
エコキュートの仕組みを図解でわかりやすく解説。ヒートポンプでお湯を沸かす流れ、追い焚きと保温、風呂自動と水位センサー、床暖房の仕組み、メリット・デメリットまで、熊本で創業40年以上の坂口ボイラーサービスが紹介します。
「エコキュート」という名前や給湯器であることは知っていても、その具体的な仕組みやメリットについてはよくわからないという方は多いのではないでしょうか。
仕組みがわかると、「なぜ深夜に沸かすのか」「なぜお湯が足りなくなることがあるのか」「追い焚きと足し湯はどう違うのか」といった日々の疑問がまとめて解消します。機種選びや、故障かどうかの見極めにも役立ちます。
そこで今回は
- お湯を沸かす仕組み
に加えて
- 保温と追い焚き
- 風呂自動と水位センサー
- 温水循環式の床暖房
の仕組みを、分かりやすく図解していきます。
坂口ボイラーサービスは1983年創業で、熊本を拠点にエコキュートの販売・施工・修理に携わってきました。カタログの説明だけではわかりにくい部分を、現場での経験を交えて解説します。
エコキュートの仕組みを分かりやすく図解
エコキュートは【ヒートポンプユニット】と【貯湯ユニット(貯湯タンク)】の2つで構成されています。

- 【ヒートポンプユニット】は、熱を作り出し水を温めお湯にする
- 【貯湯ユニット】は、お湯を貯める
という機能と役割があります。
ヒートポンプユニットは屋外に置く四角い機器で、貯湯ユニットはお湯をためておく縦長のタンクです。エアコンの室外機とよく似た見た目ですが、役割はまったく別のものです。
なお、よく混同されるのが「電気温水器」です。電気温水器は電気ヒーターでタンクの水を直接加熱する機器で、空気の熱を利用するエコキュートとは仕組みが異なります。見た目が似ているため、ご自宅の機器がどちらなのかは型番で確認するのが確実です。
①エコキュートがお湯を沸かす具体的な仕組み
エコキュートのヒートポンプユニットでは、自然冷媒のCO2(二酸化炭素)がぐるぐると循環しています。
冷媒とは、熱を運ぶ役割をもつ物質のことです。この冷媒が膨張するときに空気から熱を吸収し、圧縮されて高温になったところで水に熱を渡します。これを繰り返すことでお湯を沸かしています。
このような仕組みは、空気から熱(ヒート)をくみ上げる(ポンプ)ため「ヒートポンプ技術」と言われています。
具体的な仕組みは、こちらのパナソニックの公式動画が分かりやすいでしょう。
ここからは、冷媒がたどる流れを順番に見ていきます。
まず、ヒートポンプユニットの「熱交換器(大気用)」が空気から熱を取り込みます。この熱交換器(大気用)を冷媒が通るとき膨張し気体の温度が下がり熱を受け取ります。
次に、冷媒は「圧縮機」に送り込まれ、ここで高い圧力をかけてぎゅっと圧縮されます。圧縮されることによって、冷媒が受け取った熱の温度が一気に上がるのです。
実は、気体は圧縮されると温度が上がるという特性を持っています。ヒートポンプユニットはこの特性を利用して、冷媒に高い圧力をかけ高温の気体をつくっています。
そして、こうして作られた熱が「熱交換器(給湯用)」によって、冷媒から水へと伝わっていきます。
これを繰り返して熱が伝わり続けることで水温が上がり、機種によっては貯湯ユニット内のお湯が最高90℃前後まで沸き上げられます。
このように、ヒートポンプユニットでは、冷媒が空気の熱を水へ伝えながらお湯を沸かしていきます。
燃料を燃やしたりヒーターを熱したりして、直接水を温めてお湯を作る仕組みとは大きく異なることがわかります。
②追い焚きと保温の仕組み

