エコキュート室外機に保護カバーは必要?雪対策の防雪フードや雪囲いの効果も
エコキュートは屋根なし・雨ざらしでも基本的に大丈夫な設計です。
エコキュートの構造は屋外用設計となっており、雨や風などを想定した造りになっています。
ただし、寒冷地で雪が多い地域の場合は、雪対策が必要になるため注意が必要です。
そこでここでは、エコキュートに雪対策を行う場合
- 室外機に保護カバーは必要?
- 防雪フードや雪囲いの効果
について詳しく解説していきます。
寒冷地にお住まいでエコキュートの導入を検討中の方は、ぜひ読み進めてください。
エコキュート室外機に雪対策・雪囲いが必要な理由
【屋根から落雪】エコキュートが壊れる可能性
北海道などの豪雪地帯では、屋根に積もった雪が落ちてエコキュートが破損したという事例があります。
豪雪地帯では、一晩に1m以上もの雪が積もることは珍しくありません。屋根に積もった雪の重量は「1㎡あたり数百キロ」になります。
数百キロもの落雪が貯湯タンクや室外機を直撃すると、破損や変形・故障につながる恐れがあるため注意が必要です。
また、落雪によるエコキュートの被害は豪雪地帯に限ったことではありません。
下記は九州在住の方が実際に経験した落雪の被害事例です。
シャーベットみたいな雪が、屋根からドスンドスンと落ちてきてエコキュートのタンクに直撃していました。
https://question.realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/1254371572/
タンクは軒下にあり、二階の一番上の屋根から雪が落ちてくる為かなりの衝撃があるのか、タンクの天板が少し凹んでいました。
このように雪があまり降らない九州でも、落雪が原因でエコキュートが破損したケースもありました。
【霜がつく】熱効率が著しく下がる・動かなくなる
電気の力でお湯を作るエコキュートは
・お湯を貯める貯湯タンク
・お湯を沸かすヒートポンプユニット(室外機)
という2つの機器で構成されています。
こちらが一般的なエコキュートの画像です。
出典:三菱電機
ヒートポンプユニット(室外機)は空気を圧縮し、熱を取り出してお湯を沸かします。熱に利用された空気は冷却されてヒートポンプから排出される仕組みです。
しかし、冬場の気温が下がった状態では、大気中の冷たい空気に含まれる水分によって室外機に霜がつきやすくなり、熱効率が著しく下がる原因になります。
ヒートポンプに霜がついてしまうと、空気を吸い込んだり吹き出したりすることが正常にできなくなり、室外機が動かなくなる可能性もあるため注意が必要です。
落雪や霜による被害対策として、用途によってカバーを設置することをおすすめします。
エコキュート室外機におすすめ!3つの雪対策と効果
エコキュートの室外機に防雪架台を設置する
ヒートポンプユニットに雪が吹き込むと、故障や破損のリスクが高くなるでしょう。
そこで各メーカーでは、雪対策としてヒートポンプユニットの設置位置を高くする「防雪架台」を販売しています。
防雪架台に設置することで、室外機が雪に埋もれるリスクを防ぎます。
こちらは三菱電機が販売しているヒートポンプユニット専用の防雪架台です。
出典:三菱電機
メーカーが販売している防雪架台には、雪の進入を防ぐため背面に防雪板がついています。
また、屋根付きですし高さもありますので、ヒートポンプユニットの底に雪がつく心配は解消されるでしょう。
メーカー販売の防雪架台は、素材に高耐食溶融亜鉛メッキ鋼板を採用しており、耐久性に優れているのが特徴です。
防雪架台の価格はメーカーや販売店によって幅があります。
こちらはインターネット専門店で販売されている三菱電機『防雪架台』の価格です。
インターネット専門店では15000円~25000円前後で販売されていますが、価格に含まれているのは商品のみとなります。
設置や組み立ては素人では厳しいため、個人的に業者へ依頼することになります。そのような場合には、取付費用が別途かかりますのでご注意ください。
