【プロが教える】エコキュートが凍結したら?お湯が出ない給湯器の対処法・どうしたらいいか解説
急激な寒波や雪など気温が下がった日にお湯が出なくなった場合、給湯器が凍結しているかもしれません。
給湯器が凍結したらどうしたらいいのでしょうか。
凍結対処の方法は、電気温水器・ボイラー給湯器・エコキュートのいずれの場合も基本的には同じです。
今回は
- 給湯器が凍結したときの症状とサイン
- 給湯器の配管が凍結したときの修理費用
- 自分で凍結を解消する方法
についてご紹介していきます。
冬が到来する前に事前に予防対策をしておきたいという方は、ぜひこちらの記事もチェックしてください
→Link「【プロが教える】エコキュート凍結防止!残り湯や設定・配管の対策は?カバーやヒーターは必要?」
エコキュートが凍結したらどうしたらいい?
お湯が出ない凍結の症状とサイン
急激な寒波や雪など気温が下がった日に下記のような症状が起こっていたら給湯器が凍結しているかもしれません。
給湯器が凍結すると
- お湯が出ない
- お湯も水も出ない
- 蛇口をひねっても水がちょっとしか出てこない
- 水は出るようになったが給湯器からポタポタと水漏れが起こる
- リモコンにエラーが表示される
などの症状が出てきます。
「ポタポタと水漏れが起こっている」場合は、凍結による配管の破損が考えられますので配管の交換作業が必要です。
まずはメーカーに相談しよう
下記にエコキュートのメーカー別連絡先を記載しておきますので、まずは相談してみると良いでしょう。
メーカー | 問い合わせ先 | 電話番号 |
三菱 | 三菱電機お客様相談センター | 0120-139-365 |
パナソニック | パナソニックお客様相談センター | 0120-878-709 |
ダイキン | ダイキンコンタクトセンター | 0120-881-081 |
コロナ | コロナサービスセンター | 0120-919-302 |
長府製作所 | 長府製作所サービスセンター | 0120-925-339 |
ただし、冬の配管凍結は『同時多発的に起きる』というのが特徴で、修理依頼の問い合わせも殺到するため、電話がパンク状態になることも少なくありません。
ですので、電話が繋がらない場合は、諦めずに粘り強く電話をかけ続けてください。
凍結したら配管の内部はどうなるのか
凍結した配管の内部では、水が凍り、膨張しています。
水は凍ると体積が増えるので、凍った水は、配管を内側から圧迫して破裂させてしまうリスクがあります。
実は、給湯器の凍結で最も恐ろしいのは、配管が破裂してしまうことです。
万が一配管が破裂すると、配管が修理されるまでのあいだ水の元栓を閉めておかないといけなくなるため、場合によってはトイレにすら行けなくなります。
破損やひび割れを起こしている場合も、ポタポタと水漏れを起こすようになり、これを放置すると給湯器内部の基板に水がかかって給湯器自体が故障してしまいます。
エコキュートが凍結したら修理費用はいくらかかるのか
配管の修理だけであれば、修理費用はだいたい1万円〜5万円程度ですみます。
しかし、水漏れで給湯器内部の機械に水がかかってしまうと、内部の機械が壊れてしまうため、さらに修理費用は跳ね上がります。
最悪の場合、給湯器自体を交換しなくてはならなくなるため、10万円以上の費用がかかってしまうこともあり注意が必要です。
水漏れを起こしている場合は、早急に、修理業者を呼びましょう。
このような事態を避けるためにも、ぜひ事前の凍結予防対策もチェックしてくださいね。
給湯器が凍結したときの対処法①自然解凍を待つ
給湯器が凍結した場合の対処として最も安全な方法は「自然解凍するまで待つ」ことです。
日中になり気温が上がってきているようであれば、凍結してしまった部分も自然解凍されます。
自然解凍を待つ際の手順は下記の通りです。
※給湯器本体の電源は切らず、コンセントも抜かずそのままにしてください。
※日中、湯側の蛇口から水が出るようになったら自然解凍されています。
この時、給湯器本体から水がポタポタと落ちてくる場合は配管の破裂が考えられますので早急に修理業者を呼びましょう。
給湯器の自然解凍は何度?いつ溶けるのか
一部では、外気温が4℃〜6℃くらいになると自然解凍したという声も聞きますが、はっきりとしたことは言えないのが実情です。
一般に給湯器は、家の北側・東側に設置されていることが多く、冬場は特に冷えやすい環境にさらされているため
外気温が4℃〜6℃くらいの場合であっても、気圧が低く、風が強ければ、それだけで冷却効果が増していき、自然解凍は難しくなります。
さらに、配管には保温筒という凍結防止チューブが内蔵されているのですが、この保温筒は熱の移動を遮断する機能があるため
