エコキュート沸きあげできない5つの原因!沸き増しに時間がかかるときの対処法を解説

お湯を使いたいのに、エコキュートの沸きあげが出来ない!

リモコン表示に「沸きあげできません」と表示される

ずっと沸きあげ中で、沸き増しに時間がかかるのはなぜ?

そんな疑問に答える記事です。

お湯の残量が少ないうえに、なかなかエコキュートのお湯が沸きあげされないと、焦ってしまいますよね。

沸きあげできない原因には、エコキュートの故障が原因のこともあれば、ちょっとした設定の確認ミスによる場合もあります。

この記事では、エコキュートのお湯が沸きあげできないケースを丁寧に解説していきます。

不要な出費やトラブルを避けて、落ち着いて対処するためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事でわかること
  • エコキュートの沸きあげに時間がかかるときのチェックポイント
  • エコキュートが沸き上げできない5つの原因と対処法
目次

エコキュートの沸きあげに時間がかかるときのチェックポイント

沸きあげにかかる時間目安

ずっと沸きあげ中で、沸き増しに時間がかかる!

そんな症状に遭遇すると、不安になってしまいますよね。

エコキュートをゼロから満タンになるまで沸きあげに必要な時間は7〜8時間程度と言われています。

370L容量のエコキュートの場合、貯湯タンクをゼロから80℃のお湯で満タンにする時間目安は下記のとおりです。

  • 夏季では約6時間
  • 冬季では約7.5時間

タンクにお湯が残っている状態で沸きあげすれば、もっと早くに沸きあげ完了することもあります。

しかし、いずれにしてもエコキュートでは瞬間的に大量のお湯を沸かすことはできないため、注意が必要です。

エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かしています。

夏は外気温が高いため、空気から汲み上げられる熱も多く、比較的早く満タンになります。

しかし、秋から冬にかけて外気温が下がってくると、空気から汲み上げられる熱が減ります。

そのため、冬季はどうしてもお湯を沸かすために必要な時間も長くなっていく傾向があります。

冬季なら「普段よりは沸きあげに時間がかかる」と認識しておきましょう。

それでも、エコキュートの沸きあげが異常に遅い、時間がかかっている、と感じるなら次の2項目をチェックしてみましょう。

  • リモコン設定で沸きあげ制限していないか
  • エコキュートが停止又は誤作動を起こしていないか

次で説明していきます。

リモコン設定で沸きあげ制限がされていないか

1つ目が、リモコン設定で沸きあげ制限がされているケースです。

沸きあげ時間や電力消費を上手に管理して節電したい!