防雪架台の設置や購入については、エコキュートを依頼した業者に相談するのがベターと言えるでしょう。
雪の進入を防ぐために有効的な防雪架台。しかし、積雪が一晩で1mを越えるような豪雪地帯では、防雪台の屋根に積もった雪下ろしや周囲の雪かきは必須です。
エコキュートの室外機に防雪フードをつける
ヒートポンプユニット(室外機)に防雪フードをつけるのも雪対策に繋がるでしょう。
防雪フードとは、室外機の前面や側面に取り付けるフードを指します。
室外機の吸い込みや吐き出し口に防雪フードを取り付けることで、雪や氷の付着を防ぐ効果が得られます。
こちらは『ダイキン』の防雪フードです。
インターネット専門店では、ダイキン防雪フードが15000円~20000円前後で販売されています。
次は『コロナ』の防雪フードです。
インターネット専門店では、コロナ防雪フードを25000円前後で販売しています。
防雪フードはメーカーや取り扱う店舗によって価格が異なりますし、販売価格には設置費や修理代は含まれていません。
取り付けやメンテナンス面を考えるなら、エコキュートを購入した販売店に依頼するのが一般的でしょう。
エコキュートの室外機に雪囲い・保護カバーを設置する
エコキュート防雪対策として、ヒートポンプユニットに雪囲いや保護カバーを設置する方法もあります。
こちらは木製の雪囲いです。
雪囲い保護カバーの素材は、木製・アルミ製が主流です
ホームセンターやオークションなどでも販売されており、5000円前後で購入できる可能性もあります。
木製の雪囲いカバーは積雪に対する耐久性や劣化面に不安があるため、積雪が1mを越えるような豪雪地帯に住んでいる方は、破損やメンテナンスに注意しましょう。
エコキュートの雪囲いDIYの事例
近年ではエコキュートのヒートポンプユニット(室外機)を自分でDIYする方も珍しくありません。
DIYには木材バージョンと単管パイプバージョンがあります。
こちらの画像は木材バージョンのDIY事例です。
屋根に傾斜をつけ、積雪対策もしっかり施しています。
木材の雪囲いは費用は安く済みますが、劣化が早いという点がデメリットです。
次は単管パイプバージョンのDIY事例になります。
上記はヒートポンプユニットと貯湯タンクに雪囲いをDIYした事例です。
単管パイプを柱にすることで、耐久性に優れた構造になっています。
また、屋根には落雪の衝撃や積雪に強い金属波板を使用し、雪対策に備えたそうです。
強度や耐久性に優れた単管パイプバージョンですが、木材に比べると難易度も高く費用も木材より高くなるという点がデメリットになります。
エコキュートの室外機に保護カバーをつけると熱効率どうなる?
エコキュートのヒートポンプユニット(室外機)に保護カバーをつけると『熱効率がアップする』という噂もあります。
しかし、保護カバーをつけても日常的に熱効率が上がることはありません。
むき出しの室外機に雪や霜がつくと、熱効率が悪くなります。
保護カバーは室外機につく霜や雪を防止効果があるため、熱効率が下がるのを防ぐ役割を果たします。
また、落雪による室外機のダメージや経年劣化の対策にも繋がります。
エコキュートの室外機が雪に埋もれた!凍結の応急処置は?
エコキュートの室外機が雪に埋もれてしまうと、機器の故障につながったり、正常な沸き上げが出来なくなる可能性もあります。
室外機が雪に埋もれてしまったら、まず室外機や周辺の雪を取り除く作業を行ってください。
室外機のファンが凍結した場合は、自分で処置すると悪化する恐れがあるため、すぐに業者に連絡しましょう。
どうしても自分で処置したい場合は、自己責任にはなりますが、沸き上げ停止中であることを確認したうえで、次の作業を行います。
- 室外機のフィン部分に30〜40度程度のぬるま湯をかける。※ファンに熱湯をかけるのはNGです。
- ファンが解凍するまでしばらく待つ。
- 解凍を確認したら沸き上げを開始する。
凍結の応急処置を実施しても改善されない場合は、速やかに業者へ連絡してください。