給水ポンプのインバーターとは?故障サイン・後付け可否・インバーター化の注意点を解説

「給水ポンプのインバーターって何?どんな仕組みなの?」
「今のポンプに後付けできるって本当?」
「故障サインや修理費ってどれくらい?」

そんな疑問を持っている方に向けた記事です。

実はインバーター内蔵の給水ポンプは、ここ数年でマンション・クリニック・中規模施設を中心に急速に普及しています。

水圧が安定する、省エネになる、といった大きなメリットがある一方で、導入前に知っておくべき注意点や、後付けの可否、故障リスク などもあります。

この記事では、

✔ インバーターとは何か
✔ 仕組み(むずかしい話は抜きで)
✔ 故障した時のサインと費用
✔ インバーター化の注意点
✔ 後付けできるケース・できないケース

を、初めての人でも理解できるようにやさしく解説します。

給水ポンプの交換は、費用も大きく、長期的に影響する大切な判断です。

無駄な出費を避け、建物に最適な選択ができるように、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

給水ポンプのインバーターとは


インバーターとは水圧を自動で調整してくれる装置

給水ポンプのインバーターとは、

「水の使用量に合わせて、ポンプの回転数を自動で調整し、いつでもちょうどいい水圧に保ってくれる装置」

のことです。

たとえば朝の時間帯、住民が一斉にシャワーを使うと水の使用量は一気に増えますよね。

インバーターがあることで

  • 水が減ってきたら回転数を上げて水圧をキープ
  • 使用量が少ない時は回転数を下げて省エネ運転

このように状況に合わせて“賢く”水圧を整えてくれます。

昔のポンプのように「ONかOFFか」「強か弱か」しか選べない方式とは違って、インバーター式は常に“最適な水圧”を自動で作る仕組み を持っています。


なぜインバーター式が主流になってきたのか?

最近のマンション・クリニック・中規模施設でインバーター式の給水ポンプが急速に広まっているのは、メリットが非常に大きいからです。

具体的には――

  • 水圧が安定する
     → シャワーが弱くなったり強くなったりしにくい
  • 電気代が下がる
     → 必要な分だけ回すためムダがない
  • ポンプの寿命が延びる
     → 過負荷やムダな運転が減る
  • 住民からの「水が弱い」クレームが減る
  • 直結増圧方式(受水槽を使わない方式)の普及に必須の装置

このような理由があります。

特に最近は受水槽を使わずに“水道本管から直接、増圧して給水する”直結増圧方式が増えており、この方式にはインバーターがほぼ必須です。

つまり、インバーター=現代の給水方式の“標準装備”と言っていい存在になっています。

インバーター式ポンプの仕組み

インバーター式は「難しそう」と感じる方も多いですが、実は仕組みはとてもシンプルです。

3つの動作だけ理解すれば十分です。

STEP
水圧を読み取る(圧力センサー)

給水ユニットには 圧力センサー が付いていて、今の水圧をリアルタイムで計測しています。

  • 水圧が低い → 水をもっと送らないといけない
  • 水圧が高い → 回しすぎなので回転数を下げる

この判断を、“圧力センサー”からの情報をキャッチして読み取ります。

STEP
必要な水圧に合わせて回転数を調整する

インバーターは、圧力センサーからの情報をもとに、ポンプモーターの“回転数”を自由に変えます。

  • シャワーが多く使われれば回転数アップ
  • 夜間など使用が少なければ回転数ダウン

このように、自動で調整します。

STEP
“常にちょうどいい水圧”を保つ

①と②の流れをずっと繰り返すことで、

  • 強すぎず
  • 弱すぎず
  • 必要な水量だけ使い

という 最適な状態をずっと維持 します。

このようにして、インバーター式は水圧を安定させています。

インバーター化のメリット・デメリット

導入すると、建物の給水の“快適度”は一気に改善されます。

  • 水圧が安定する
     → シャワーが弱くなったり強くなったりしない
  • 電気代が下がる
     → 必要な分だけ回す省エネ運転
  • ポンプの寿命が延びる
     → 過負荷が減る
  • 住民・利用者からのクレームが減る
     → 水が弱い・出ない問題が改善