エコキュートの「追い焚き」は、お風呂のお湯を増やすことなくお湯を温め直すことができる機能です。
「追い焚き」は基本的に、お風呂のお湯を、貯湯ユニットの中の配管に通すことで温め直します。
貯湯ユニットには熱いお湯が貯められています。ぬるくなったお湯を、貯湯ユニット内の配管に通し、熱いお湯から熱をもらうことで再び熱くなるのです。
エコキュートの保温機能は、自動追い焚き機能とも呼ばれます。
なぜなら、保温機能は浴槽のお湯の温度が下がらないように自動的に追い焚きを続ける機能だからです。
ちなみに、「追い焚き」と似た機能に「高温差し湯(足し湯)」というものがあります。
「高温差し湯(足し湯)」は、ぬるくなったお湯を配管に通して温め直すのではなく、タンク内の熱いお湯をそのまま浴槽に足すことで温め直そうとするものです。
この2つは、水位が変わるかどうかで見分けられます。追い焚きは湯量が変わらず、高温差し湯は湯量が増えます。
なお、追い焚き機能はすべての機種に付いているわけではありません。フルオート・オート・給湯専用といったタイプによって使える機能が異なるため、機種選びの際に確認しましょう。
③風呂自動と水位センサーの仕組み

全自動のお風呂には水位センサーが設置してあります。
水位センサーとは、主にフルオートタイプの機器に内蔵されている部品で、ダイヤフラムという圧力測定装置を利用して水位を測る部品です。
浴槽内にお湯がたまると水圧が変わってきますので、水位センサーはそれを検知して浴槽の水位を保ちます。
風呂自動は、この水位センサーからの情報をキャッチして
①浴槽が空のうちは、抵抗が小さいためお湯を送り続ける
②浴槽にお湯がたまるほど水圧が高くなり、設定水位に達したところで送湯を止める
というような仕組みで動いています。
このような仕組み上、水位センサーや配管に汚れがたまると、お湯があふれる、設定より少ない量で止まる、といった症状が出ることがあります。湯はりの量が明らかにおかしいときは、故障のサインとして点検を検討してください。
④温水循環式の床暖房の仕組み

温水循環式の床暖房は、床暖房を使用したい場所にパイプを通し、外部で加熱した温水をパイプに流すことによって、床下から部屋を暖めるタイプの床暖房です。
エコキュートの床暖房は、床下に配置したパイプに向けて、エコキュートを使って沸かしたお湯を流し込み、床暖房として機能させます。
ただし、温水循環式の床暖房はすべてエコキュートでできることではありません。床暖房に対応した多機能タイプの機種と、専用の配管工事が必要です。既設の給湯専用タイプに後から床暖房だけを足すことはできません。
また、エコキュートは深夜につくったお湯を使うため、お湯を使い切ると床暖房を稼働させられません。
そのため、エコキュートを利用した温水循環式の床暖房では、暖められる面積が一定以下に限られてしまいます。
オール電化住宅などの場合、電気を熱源とするエコキュートのほかにも、ヒートポンプ式床暖房を選ぶこともできます。
ヒートポンプ式床暖房なら湯切れの心配が少なく、暖房に使えるお湯の量に左右されにくいという特徴があります。
エコキュートのメリットとデメリット
エコキュートのメリット
エコキュートの最大のメリットは、その省エネ効果による光熱費の節約です。

