エコキュートとは?仕組み・メリット・ガス給湯器との違いをわかりやすく解説

「エコキュートって、そもそもどんな給湯器?」
「ガス給湯器や電気温水器と比べて、本当に光熱費は安くなる?」
給湯器の交換や新築を検討するなかで、エコキュートが気になっているものの、仕組みやメリットがよくわからない方も多いのではないでしょうか。
エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす「ヒートポンプ」の仕組みを採用した給湯器です。電気だけでヒーターを加熱する電気温水器とは仕組みが異なり、少ない電力で効率よくお湯をつくれるため、給湯にかかる光熱費を抑えやすいのが特徴です。
本記事では、創業40年以上、年間4,000件以上の施工実績を持つ坂口ボイラーサービスが、エコキュートの基本的な仕組みからメリット・デメリット、ガス給湯器や電気温水器との違いまでわかりやすく解説します。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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エコキュートとは?電気で空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯機
エコキュートとは、電気と空気中の熱を利用してお湯を沸かす給湯機です。正式には「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と呼ばれます。
エコキュートの大きな特徴は、「ヒートポンプ」という技術を採用していることです。ヒートポンプとは、空気中にある熱を集めて移動させる仕組みのことで、エアコンにも使われています。電気の力だけでお湯を沸かすのではなく、空気中の熱を活用するため、少ない電力で効率よくお湯をつくれるのがメリットです。
また、熱を運ぶ「冷媒」には、フロンではなく自然界に存在するCO2(二酸化炭素)を使用しています。そのため、「自然冷媒」を使った給湯機と呼ばれています。
エコキュートで沸かしたお湯は、貯湯タンクにためておき、必要なときに給湯する仕組みです。お湯をあらかじめ沸かしてためておく「貯湯式」である点も、使うときに必要な分だけお湯を沸かすガス給湯器との大きな違いです。
エコキュートの仕組みをわかりやすく解説
エコキュートは、大きく分けて「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンク」の2つの機器で構成されています。
ヒートポンプユニットで空気中の熱を取り込んでお湯を沸かし、そのお湯を貯湯タンクにためて必要なときに使う仕組みです。お湯ができるまでの流れを整理すると、以下のようになります。
- 空気の熱を集める:ヒートポンプユニットが外気から熱を取り込む
- お湯を沸かす:取り込んだ熱を利用して水を温める
- タンクにためる:沸かしたお湯を貯湯タンクにため、必要なときに給湯する
それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。
①空気の熱を集めて、②お湯を沸かす
まず、屋外に設置されたヒートポンプユニットが、空気中にある熱を取り込みます。取り込んだ熱はCO2冷媒に集められ、圧縮機で冷媒を圧縮することで高温にします。その熱を水に伝えることで、お湯を沸かす仕組みです。
電気温水器のように電気ヒーターで水を直接加熱するのではなく、電気を使って空気中の熱をくみ上げるのがエコキュートのポイントです。投入した電気エネルギーよりも多くの熱エネルギーを利用できるため、効率よくお湯を沸かせます。
③沸かしたお湯を貯湯タンクにためて使う
ヒートポンプユニットで沸かしたお湯は、隣に設置された貯湯タンクにためておきます。蛇口やシャワーを開くと、タンク内のお湯を水と混ぜて適温に調整し、キッチンや洗面所、お風呂などへ供給します。
従来は電気料金が安い夜間にまとめて沸かす使い方が一般的でしたが、近年は電気料金プランや太陽光発電の有無などに合わせて、昼間に沸き上げる機種や運転方法も増えています。
