エコキュート仕組みをわかりやすく図解!追い炊き・水位センサー・風呂自動・保温の仕組みを簡単解説

「エコキュート」という名前や給湯機であることは知っていても、その具体的な仕組みやメリットについてはよくわからないという方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は

・お湯を沸かす仕組み

に加えて

・保温と追い炊き
・風呂自動と水位センサー
・温水循環式の床暖房

の仕組みを、分かりやすく図解していきます。

目次

エコキュートの仕組みを分かりやすく図解

エコキュートは【ヒートポンプユニット】と【貯湯タンクユニット】の2つで構成されています。

出典:パナソニック公式サイト

・【ヒートポンプユニット】は、熱を作り出し水を温めお湯にする
・【貯湯タンクユニット】は、お湯を貯める

という機能と役割があります。

①エコキュートがお湯を沸かす具体的な仕組み

エコキュートのヒートポンプユニットでは、二酸化炭素の「自然冷媒(CO2)」がぐるぐると循環しています。

出典:長府製作所公式サイト

冷媒とは熱を伝えるための気体で、この冷媒が熱を運ぶ過程で膨張するときに熱を吸収し、圧縮されて高温になったところで熱交換することで水を温め、お湯を沸かしているのです。

このような仕組みは、空気から熱(ヒート)をくみ上げる(ポンプ)ため「ヒートポンプ技術」と言われています。

具体的な仕組みは、こちらのパナソニックの公式動画が分かりやすいでしょう。

ヒートポンプユニットでは、二酸化炭素の「自然冷媒(CO2)」がぐるぐると循環しています。

まず、ヒートポンプユニットの「熱交換器(大気用)」が空気から熱を取り込みます。この熱交換器(大気用)を自然冷媒(CO2)が通るとき膨張し気体の温度が下がり熱を受け取ります。

次に、自然冷媒(CO2)は「圧縮機」に送り込まれ、ここで高い圧力をかけてぎゅっと圧縮されます。圧縮されることによって、自然冷媒(CO2)が受け取った熱の温度が一気に上がるのです。

実は、気体は圧縮されると温度が上がるという特性を持っています。ヒートポンプユニットはこの特性を利用して、冷媒に高い圧力をかけ高温の気体をつくっています。

そして、こうして作られた熱が「熱交換器(給湯用)」によって、自然冷媒(CO2)から水へと伝わっていきます。

これを繰り返して熱が伝わり続けることで、水温がどんどん上がり、タンク内のお湯の温度が最高90度近くにまで上がるのです。

このように、ヒートポンプユニットでは、冷媒が空気の熱を水へ伝えながらお湯を沸かしていきます。

燃料を燃やしたりヒーターを熱したりして、直接水を温めてお湯を作る仕組みとは大きく異なることがわかります。

②追い炊きと保温の仕組み

出典:三菱電機 公式サイト

エコキュートの「追い焚き」は、お風呂のお湯を増やすことなくお湯を温め直すことができる機能です。

「追い焚き」は基本的に、お風呂のお湯を、貯湯タンクの中の配管に通すことで温め直します。

貯湯タンクには熱いお湯が貯められています。ぬるくなったお湯を、貯湯タンク内の配管に通し、熱いお湯から熱をもらうことで再び熱くなるのです。

​​エコキュートの保温機能は、自動追い焚き機能とも呼ばれます。

なぜなら、保温機能は浴槽のお湯の温度が下がらないように自動的に追い焚きを続ける機能だからです。

ちなみに、「追い焚き」と似た機能に「高温差し湯(足し湯)」というものがあります。

「高温差し湯(足し湯)」は、ぬるくなったお湯を配管に通して温め直すのではなく、タンク内の熱いお湯をそのまま浴槽に足すことで温め直そうとするものです。

③風呂自動と水位センサーの仕組み

出典:日経XTECHニュース解説記事

全自動のお風呂には水位センサーが設置してあります。

水位センサーとは、主にフルオートタイプの機器に内蔵されている部品で、ダイヤフラムという圧力測定装置を利用して水位を測る部品です。

浴槽内にお湯がたまると水圧が変わってきますので、水位センサーはそれを検知して浴槽の水位を保ちます。

風呂自動は、この水位センサーからの情報をキャッチして

①給湯器は抵抗がなくなると浴槽に水を送る

②浴槽に水が溜まるほど給湯器に逆流圧力が高くなり送水が止まる 

というような仕組みで動いています。

②温水循環式の床暖房の仕組み

出典:ダイキン公式サイト

温水循環式の床暖房は、床暖房を使用したい場所にパイプを通し、外部で加熱した温水をパイプに流すことによって、床下から部屋を暖めるタイプの床暖房です。

エコキュートの床暖房は、床下に配置したパイプに向けて、エコキュートを使って沸かしたお湯を流し込み、床暖房として機能させます。

ただし、エコキュートの場合は深夜につくったお湯を利用するため、お湯を使い切ると床暖房を稼働させられません。

そのため、エコキュートを利用した温水循環式の床暖房では、暖められる面積が一定以下に限られてしまいます。

オール電化住宅などの場合、電気を熱源とするエコキュートのほかにも、ヒートポンプ式床暖房を選ぶこともできます。

ヒートポンプ式床暖房ならお湯切れの心配がなく、いつでも好きなだけ床暖房を使うことができます。

エコキュートのメリットとデメリット

エコキュートのメリット

エコキュートの最大のメリットは、その省エネ効果による光熱費の節約です。

出典:日立公式サイト「シュミレーション」

エコキュートでは、電気は、お湯を温めるためには使いません。

電気は主に、ヒートポンプ内の冷媒の圧縮・膨張、空気の取り込みのために使います。

この仕組みによる熱交換のエネルギー効率は非常に高く、使う電気のエネルギーに対して3倍以上の熱のエネルギーを生み出すことができます。

エコキュートが省エネだといわれる理由は、このように少ない電気でたくさんのお湯を沸かすことができるからなのです。

エコキュートを導入することで、従来のガス給湯器に比べて、光熱費は約80%カットできるとの試算もあります。

気になる方は、こちらの記事もチェックしてみてください。

link 電気代シュミレーション

エコキュートのデメリット

エコキュートの導入をする際に、気をつけておきたいこともあります。

それは下記の10項目です。

デメリット①水圧が弱い(水圧が落ちるケースもある)
デメリット②台所から出るお湯は飲み水に適さない
デメリット③湯切れを起こすリスクがある
デメリット④設置にある程度のスペースが必要
デメリット⑤入浴剤が使用できない(使用できない入浴剤がある)
デメリット⑥導入にかかる初期費用が高め
デメリット⑦交換費用もガスに比べると割高
デメリット⑧電気料金プランを変更する必要がある
デメリット⑨電気料金プランに落とし穴がある場合がある
デメリット⑩騒音で近所迷惑になる

これらは、いずれもエコキュートの導入時にきちんと対策ができます。

気になる方は、こちらの記事もチェックしてみてください。

link エコキュートおすすめしない理由・やめとけ
link エコキュートの寿命

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