エコキュートは、電気ヒーターで直接お湯を温めるわけではありません。
電気は主に、冷媒を圧縮する圧縮機(コンプレッサー)と、空気を取り込むファンを動かすために使われます。
この仕組みによる熱交換のエネルギー効率は非常に高く、使う電気のエネルギーに対して3倍以上の熱のエネルギーを生み出すことができます。
エコキュートが省エネだといわれる理由は、このように少ない電気でたくさんのお湯を沸かすことができるからなのです。
ただし、エネルギー効率は外気温や設定温度によって変動するため、常に3倍以上になるわけではありません。
また、従来のガス給湯器に比べて光熱費を大きく削減できるとの試算もありますが、削減額は契約する電気料金プラン、家族構成、お湯の使用量によって大きく変わります。実際の効果を知りたい場合は、ご自宅の使用状況をもとに試算するのが確実です。
なお、エコキュートには光熱費以外にも次のようなメリットがあります。
- お湯を沸かすのに火を使わないため、燃焼にともなう不完全燃焼のリスクがない
- 断水時に、貯湯ユニットにたまったお湯や水を生活用水として使える(飲用の可否は取扱説明書を確認してください)
- 国の補助金制度の対象になる場合がある(2026年8月時点では「給湯省エネ2026事業」が該当。予算上限に達すると受付が終了するため、公式サイトで最新の状況を確認してください)
気になる方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
エコキュート電気代1ヶ月シュミレーション!3〜4人家族の平均は?ガス代と比較した結果も
エコキュートのデメリット
エコキュートの導入をする際に、気をつけておきたいこともあります。
それは下記の10項目です。
- デメリット①水圧が弱い(水圧が落ちるケースもある)
- デメリット②台所から出るお湯は飲み水に適さない
- デメリット③湯切れを起こすリスクがある
- デメリット④設置にある程度のスペースが必要
- デメリット⑤入浴剤が使用できない(使用できない入浴剤がある)
- デメリット⑥導入にかかる初期費用が高め
- デメリット⑦交換費用もガスに比べると割高
- デメリット⑧電気料金プランを変更する必要がある
- デメリット⑨電気料金プランに落とし穴がある場合がある
- デメリット⑩騒音で近所迷惑になる
これらの多くは、機種の選び方や設置場所の工夫によって、導入時に対策できます。
たとえば、水圧は高圧タイプの機種を選ぶ、湯切れはタンク容量を家族構成に合わせる、騒音は隣家の寝室から離した位置に据え付ける、といった対応が考えられます。逆に、設置後から変更するのは難しい項目でもあるため、見積りの段階で相談しておくことが大切です。
気になる方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
エコキュートはやめとけ?デメリットと後悔しないための対策をプロが解説
エコキュートの寿命は何年?10〜15年説の根拠と買い替えサイン・延命のコツ
エコキュートのご相談は坂口ボイラーサービスへ
坂口ボイラーサービスは1983年の創業以来、エコキュート・電気温水器・給湯器の販売から施工、修理まで一貫して自社で対応しています。熊本を中心に九州7県に対応し、一部エリアでは最短15分で駆けつけます(対応時間は地域や混雑状況によって異なり、一部対応エリア外の地域もあります)。
「現在使用している機器の種類がわからない」「どのタンク容量を選べばよいか迷っている」といった段階でも、お気軽にご相談ください。お見積り費・出張費・キャンセル費は無料です。
ご相談は、お電話(0120-096-097)またはLINEで受け付けています。LINEで機器の型番ラベルやリモコンの表示をお送りいただくと、状況をスムーズに確認できます。
まとめ|仕組みがわかると、機種選びと不調の見極めがしやすくなる
エコキュートは、空気の熱を冷媒に集めてお湯を沸かす給湯器です。ヒートポンプユニットが熱をつくり、貯湯ユニットがお湯をためる、という2つの役割に分かれています。
この記事で解説した仕組みを整理すると、次のとおりです。
- お湯を沸かす:冷媒の膨張と圧縮を繰り返し、空気の熱を水に移す
- 追い焚き:浴槽のお湯を貯湯ユニット内の配管に通し、熱をもらって温め直す
- 保温:追い焚きを自動で繰り返し、設定温度を保つ
- 風呂自動:水位センサーが水圧の変化を検知し、設定水位で送湯を止める
- 床暖房:沸かしたお湯を床下のパイプに流す。対応機種と専用工事が必要
仕組みを知っておくと、「お湯が足りない」「湯はりの量がおかしい」といった症状が起きたときに、使い方の問題なのか機器の不調なのかを切り分けやすくなります。
なお、湯切れや設定の問題であれば故障ではないことも多く、まず設定を見直すだけで解決するケースもあります。それでも改善しない場合は、点検をご検討ください。
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