マンションや施設では、“満足度アップ”に直結するメリットばかりです。

しかし、一方で良い面ばかりではなく、注意したいポイントもあります。

  • 故障時の修理費が高額になりやすい
  • 制御が複雑で、素人判断が難しい
  • 古い配管では圧力を上げすぎるとトラブルの原因になる

とくに 古い建物では、水圧を上げすぎない調整が必須 になります。

そのため専門業者にしっかり診てもらうと安心です。

インバーターは後付けできる?条件と注意点

「今あるポンプにインバーターだけ付けられないの?」という相談をよくいただきます。

結論から言うと、後付けはできる建物とできない建物があります。

後付けできるケース(条件)

以下の条件が揃っていれば、後付けできる可能性が高いです。

  • ポンプがインバーター対応モーターである
  • 制御盤(操作箱)を作り替えるスペースと予算がある
  • 配管が直結増圧方式に対応できる構造になっている

特に “モーターが対応しているかどうか” が最重要ポイントです。

後付けで起きやすいトラブル

後付けがうまくいっていない場合、こんな症状が起きます。

  • 異音や振動が増える
  • 水圧が安定しない
  • モーターに負荷がかかる
  • 結果的に寿命が短くなる

特に古いポンプに後付けした場合、「インバーターの性能にポンプが追いつかない」トラブルが起こりやすくなります。

事前にしっかり調査しておく必要があります。

インバーター後付け費用の目安

費用は工事規模によって変わりますが、おおよその目安は次のとおりです。

  • インバーター追加:20〜40万円
  • 制御盤改修:10〜30万円
  • ポンプ交換:40〜80万円

インバーター後付けと同時にポンプ本体も交換する場合、合計100万円近くになるケース もあります。

そのため、

後付けを検討する=見積もり比較が必須

と覚えておくと安心です。

導入前に確認すべき5つのポイント

インバーター化は便利ですが、建物の条件によっては相性が悪いケースもあります。

導入前に、次の5つを必ずチェックしておくと安心です。

  1. ポンプ自体がインバーター対応機種か?
     古いモーターは対応していないことがあります。
  2. 電源が対応しているか(単相 or 三相)?
     誤った電源だと設置できない/別途工事が必要になることも。
  3. 設置スペースは十分にあるか?
     インバーター(制御盤)が増えるため場所を取ります。
  4. 建物の適正水圧は?
     高すぎても低すぎてもトラブルの原因になります。
  5. 配管が古すぎないか?
     圧力を上げすぎると、古い配管では漏水リスクが高まることがあります。

「ポンプ・配管・電源」の3セットがインバーターに合っているか?という視点で調査が必要です。

インバーター式は、すべての建物に万能というわけではありません。

とはいえ以下の建物は「水の使用量が時間帯で変動しやすい」ため、水圧を自動調整してくれるインバーター式と相性が良いのが特徴です。

  • 小〜中規模マンション
  • クリニック・小規模施設
  • テナントビル
  • 直結増圧方式(受水槽を使わず本管から直接給水)に切り替える建物

導入のメリットは非常に大きいでしょう。

給水ポンプのインバーターが故障するとどうなる?

インバーターは便利な装置ですが、「トラブルが起きやすい場所」でもあります。

故障すると、給水の安定性が一気に崩れます。

ここからは初心者の方でも気づきやすい“代表的な症状”をまとめます。

水圧が上下して安定しない

インバーターが不調のとき、もっとも多く見られる症状がこれです。

  • シャワーが弱くなったり、急に強くなったりする
  • 洗面やキッチンで水量が一定じゃない
  • 制御盤の圧力計が“上下にピョコピョコ”動く

こんな状態が続く場合は、水圧を読み取る“圧力センサー”が故障している か、インバーター本体がうまく制御できなくなっている 可能性が高いです。

とくに「圧力計が安定しない」というのは、現場でもよく見られる典型的な初期サイン。

放置すると、さらに水圧が不安定になり、最悪ポンプ自体が止まるケースにつながることがあります。

ポンプが止まる・動いたり止まったりする

もうひとつ多いのが「運転が安定しない」という症状です。

インバーター内部の回路が異常を検知すると、ポンプは自らの身を守るために“安全停止”を行います。

  • ポンプがいきなり止まる
  • 動いた後すぐ止まり、また動き始める(断続運転)
  • 過負荷保護が作動して起動しない

こういった動作は、インバーター内部の電子基板の故障モーターへの負荷増大 が原因になっていることが多いです。

断続運転を続けると、モーターにも負荷がかかり寿命を縮めることがあるため、早めの点検が安心です。

エラーランプ点灯(制御盤で警告表示)