いったん配管内部が凍結してしまうと、逆に外からの温かい熱を配管内部へ通しにくいことから、自然解凍しにくい状態になっています。
そのため、お客さまの給湯器が晒されている環境を見ながら、個別に判断していく必要があります。
少なくとも日中の気温が0℃(氷点下)を上回っているから自然解凍されるはず!と思って油断していると、いつまで経っても溶けない、ということがありますので注意しましょう。
給湯器が凍結したときの対処法②お湯をかける
基本的にメーカーは、配管にお湯をかけることを推奨していません。
しかし、実際のところ、修理業者が凍結対応に赴いた際には、お湯をかけて凍結を解消することが多いです。
あくまでもお客さまの自己責任にはなりますが
「家事のために、どうしてもお湯を使いたい」
「自然解凍を待っていられない」
というときは、お湯をかけて凍結を解消するという方法があります。
お湯をかけて凍結を解消する場合には、お湯の温度に注意が必要です。
凍っている配管に熱湯をかけるとバキッと割れてしまう危険があるため、熱湯をかけるのはNGです。
配管にお湯をかける場合は、ぬるま湯を準備しましょう。手順は次の通りです
- キッチンや浴室にある給湯器のリモコンの電源を切ります。※給湯器本体の電源は切らず、コンセントも抜かずそのままにしてください。
- 室内のお湯が出る方の蛇口を少し緩めておきます。
- 給湯器の配管に乾いたタオルを巻いて、ぬるま湯をゆっくりかけます。※コンセントや電源コードにお湯がかからないようご注意ください。
- 室内の蛇口から水が流れるようになったら解凍されています。
- 濡れたタオルを外して乾いたタオルで水分をよく拭き取りましょう。※水分が残っていると再凍結の危険性があります。
「配管にかけるぬるま湯の温度はどれくらいがいいですか?」
「そうですね・・あくまでお客さまの自己責任ですが、40℃くらいですかね・・」
「なるほど、人肌よりも少し暖かいくらいが目安なんですね」
「本来は配管の状況次第で、お湯の温度のさじ加減も変わってきます」
「そうなんですか?」
「こういう端材を使ってるから全然大丈夫だとか、こういう材料でも年数たってて古いから、この段取りにしておこうとか・・」
「なるほど、凍結解消の温度もプロ目線のさじ加減があるんですね」
「なので、そこを判断できない方がお湯をかけると配管を割っちゃうリスクもあるかなと思いますね」
「うーっ、難しい・・!」
配管の状況や劣化具合によって、凍結解消のための適切なお湯の温度は異なりますので、不安な場合は専門業者に相談してください。
給湯器の凍結時にお湯をかける場所
凍結した配管にお湯をかけて凍結を解消する場合、いったいどこにお湯をかけたらいいのか迷う方もいるでしょう。
地上に露出して冷気に晒されやすい配管は、ふろ配管・給湯配管・ヒートポンプ配管です。
よく分からない場合は、凍結していそうな配管全体にお湯をかけると良いでしょう。
エコキュートや電気温水器の場合は、本体の脚部カバーを外して、地上に晒されている配管全体にお湯をかけます。
下図はエコキュートの場合の一般的な配管図です。ぜひ参考にしてください。
凍結している配管がどこなのかは、症状によってある程度、目星をつけることも出来ます。
上の図を見ると
- ふろ配管は、風呂の浴槽の循環口にむけて給湯している
- 給湯配管は、台所・洗面台・お風呂の蛇口やシャワーに向けて給湯している
- ヒートポンプ配管は、ヒートポンプと貯湯タンクの間でお湯を循環させている
ということが分かると思います。
専門業者に診断してもらわないと正確には断定できませんが
- お風呂の浴槽のお湯はり機能が働かずお湯が出ない場合は「ふろ配管」が凍結している
- 台所・洗面台・お風呂の蛇口やシャワーからはお湯が出ない場合は「給湯配管」が凍結している
- お湯の沸き上げ(沸きまし)が出来ない場合は「ヒートポンプ配管」が凍結している
といったふうに、目星をつけていくことが可能です。
エコキュートの室外機(ヒートポンプ)が凍結したら
エコキュートの場合、本体であるヒートポンプや貯湯タンクは、本来は内部に凍結予防機能が備わっているため、冬場は自ら通電して温める機能が働き、凍結することはほとんどありません。
しかし、寒冷地などでは、急激な積雪や風雪で室外機(ヒートポンプ)が凍結してしまうことがあります。
室外機(ヒートポンプ)が凍結してしまった場合も、同様に
- 自然解凍を待つか
- お湯をかけて凍結解消するか
で対応します。
あくまでお客さまの自己責任にはなりますが、凍結しているフィンの部分にぬるま湯をかけることで凍結を解消することができます。
このときの手順や要領は、配管の凍結解消の方法と同じです。
熱湯をかけるのはNGですので注意してください。
もし不安な場合は、無理せず専門業者を頼ってくださいね。