なお、タンク内部の構造や水位の管理など、より詳しい動作の仕組みについては、「エコキュート仕組みをわかりやすく図解!追い炊き・水位センサー・風呂自動・保温の仕組みを簡単解説」で解説しています。仕組みをさらに詳しく知りたい方は、あわせて参考にしてください。
エコキュートのメリット・デメリット
エコキュートには省エネなどのメリットがある一方、いくつか注意すべきデメリットも存在します。以下では、エコキュートのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
エコキュートの主なメリット
エコキュートの大きなメリットは、給湯にかかる光熱費を抑えやすいことです。電気だけでお湯を沸かすのではなく、空気中の熱を活用するため、少ない電力で効率よくお湯をつくれます。電気料金が安い時間帯に沸き上げるプランや、太陽光発電と組み合わせれば、さらに電気代を抑えられる場合もあります。
また、エネルギー効率が高く、環境負荷を抑えやすいことも特徴です。さらに、断水時には貯湯タンク内の水やお湯を非常用の生活用水として取り出せる機種もあり、災害への備えとしても役立ちます。
ただし、非常時の水の取り出し方や飲用の可否は機種によって異なるため、必ず取扱説明書を確認してください。
エコキュートの主なデメリット
一方、エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクを設置するスペースが必要です。ガス給湯器と比べて機器が大きいため、住宅によっては設置場所が限られることがあります。
また、タンクにためたお湯を使う仕組みのため、一度に大量のお湯を使うと「湯切れ」を起こす可能性があります。湯切れすると、再びお湯が沸くまで待たなければなりません。
ただし、家族の人数やお湯の使用量に合ったタンク容量を選び、適切に沸き上げ設定を行うことで、湯切れのリスクは抑えられます。
【関連記事】エコキュートはやめとけ?デメリットと後悔しないための対策をプロが解説
エコキュートとガス給湯器(エコジョーズ)との違い
エコキュートとガス給湯器の大きな違いは、お湯を沸かすための熱源と給湯方式です。
ガス給湯器のなかでも、省エネ性能を高めた代表的な機種が「エコジョーズ」です。従来は捨てていた排気熱を再利用することで、少ないガスで効率よくお湯を沸かせます。
エコキュートとエコジョーズの主な違いを比較すると、以下のとおりです。
| 項目 | エコキュート | ガス給湯器(エコジョーズ) |
|---|---|---|
| 熱源 | 電気+空気中の熱 | ガス |
| お湯の作り方 | 貯湯式(沸かしてためる) | 瞬間式(使うときに沸かす) |
| お湯の量 | タンク容量に限りがある | 基本的に連続して給湯できる |
| 設置スペース | 比較的大きい | 比較的小さい |
| 初期費用 | 比較的高い | 比較的安い |
| ランニングコスト | 電気料金・料金プランなどに左右される | ガス料金・使用量などに左右される |
エコジョーズは、必要なときに必要な分だけお湯を沸かすため、タンクの湯切れを気にせず使いやすいのがメリットです。また、貯湯タンクが不要なため、エコキュートに比べて設置スペースも抑えられます。
一方、エコキュートは導入費用が高くなりやすいものの、空気中の熱を利用して効率よくお湯を沸かせるため、給湯にかかる光熱費を抑えやすいのが強みです。
どちらがお得になるかは、家族の人数やお湯の使用量、電気・ガスの契約プラン、太陽光発電の有無などによって異なります。
【関連記事】エコジョーズとエコキュートどっちがいい?10年コストと向き不向きで比較
エコキュートと電気温水器との違い
エコキュートと電気温水器は、どちらも電気を使ってお湯を沸かし、タンクにためて使う給湯機です。ただし、お湯を沸かす仕組みが大きく異なります。
電気温水器は、タンク内の電気ヒーターで水を直接加熱する仕組みです。一方、エコキュートは電気でヒートポンプを動かし、空気中から集めた熱を利用してお湯を沸かします。
主な違いをまとめると、以下のとおりです。
| 項目 | エコキュート | 電気温水器 |