インバーター式の給水ユニットには、“自己診断機能” が標準で入っています。

異常を検知すると、

  • エラーランプが光る
  • 液晶画面にエラー番号が表示される

といった形で、トラブルの存在を教えてくれます。

エラー番号はメーカーごとに意味があり、「圧力センサー異常」「インバーター異常」「過負荷」などを示すため、点検時の大きなヒントになります。

片側のポンプだけ動く(給水ユニットの場合)

マンションや施設でよく使われる“2台セットの給水ユニット”は、本来、AポンプとBポンプを 交互に運転 して寿命を均等に保つ仕組みになっています。

しかし、以下のような状態になることがあります。

  • 片方だけが動き続け、もう片方がまったく起動しない
  • 片側だけが「異常停止」になって動かない

こんなとき、インバーター側の制御バランスが崩れていることがあります。

原因としては、

  • 交互運転リレーの何かしらの異常
  • 圧力センサーの値がズレている
  • インバーター基板の片側だけ故障

などが考えられます。

放置して片側だけで運転を続けると、そのポンプだけに負荷が集中して早期故障につながるため、こちらも早めの点検がおすすめです。

インバーター故障の対処法(初心者でもできる確認)

インバーターの内部は専門領域なので、基本的には業者による点検が必要です。

とはいえ専門業者が到着するまでの間に初心者でもできる“最初の確認ポイント”があります。それが

まず圧力計とエラー番号を確認する

  • 圧力が低いのか
  • 圧力が上下しているのか
  • エラー番号が出ているのか

この3つを確認するだけで、業者側は故障箇所をかなり絞り込めます。

とくにエラー番号は重要で、「圧力センサー異常」「インバーター基板不良」など、原因のヒントがそのまま表示されることもあります。

実は、インバーター周りの故障の大半は“センサー”か“インバーター本体” に集約されます。代表的なのは

  • 圧力センサーの劣化
  • インバーター基板(電子回路)の故障

この2つは消耗部品のため、交換すれば復旧できるケースがほとんどです。

なお、インバーター異常の放置は厳禁です。放置するとポンプが突然止まったり、水圧が急に低下したり、断続運転で建物全体の給水が不安定になり「断水リスクが一気に高まる」ことになります。

インバーター故障にまつわる修理費用の目安

以下は一般的なインバーター故障時の修理費用の目安です。

  • 圧力センサー交換:5〜15万円
  • インバーター交換:20〜40万円
  • 給水ユニット全体交換:100万円〜

(あくまで一般的な目安です。実際には、建物の規模にもよります)

インバーター異常・交換・後付けは専門業者へご相談ください

インバーター式の給水ポンプは、建物の水圧を安定させる“頭脳”となる重要設備です。

そのため、インバーターの不調は水圧低下や断続運転など、建物全体の給水に大きく影響します。

とくに、

  • 水圧が上がったり下がったりする
  • ポンプが止まる、断続運転する
  • 片側のポンプだけ動く(給水ユニット)
  • エラー番号が表示される

といった症状は インバーター本体や圧力センサーの故障 である可能性が高く、早めの点検が必要です。

弊社では、インバーター周りの専門的な点検・修理・交換に幅広く対応しています。

  • 給水ポンプのインバーター故障診断
  • インバーター制御盤の交換・修理
  • インバーター後付け(対応機種かの事前診断可)
  • 給水ユニット(2~3台構成)の更新
  • 圧力センサーの交換
  • 逆止弁・配管まわりの補修
  • マンション・クリニック・中規模施設の給水設備点検

「水圧が不安定」「エラーが出ている」「後付けできるのか知りたい」という場合は、ぜひ当社にご相談ください。

給水ポンプの修理・交換・点検のご相談はこちら

プロの技術者が状況を伺い、最適な対処方法をご案内いたします。
(写真や状況を送っていただくだけでも診断が可能です)

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