そんな方のために、エコキュートでは、沸きあげ制限が可能なモード(機能)が用意されています。

以前に設定していたことをうっかり忘れていると「沸きあげができない」と慌ててしまうことがあるため、確認してみましょう。

例えば、パナソニック製のエコキュートであれば主に次の2つの機能です。

  • ピークセーブ
  • ソーラーチャージ

ピークセーブ設定とは、電気使用量のピークを制限して少ない消費電力で(かわりに長く時間をかけて)沸きあげる機能です。

ピークセーブ設定がONになっていると、タンク内のお湯が少ない場合、夜間時間帯にタンクいっぱい沸き上がらない場合があります。

またソーラーチャージ設定は、太陽光発電システムで発電した電気を、昼間の沸き上げに利用したいときに設定します。

ソーラーチャージ設定している場合は、昼間時間帯と夜間時間帯に分けて沸き上げを行うため、当然ですが夜間時間帯のみで沸きあげる湯量は制限されます。

そのため、朝にタンクいっぱいに沸き上がらない場合があります。

パナソニック製に限らず、各メーカーとも似たような機能は準備しているため、取扱説明書を確認してみましょう。

設定をOFF(または解除)すれば、沸きあげ制限のない通常モードに戻すことが出来ます。

エコキュートが停止又は誤作動を起こしていないか

2つ目が、エコキュートが停止又は誤作動を起こしているケースです。

沸きあげ運転中に停電が起きてエコキュートが緊急停止すると、沸きあげしないことがあります。

通常はバックアップ電源が作動するため、停電が復旧すればエコキュートも自然ともとに戻りますが、そうでない場合には停止したままのこともあります。

念のため電源状況や時刻設定などがリセットされていないか確認してみましょう。

同様に、配線上のブレーカー、もしくは貯湯ユニット本体の漏電しゃ断器が OFF の状態では湯沸ししません。

この場合は、電源の状態を確認してONにしてみましょう。

この他にも、長期間不在にするなどの理由で「湯沸し停止日数」の予約設定がされていた場合、当然ですがお湯が沸きません。

うっかり設定していたことを忘れているケースもあるため、設定を確認してみましょう。

エコキュートが沸き上げできない5つの原因と対処法

リモコン表示に「沸きあげできません」と表示される

エコキュートの故障や不具合が原因で沸きあげできない場合、リモコンでエラーが表示されることがあります。

沸きあげできない主な故障原因としては主に5つあります。

  • 断水や凍結による停止
  • 配管や逃し弁からの水漏れ
  • 通信線の不具合
  • 貯湯タンクの不具合
  • ヒートポンプの不具合

順番に見ていきましょう。

断水や凍結による停止

災害や地域事情で断水が生じている場合、沸きあげができないことがあります。

タンク内のお湯は使えますが、タンクへの給水がストップするため、追加の沸きあげができません。

また、一般的に、エコキュートは屋外に設置されているため、冬季は凍結によるトラブルが発生しがちです。

配管が凍結すると、配管内部が凍っているため、湯送りできずお湯が沸かせない、お湯が使えない症状が起きます。

この場合は、断水や凍結に合わせた対処が必要です。

具体的な対処方法はこちらの記事で書いているので、該当する方は確認してみましょう。

配管や逃し弁からの水漏れ

配管や逃し弁からの水漏れが生じていると、沸きあげできないことがあります。

配管からの水漏れ原因は様々ですが、経年劣化や凍結による配管のヒビ割れなどが代表的です。

配管からの水漏れは、リモコンにエラーが表示される場合と、表示されない場合があります。

リモコンにエラーが表示されていなくても、念のため目視による確認をおすすめします。

万が一水漏れが確認されたら、早急に脚部カバー内にある給水配管専用の止水栓を閉じ、専門業者へ相談しましょう。

また、稀に逃し弁から水漏れが起きている場合もあります。

逃し弁とは、タンクの破裂を防ぐために、貯湯タンクにかかる内圧を外に逃がしている安全弁です。

逃し弁から水漏れが起きている場合、エコキュートの故障が原因とは限らないため、現場をよく確認する必要があります。

逃し弁からの水漏れに心当たりがある方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

通信線の不具合

エコキュートの通信線は上図のように、リモコン・貯湯タンク・ヒートポンプを繋いでいます。

この通信線の端子部の差込み不良、ゆるみ、断線などがあると、沸きあげ指示がうまく流れず沸きあげできないことがあります。

通常このような不具合があると、通信線エラーがリモコンに表示されます。

例えば、三菱製のエコキュートであればH10、コロナ製のエコキュートであればE27等のエラーコードが該当します。

通信線エラーによる沸きあげ不良の場合は、個人での対処は難しいため、適切な処置を専門業者へ依頼しましょう。

修理費用等については下記の記事でも解説しています。

貯湯タンクの不具合

貯湯タンクに不具合や故障がある場合も、沸きあげできないことがあります。

具体的には、タンク内にある沸きあげ関連の部品の不具合です。

エコキュートは上図のように、貯湯タンク内の水をヒートポンプに送って水熱交換器で熱を受け取りお湯にしてタンク内に戻しています。

この循環プロセスを担う部品(湯沸かし三方弁等)に不具合があると、沸きあげできない症状が起きます。

通常このような不具合があると、貯湯タンク関連のエラーがリモコンに表示されます。

例えば、パナソニック製やダイキン製のエコキュートではH54のエラーコードが該当します。

貯湯タンクの部品等の不具合は、個人での対処は難しいため、適切な処置を専門業者へ依頼しましょう。

修理費用等については下記の記事でも解説しています。

ヒートポンプの不具合

ヒートポンプは、お湯を作るエコキュートの心臓部ともいえるパーツです。

外気から大気中の熱を組み上げ、お湯を沸かすための熱を作り出すのがヒートポンプです。

このヒートポンプに不具合があると沸きあげできない症状が起きます。

ヒートポンプと一言でいっても、実際には多くの部品が相互に関連しながら動いています。

  • 冷媒を循環させる配管
  • タンク側から水を循環させる配管
  • 外の空気を取り込むファン(プロペラ)
  • 冷媒を圧縮するコンプレッサー
  • 冷媒の熱を水と交換する水熱交換器
  • 冷媒の熱を空気と交換する空気熱交換機
  • 冷媒の熱を監視するサーミスタ(温度センサ)
  • 各部品に動作指示を出す制御基板
  • 貯湯タンク側の水を循環させる循環ポンプ 等

ヒートポンプの不具合による症状は、故障箇所によって様々で、リモコンに表示されるエラーも様々です。

ヒートポンプの不具合は、個人での対処は難しいため、適切な処置を専門業者へ依頼しましょう。

修理費用等については下記の記事でも解説しています。

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