原因別|灯油タンク漏れの対処法!配管補修・バルブやストレーナー交換の費用目安は?
灯油タンクの漏れの原因の多くは、部品の劣化やヒビ割れ、配管の老朽化によるものです。
灯油タンクの多くは鋼鉄製ですので、屋外で風雨にさらされれば腐食は避けられません。
今回は、灯油タンクからの水漏れや灯油漏れの対処について解説します。
原因別|灯油タンク漏れの対処法
一般的に灯油タンクの寿命は30年程度、配管については10数年程度と言われています。
しかし日頃のメンテナンスを怠ると、もっと短い期間で劣化して寿命を迎えてしまうため注意が必要です。
灯油タンクの代表的な漏れの症状として挙げられるのが次の3です。
- 配管の腐食による漏れ
- 水抜きバルブの劣化による漏れ
- 送油ストレーナーカップのヒビ割れによる漏れ
まずは、どこから漏れているのかを確認しましょう。
灯油は漏れが広がると、汚染の原因になるため、早めの対応が不可欠です。
配管からの漏れの対処法
配管が割れる原因は様々ですが、凍結や落雪、経年劣化による摩耗などがあげられます。
配管が破損して割れてしまったときは、元栓を閉め、受け皿を置くなど油の流出を止めましょう。
そして、すぐに修理を依頼して下さい。
基本的に素人では修理できないため、専用業者に依頼して修理してもらうことになるでしょう。
配管の修理費用は配管の条件によって変化します。
- 保護管は必要なのか
- 埋設配管なのか露出配管なのか
- 消防申請は必要な地域なのか
配管の修理費用は配管のサイズや長さにも影響されます。
一概に目安は言えませんが、最低でも5〜6万円くらい(配管が長い場合はそれ以上)はみておきましょう。
配管に使われる一般的な被覆銅管は、ネットショップで1巻(10m)あたり8000円〜1万円ほどです。
灯油配管の修理・交換には、配管カッターやモンキーレンチなどの専用工具、他にも細々と金物部品が必要です。
修理用の銅管の他にも、ニップルなどの金物部品が必要になります。
灯油漏れのテープ補修やコーキング補修
灯油漏れの対処として、シールテープやコーキングによる補修はおすすめできません。
一時的な応急処置としてはアリですが、油配管でシールテープを使うと、微少漏れを起こしがちです。
コーキングも同様で、漏れ防止の効果は、ほとんど期待できません。
灯油タンクの水抜きバルブからの漏れの対処法
水抜きバルブは、定期的にタンクの水抜きをするために付けられているコックです。
タンク内に結露して溜まる水は油よりも重いのでタンク底に溜まります。
これを放置すると、サビや腐食の原因になるため、定期的な水抜きが推奨されています。
通常は、水抜きバルブをひねってタンク内の水抜きをしていると思います。
単純なねじ込み式の栓ですが、この中のゴム製パッキンなどが劣化していると漏れの原因になります。
バルブの交換作業は、基本的には灯油を抜いてタンクをいったん空にしてから作業します。
灯油バルブはネットショップで1000円〜3000円程度で入手できます。
人によっては、個人で作業される方もいますが、不慣れな方は、業者に頼んで修理してもらいましょう。
業者に依頼する場合は、工賃が上乗せされるため、約5000円〜1万円が修理費用の目安となるでしょう。
灯油タンクのストレーナーからの漏れの対処法
灯油タンクのストレーナーは、経年劣化で漏れが起きやすい部品です。
ストレーナーとは、灯油から異物を除去するフィルターのことです。
このストレーナーにはカップがついていて、カップがヒビ割れると、漏れの原因になります。
また、ストレーナーの汚れを放置すると、不良灯油(不純物が混ざった灯油)がボイラーに送られ不着火や燃焼不良の原因になります。
ストレーナーやストレーナーカップの交換は、個人で作業される方もいますが、不慣れな方は、業者に頼んで交換してもらいましょう。
ストレーナーには、メーカー・型番・サイズによって色々な種類があります。
通常は、既設のストレーナーの上部を見ると型番等が印字されています。
手順は次のとおりです。
- 灯油を使っているボイラーなどの電源を切る
