音が気になる

貯湯式では基本的に、タンクに貯めた分しかお湯が使えません。

小さいタンクだとお湯切れを起こしやすく、ゼロからお湯を沸かすのにも時間がかかります。

また、直圧式と比較すると、灯油の使用量が多くなりがちです。

電源が入っている時にお湯を沸かし、保温でも燃焼するためです。

使わない時は電源を切っておかないと灯油を消費し続けます。

使い方次第ですが、電源のON/OFFに気を使う場面は自然と増えるでしょう。

また、直圧式に比べると、どうしても水圧が低くなります。

シャワーの水圧を気にする方にはストレスかもしれません。

また、リモコンのお湯の温度が細かく調節できません。

大雑把な段階設定しかできない仕様になっていることが多いです。

タンクがあるぶん本体サイズが大きいため、場所をとります。

運転時の動作音が大きく、特に古いボイラーでは騒音が気になる場合があります。

貯湯式の灯油ボイラーの水圧を上げる方法

貯湯式は、お湯のみであれば、シャワーの水圧がどうしても低くなります。

すぐ出来る対策は、お湯の設定温度を上げることです。

混合水栓なら、お湯を熱くすることで、適温にするための水道量が増えるため、そのまま水道圧を利用できます。

根本的に水圧を上げるためには、ポンプの追加や配管の改修工事が必要となり、費用や手間がかかることがあります。

最近は、性能が向上し、貯湯式でも高圧タイプが選べるようになっているので、買い替えを検討しても良いでしょう。

まとめ

今回は、灯油ボイラーの仕組みや、メリット・デメリットを解説しました。

ぜひ参考にしてくださいね!

石油ボイラー(石油給湯器)と灯油ボイラーの違いは何ですか?

石油ボイラー(石油給湯器)も灯油ボイラーも、燃料を燃焼して温水や蒸気を作る点では同じものです。地域によっては、石油給湯器やガス給湯器のことを一般的にボイラーという場合もあり、明確な区別はありません。

灯油ボイラーのランニングコストはいくらですか?

灯油ボイラーの年間のランニングコストは一般に5万円前後と言われていますが、寒冷地で消費量が多い場合や、原油高で価格が高騰している場合はより多くのコストがかかります。

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