|---|---|---|
| 熱源 | 電気+空気中の熱 | 電気 |
| 加熱方法 | ヒートポンプ | 電気ヒーター |
| 給湯方式 | 貯湯式 | 貯湯式 |
| 電気代 | 比較的抑えやすい | 比較的高くなりやすい |
| 設置スペース | タンク+ヒートポンプユニットが必要 | 主に貯湯タンクを設置 |
| 初期費用 | 比較的高い | 比較的安い |
エコキュートは、電気だけで熱をつくるのではなく、空気中にある熱をくみ上げて利用するため、電気温水器より少ない電力で効率よくお湯を沸かせます。そのため、同程度のお湯を使う家庭であれば、一般的にエコキュートのほうが電気代を抑えやすくなります。
一方で、エコキュートは貯湯タンクに加えてヒートポンプユニットを屋外に設置する必要があり、導入費用も電気温水器より高くなりやすい傾向があります。
そのため、導入時の費用を抑えたいなら電気温水器、長期的な電気代や省エネ性能を重視するならエコキュートという違いを押さえて比較するとよいでしょう。
【関連記事】電気温水器の電気代は高すぎる?エコキュートとの差額シミュレーション【九電プランで実額計算】
エコキュートの電気代の目安は?九電プランなら月1,600〜2,700円が目安
エコキュートの給湯にかかる電気代は、家族の人数やお湯の使用量、契約プランによって変わります。
九州電力の「電化でナイト・セレクト」を利用し、夜間の実質的な電力量単価を約20円/kWhとして試算すると、目安は次のとおりです。
| 世帯モデル | エコキュートの電気代目安(月) | エコキュートの電気代目安(年) |
|---|---|---|
| 一人暮らし | 約1,600円 | 約19,200円 |
| 4人家族 | 約2,700円 | 約32,000円 |
エコキュートの電気代を抑えやすい理由は、電気だけでお湯を沸かすのではなく、空気中の熱を利用するためです。同じ量のお湯を沸かす場合、電気温水器と比べて必要な電力量を大幅に抑えられます。
さらに、夜間の電気料金が安いプランを利用し、料金の安い時間帯にまとめて沸き上げることで、給湯コストを抑えやすくなります。
ただし、日中に何度も沸き増しをすると、割高な昼間の電気料金が適用され、電気代が高くなることがあります。
また、実際の料金は、季節やお湯の使用量、タンク容量、機種の効率、電気料金プランなどによって変動する点にも注意しましょう。
エコキュートをお得に使うには、家族構成に合ったタンク容量を選び、できるだけ電気料金の安い時間帯に沸き上げることがポイントです。
エコキュートが向いている家庭・向かない家庭
エコキュートは、省エネ性やランニングコストの面でメリットがある一方、すべての家庭に向いているわけではありません。家族構成やお湯の使い方、設置環境によっては、ガス給湯器など別の選択肢のほうが適している場合もあります。
まずは、向いている家庭・慎重に検討したい家庭の特徴を確認してみましょう。
| 向いている家庭 | 慎重に検討したい家庭 |
|---|---|
| 夜間の電気料金が安いプランを利用できる | ガス設備をすでに活用している |
| 屋外に十分な設置スペースがある | 設置スペースが限られている |
| 家族の人数やお湯の使用量がある程度安定している | 日によってお湯の使用量が大きく変わる |
| 光熱費をできるだけ抑えたい | 初期費用をできるだけ抑えたい |
| 太陽光発電を導入している | 一度に大量のお湯を使うことが多い |
特に、戸建てで設置スペースを確保しやすく、電気料金の安い時間帯や太陽光発電を活用できる家庭は、エコキュートのメリットを生かしやすい傾向があります。
一方で、設置場所が狭い家庭や、来客などでお湯の使用量が大きく増えることが多い家庭では、湯切れや設置条件に注意が必要です。こうした場合は、タンク容量を大きめにする、薄型タイプを選ぶ、ガス給湯器と比較するといった検討も必要になります。
エコキュートの費用・寿命の目安
エコキュートを導入する際は、初期費用だけでなく、何年程度使えるのかも含めて検討することが大切です。
