【エコキュート】追い焚きでお湯が減る原因は?使ってないのにお湯が減る仕組み・足し湯との違いも解説
オール電化の普及に伴い、エコキュートを導入するご家庭も増えています。
一般的なエコキュートには『追い炊き機能』がついています。
浴槽のお湯を沸かし直す便利な機能なのですが、追い炊きするとお湯が減るのはなぜ?と疑問を持っている方も多いようです。
そこでここでは、エコキュートの追い炊き機能にまつわる
- 追い炊きでお湯が減る原因は?
- 追い炊きを使ってないのにお湯が減る仕組み
- たし湯と追い炊きの違い
について詳しく解説していきます。
【図解】エコキュートの追い炊きでお湯が減る原因と仕組み
追い炊きとは、お湯を沸かし直すことです。浴槽内で冷めてしまったお湯を温め直して使います。
一般的なエコキュートはリモコンを使って追い炊きします。
こちらは三菱電機エコキュートのリモコンです。
上記のリモコンタイプでは、追い炊きを『ホットあわー』と表示しており、スイッチを押すだけで追い炊きがスタートします。
※各メーカーによって追い炊きスイッチの位置が異なりますので、お手持ちの取扱説明書などでご確認ください。
エコキュートの追い焚き機能は貯湯タンク内の湯熱を使って、浴槽のお湯と熱交換しながら追い焚きする仕組みです。
ところが、追い炊きには熱だけを利用する仕組みなのに、なぜかリモコンに表示されている「残湯量」が減っていくことがあります。
追い炊き中にお湯が減ってしまい「湯切れを起こすのでは?」と心配される方も多いようです。
しかし、リモコンに表示される湯量というのは、タンク内に残っているお湯のことではありません。
リモコンに表示されている目盛りは、適温(50℃以上)にした場合に使えるお湯の量を計算して表示しています。
追い炊き中タンク内の湯量は減りませんが、追い炊きに熱を使うことでタンク内の温度は徐々に下がっていきます。
そのため、適正(50℃以上)に使える残湯量が減ってしまうという仕組みです。
【コロナ公式Q&A】使っていないのにエコキュートのお湯が減る理由
お湯が減ってしまう理由について、各メーカーでは公式ホームページ『Q&A』にて回答しています。
コロナ公式ホームページに掲載されている、使っていないのにエコキュートのお湯が減る理由を見てみましょう。
A、ふろ自動(保温)運転をしている時、もしくは追いだき運転をした後にお湯(貯湯量表示)が減った。足りなくなった。
https://www.corona.co.jp/eco/support/faq/bath/
Q、保温運転や追いだき運転をおこなうと、貯湯タンク内のお湯の熱を利用しますので貯湯量表示が減ることがあります。
コロナでは上記のような理由を掲載しています。
【パナソニック公式Q&A】使っていないのにエコキュートのお湯が減る理由
続いては、ナソニック公式ホームページに掲載された、エコキュートのお湯が減る理由を紹介します。
Q,【エコキュート】お湯を使っていないのに残湯量表示が減る
https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/100674/
A、ふろ保温や追いだき、床暖房の運転をしていませんか?タンクのお湯を使って温めるため、表示は減ります。
A、お湯を使わなくても、タンクの放熱により湯温が下がり残湯量表示が減ることがあります。 A、自動配管洗浄では約10Lのお湯を使用します。
パナソニックの回答もコロナと同じような内容です。
エコキュートのお湯の減りが早いときの原因5つ
一般的なエコキュートは、比較的電気代が安い深夜11時から朝方7時の間にお湯を沸かします。
貯湯タンク内には約70~90℃のお湯が貯まっており、そのお湯を水と混ぜて1日の内に使っていく仕組みです。
蛇口をひねれば快適な湯温を使えるところが、エコキュートのメリットの1つです。
しかし、あまり使っていないのに「お湯の減りが早い」とお悩みの方も多いようです。
そこで、エコキュートのお湯の減りが早いときの原因5つを紹介します。
冬で温度が下がりやすくなっている
エコキュートの貯湯タンクは家庭用の電気ポットをイメージすると分かりやすいでしょう。
タンク内のお湯は断熱材などを使い冷めにくい構造になっていますが、どうしても冬季はお湯の温度は下がりがちです。
冬季は外気との温度差が大きくなるため、タンク内のお湯が冷めるのも早くなってしまうのです。
また、寒い冬は水道水の温度も下がります。エコキュートはタンク内のお湯と水道水を混ぜて供給する仕組みですので、夏と冬では実際に使用する湯量が違ってきます。
例えば、水道から出るお湯を40℃に設定したとします。
夏のタンク内は90℃の湯温を保つことができますが、冬のタンク内は湯温が70℃まで下がることもあるのです。
それぞれのお湯に水道水を混ぜ40℃にする場合、90℃のお湯は少しの湯量で済みますが、70℃のお湯はより多くの湯量を消費することになります。