- 灯油の送油バルブ(コック)を閉める
- ストレーナーカップを回して外す
- ストレーナーを抜く
- 新しいストレーナーを差し込む
- 新しいストレーナーカップを回しながら半締めする
- ※Oリングも同時に装着してください
- いったん送油バルブ(コック)を開いてエア抜きする
- エアを抜いたらストレーナーカップを全部締める
灯油タンクのストレーナーはネットショップで1000円〜3000円程度で入手できます。
業者に依頼する場合は、工賃が上乗せされるため、約5000円〜1万円程度が修理費用の目安となるでしょう。
灯油タンク漏れを発見したら
灯油漏れは火災や土壌汚染を引き起こすリスクがあります。
そのため、灯油タンクの漏れを発見したらすぐに、次のような応急処置をしましょう。
- 元栓を閉め、受け皿を置くなど油の流出を止めましょう。
- 油を水で流すと被害が拡大します。絶対に水で流さないでください。
- 布や新聞紙でふき取って回収するか、堰などで流出を止める措置をしてください。
灯油タンク漏れは、どこに連絡する?
主な連絡先は、次の2つです
- 灯油業者または専門業者
- 消防、警察
普段から取引のある灯油業者がいれば、すぐに灯油業者へ連絡しましょう。
灯油ボイラーの据付業者でも対応してくれることがあります。
また大掛かりな灯油漏れは火災や土壌汚染を引き起こすリスクがあるため、基本的には消防へ連絡することになります。
灯油が流出したとき又はその疑いがあるときは「119番」又は「最寄りの消防署に連絡」しましょう。
そして、業者や消防員が来るまで、灯油の拡散を防ぎましょう。
灯油漏れした地面や床下の取り扱い
灯油漏れによる汚染の損害費用は、自己負担(原因者負担)となります。
被害が深刻だと、除染費用だけで数十万円かかるおそれもあります。
漏れ出した灯油が広がると、油臭被害や火災、土壌や地下水の汚染を招きます。
近くの下水道管が汚染されたり、河川や農業用水を汚染すると、甚大な被害を与えるリスクもあります。
被害の事故処理には多大な費用がかる場合もあり、原因者負担になるため早急に対応が必要です。
基本的には、消防もしくは専門業者に連絡して対応してもらうことになるでしょう。
灯油を回収する一連の流れは次のとおりです。
- 灯油の流出源を確認し止める
- オイルフェンスなどで灯油の拡散を防止する
- 地面や床下にこぼれた灯油を回収する
こぼれた灯油の回収方法には、いくつかあります。
たとえば、土壌にこぼれている場合は、鉱物油分解菌の液体バイオ製剤をまいて灯油の分解を促します。
コンクリート製の地面にこぼれている場合は、油吸着分解剤をまいて、漏れた灯油を吸着しながら回収します。
いずれにしても、素人が対応するのは難しいため、すぐに専門家に相談しましょう。
まとめ
今回は、灯油タンクの漏れに対する対処法をお伝えしました。
灯油タンクは定期的に点検・メンテナンスすることで長持ちさせることができます。
- 灯油タンクに油のにじみ、漏れがないか
- 油量計カバーに割れ、破損はないか
- 配管部分に油のにじみ、漏れがないか
- 灯油タンク下部にあるステレーナーカップに破損がないか、緩みがないか
- 水抜きバルブに破損、ゆるみがないか
これらは定期的に確認するようにしましょう。
- 灯油タンクの水抜きしないとどうなる?
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水抜きをしないと、タンク底に結露水がたまりタンクのサビや腐食の原因になります。最悪の場合、穴が空いて灯油漏れを起こします。
- 灯油タンクから灯油が漏れた場合、火災保険は適用される?
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補償対象に含まれるかどうかは、契約内容によって異なります。保険会社に問い合わせましょう。
- 灯油タンクは何年持つの?
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一般的に灯油タンクの寿命は30年程度と言われています。