初期費用は、本体代と工事費を合わせて約40万〜60万円が目安です。本体価格のほか、交換工事費や配管などの部材費、既存給湯器の撤去・処分費、運搬費などがかかります。
ただし、メーカーや機種、タンク容量、設置スペース、既存の配管・基礎の状態などによって費用は大きく変わります。追加工事が必要になるケースもあるため、正確な費用を知るには、現地調査を受けたうえで見積もりを確認するのが確実です。
また、エコキュートの寿命は一般的に10〜15年程度が目安です。使用頻度や設置環境、メンテナンス状況によって前後しますが、10年以上使用していて故障やエラーが増えてきた場合は、修理だけでなく交換も検討するタイミングといえます。
【関連記事】エコキュートの寿命は何年?10〜15年説の根拠と買い替えサイン・延命のコツ
エコキュートの導入で利用できる補助金制度
エコキュートの導入・交換では、国の「給湯省エネ2026事業」を利用できる場合があります。特に、現在使用している電気温水器からエコキュートへ交換する場合は、本体への補助に加えて撤去費用も補助対象となるのがポイントです。
2026年8月時点の補助額の目安は、次のとおりです。
| 区分 | 補助額 |
|---|---|
| 基本額 | 7万円/台 |
| 性能加算(要件を満たす機種) | +3万円/台 |
| 電気温水器の撤去加算 | +2万円/台 |
| 電気温水器から交換する場合 | 最大12万円程度 |
通常のエコキュート導入では最大10万円/台、電気温水器からの交換で撤去加算まで適用されれば、最大12万円程度の補助を受けられる計算です。
ただし、すべてのエコキュートが補助対象になるわけではありません。事務局に登録された対象製品を選ぶ必要があり、撤去加算にも所定の要件があります。
また、申請は消費者が直接行うのではなく、登録された「給湯省エネ事業者」が手続きを行います。予算上限に達すると期限前でも受付が終了する可能性があるため、導入を検討している場合は、早めに施工業者へ対象機種や補助金の利用可否を確認しておきましょう。
対象製品や申請条件、最新の受付状況については、給湯省エネ2026事業の公式サイトで確認できます。
エコキュートに関するよくある質問
エコキュートを検討する方からよく寄せられる質問をまとめました。基本的な疑問の解消にお役立てください。
Q. エコキュートとエコジョーズは何が違いますか?
エコキュートは電気で空気の熱を利用してお湯を沸かす機器です。エコジョーズはガスでお湯を沸かす給湯器で、熱源そのものが異なります。
Q. エコキュートと電気温水器は同じものですか?
別物です。電気温水器は電気ヒーターで直接加熱します。エコキュートは空気の熱を利用するため、一般に電気代を抑えやすいとされています。
Q. 停電のときもお湯は使えますか?
貯湯タンクにお湯があれば、停電時でもためたお湯を使える場合があります。ただし沸き上げには電気が必要なため、新たに沸かすことはできません。
Q. エコキュートの寿命はどれくらいですか?
おおむね10〜15年程度が目安とされています。使用状況や設置環境で前後するため、あくまで目安としてお考えください。
Q. エラーコードが表示されたらどうすればよいですか?
意味を自己判断せず、取扱説明書やメーカー公式、エラーコード一覧でご確認ください。改善しない場合は業者へご相談ください。分解や配線の作業は感電・やけどの危険があるため、資格を持つ業者へお任せください。
まとめ|エコキュートとは電気で空気の熱を利用する省エネ給湯機
エコキュートは、電気でヒートポンプを動かし、空気中の熱を利用して効率よくお湯を沸かす給湯機です。CO2を冷媒として熱を集め、沸かしたお湯を貯湯タンクにためて使います。
電気料金の安い時間帯や太陽光発電をうまく活用すれば、毎月の給湯コストを抑えられるのが大きなメリットです。
一方で、導入には初期費用がかかるほか、設置スペースの確保やタンクの湯切れなどにも注意が必要です。家族の人数やお湯の使用量、現在の給湯器、電気料金プランなどを踏まえて、ご家庭に合っているかを検討しましょう。
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