タンク内の温度が低くなったことが原因で、冬はお湯の減りが早くなってしまうのです。
保温や追い炊きのつけっぱなし
エコキュートの保温や追い炊きは、浴槽のお湯を一定の温度に保つ仕組みになっており、いつでも快適なお湯に浸かることができる便利な機能です。
エコキュートはタンク内の熱を利用し保温や追い炊きを行うため、保温や追い炊きをつけっぱなしにしてしまうと、当然タンク内の温度は一気に下がっていきます。
タンク内の湯温が低くなると、当然ですが適正に使えるお湯も減ってしまいます。
お湯の減りが早いと感じた際は、保温や追い炊き機能を控えることで「お湯減り問題」が解消できるでしょう。
フルオートタイプのエコキュートをご利用されている方は、保温や追い炊きの設定を見直してください。
長期不在から帰ってきた直後
一般的なエコキュートは、1週間程度のお湯の使用量を計算してお湯を作る仕組みです。
そのため、長期不在でしばらくお湯を使わない日が続くと、タンク内の湯量が減る原因にもなるため注意が必要です。
不在期間が15日以内の場合は、沸き上げ休止機能を使いましょう。さらに、帰ってくる日に設定を合わせておけば、満水のお湯を帰宅直後から利用できます。
ただし、約1ヶ月以上使用しない時は、タンク内を清潔に保つために水抜きをする必要があります。また同時に配管の凍結防止も行うと良いでしょう。
漏水している
貯湯タンクやヒートポンプユニットなどの周辺に水たまりがあるようなら、配管から水漏れしている可能性もあります。
漏水が原因でタンクのお湯が早く減ってしまうケースもありますし、漏水を放置しておくと機器の部品が故障する原因にもつながります。
漏水を発見した際は、販売店か修理業者へ連絡するのが良いでしょう。
ただし、エコキュートは沸き上げ中に排水する仕組みですので、沸き上げが終わった直後の朝方、機器の周辺が濡れているのは正常です。
お昼を過ぎても水たまりが消えないようでしたら、漏水の可能性が高いと言えるでしょう。
三方弁が故障している
エコキュートの内部には三方弁という部品が設置されています。
三方弁は貯湯タンクの下部に貯まった水をヒートポンプユニットに送り、ヒートポンプから送られてきたお湯をタンクの上部に送る役割をしています。
エコキュートのタンクは上部からお湯が貯まっていく仕組みです。三方弁はタンクの下までお湯が貯まったことを検知し、沸き上げ完了を判断してくれます。
この三方弁が故障してしまうと、ヒートポンプから送られてきたお湯をタンクの下部に流してしまいます。
その結果、タンクの上部まで湯量が達しないうちに沸き上げを停止してしまい、適正に使えるタンク内のお湯が少なくなるのです。
エコキュートの部品の中でも特に故障しやすい三方弁。お湯の減りが極めて早い時は、三方弁の故障の可能性も考えられます。販売店や修理業者へ相談してください。
エコキュートの高温たし湯と追い炊きの違い
追い炊きとたし湯の違い
追い炊きとは、浴槽のお湯を沸かし直すことを指します。
エコキュートの追い炊きは、お風呂の冷めた湯を本体の熱交換器というところに循環させ、タンク内の熱湯の熱を利用して沸かし直す仕組みです。
浴槽から排出された冷めたお湯は、タンク内のお湯とは直接混ざることはありません。
タンクのお湯を使わず熱だけを利用して温める構造なので、タンク内が汚れてしまうのでは?といった衛生面での問題もありません。
一方、たし湯とは、お風呂のお湯が減ってしまった時に、お湯を足すことを意味しています。
たし湯に使うお湯は、タンク内に貯まった約70~90℃のお湯を水道水と混ぜて、適温にしてから供給します。
浴槽の湯量が減った時には、たし湯でお湯を補充するのが一般的です。
たし湯と高温たし湯の違い
一般的なエコキュートには『たし湯』と『高温たし湯』機能がついています。
どちらもお湯を足す機能になりますが、この2つには大きな違いがあるのです。
たし湯というのは、タンク内に貯まった約70~90℃のお湯を水道水と混ぜて、適温にしてから供給します。
一方の高温たし湯は、タンク内に貯まった約70~90℃の熱湯を水で薄めずに使用します。
浴槽の湯量が減り、尚且つ温度が下がってしまった場合には、熱湯を使った高温たし湯がおすすめです。
追い炊きより高温たし湯がおすすめ
エコキュートで追い炊きした場合、タンク内の熱だけを利用するため電気代も水道代もかかりません。
しかし、追い炊きの回数が増えるとタンク内の温度が下がり、追い炊きしてもなかなか温まらないという問題が起きてしまいます。
そこでおすすめしたいのは『高温たし湯』です。
浴槽のお湯を半分ほど減らし、減らした分のお湯を『高温たし湯』で補充するだけです。
高温たし湯はタンク内に貯まった約70~90℃の熱湯を利用することで、浴槽のお湯を短時間に温めることが可能です。
追い焚きに比べて水道代はかかりますが、電気代と比べても水道代のほうが安いため、より経済的と言えるでしょう。
ただし、高温たし湯を使い過ぎると、タンク内が湯切れを起こす可能性があるため注意しましょう。