三菱エコキュートエラーC20のわき上げ温度高温異常とは?解除方法や修理費用を解説
三菱エコキュートエラーのC20って何?
C20のエラーの原因や解除方法は?
C20の修理費用はいくらかかる?
そんな疑問に答える記事です。
三菱エコキュートエラーC20は、わき上げが正常にできない状態を知らせるエラーです。
これはヒートポンプ(室外機)内部や配管の温度が想定外に高くなっている状態で「わき上げ温度高温異常」として検知されます。
この異常は、自分で対処できるのか、修理費用はいくらかかるのか、など気になる方も多いでしょう。
この記事では、三菱エコキュートにC20のエラーが出たときに、必ず確認しておきたいポイントを具体的に解説します。
不要な出費やトラブルを避けて、落ち着いて対処するためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
- わき上げ温度高温異常とは何か
- エラーの主な症状や原因
- メーカーが推奨する対処法
- メーカーの修理費用の目安
- エラーの強制解除の方法
三菱エコキュートエラーC20のわき上げ温度高温異常とは
三菱エコキュートのC20のエラーは、ヒートポンプユニット関連のエラーです。
ヒートポンプユニット内部や配管内部の温度が想定外に高くなっている状態で、「わき上げ温度高温異常」として検知されます。
通常ヒートポンプユニット内部では、冷媒と呼ばれる特殊なガスを圧縮して熱を作ります。
熱を作る過程で、自然とヒートポンプ内部や配管内の温度は高くなるのですが、この温度が異常に高いと「わき上げ温度高温異常」として検知されます。
わき上げ温度高温異常が起きる主な原因
原因は様々ですが、よくある例としては、貯湯タンクからヒートポンプへ流れる水の流量不足です。
流量が不足すると、ヒートポンプに十分な水が回らず、温度が上昇し過ぎてエラーになることがあります。
流量が不足する要因のひとつは、ヒートポンプ配管の不具合です。
ヒートポンプ配管とは、貯湯ユニットとヒートポンプユニット(室外機)を繋いでいる配管です。
ヒートポンプ配管は、貯湯タンク側の水をヒートポンプに送り出し、ヒートポンプで温められたお湯を貯湯タンク側に戻す役割があります。
原因は1つとは限らず、複数の原因が同時に起きていることもあります。
- 配管内に空気が混入している
- 配管内にゴミが混入している
- 止水栓が閉じていて十分な水が来ていない
- 配管の接続(行きと戻り)が間違っている
- 配管が破損・水漏れしている
- 配管がつぶれている・詰まっている
- 配管が凍結している
- 水流を制御する電気回路に不具合がある
- 水やお湯を循環させるポンプに不具合がある など
原因を特定していくのは素人では難しく、プロによる判断が必要です。
わき上げ温度高温異常の主な症状
C20のエラーが出ると、新しくお湯が作れない(タンクにためられない)ことになります。
そのため、例えば次のような症状が出ます。
主な症状の例
- タンクのお湯が沸かない
- タンクのお湯がたまらない
- リモコンで沸き上げ操作ができない
- タンクのお湯を使い切るとお湯が出ない など
※新しくお湯を作ることが出来ませんが、貯湯タンクに溜めてあるお湯は使うことができます。
三菱エコキュートエラーC20・120の対応
三菱エコキュートの高圧異常のエラーコードは次の2パターンのいずれかで表示されます。
- C20
- 120
この2つのエラーコードはどちらも温度の異常を知らせるもので、基本的な対処方法は同じです。
メーカーが推奨する対処方法
三菱電機が公式サイトで推奨している対処方法は次のステップです。
- 据付直後の場合は再運転を試みる
- 冬季の配管凍結の場合は解凍を待つ
- 販売店(据付工事店)へ連絡する
- 最終手段はメーカー修理窓口へ連絡する
公式サイト説明を確認したい方は、こちらの公式サイトFAQをご覧ください▶公式サイトをみる
据付直後とは、具体的には、エコキュートの据付工事を終えて使用開始してから1週間以内をいいます。
エコキュートの使用開始した直後に出るエラーは、初期始動に伴う一時的なエラーのことがあります。
また、冬季の配管凍結が疑われる場合は、配管の自然解凍を待つことで復旧する可能性があります。
据付直後ではなく、かつ、冬季の凍結の疑いもないときは、プロによる点検が推奨されています。
※据付直後、又は、冬季の凍結が疑われ、ご自身での対処したい場合は、こちらをご参照ください。
メーカーの修理費用の目安
お使いのエコキュートの保証期間内であれば、無償修理できる場合があります。
まずはお手元の保証書や取扱説明書で保証期間内かどうかを確認しましょう。
保証期間を過ぎている場合は、有償修理の扱いとなり、修理費用がかかります。
修理費用は、三菱電機の公式サイトで概算目安が公開されています。
例えば「C- のエラーがリモコンに表示される」という症状で、メーカー修理窓口に依頼したときの修理料金の目安はこちら。
- 電気部品類交換の場合は18,700円~68,200円
- 冷媒回路の故障の場合は55,000円~176,000円
他の症状別の料金一覧はこちら▶症状別の料金一覧を確認する
原因が何かによって、修理箇所が異なるため、値段は大きく変わります。
修理内容は現場をみてからの判断になるため、修理金額を事前に予想するのは難しいでしょう。
メーカー修理の特徴
メーカー窓口に修理依頼した場合の修理費用は、次のように計算されます。
修理費用 = 技術料 + 部品代 + 出張費
現場点検の結果、仮に部品交換などの修理が不要だった場合でも、技術料と出張費はしっかり請求されます。(目安:9,680円~15,180円)
もし可能であれば、先に販売店(据付工事店)に連絡してみましょう。
販売店(据付工事店)の連絡先は、通常は、お手元の取扱説明書や保証書に記載されています。
または、地元で信頼や実績のある給湯器の専門業者を知っていれば、そちらに連絡しても良いでしょう。
電話などで問い合わせて具体的な症状を伝えると、必要な応急処置を教えてくれます。
地元の業者であれば、出張費をサービスしてくれるところもありますし、良心的な料金体系で修理に応じてくれるところもあります。
もし取扱説明書や保証書を紛失していて「メーカー修理受付窓口」に連絡したい場合には、こちらの記事もチェックしてください。
三菱電機の修理窓口は電話番号が複数あるため、混乱しないように注意してくださいね。
三菱エコキュートエラーの強制解除の方法 2つ
ここからは、三菱エコキュートのエラー解除の手順をご紹介します。
強制解除の手順には2つの方法があります。
台所リモコンからの強制解除の方法
台所リモコンで強制解除する方法はこちら。(一般人向け)
(例1)
台所リモコンの「時計合わせスイッチ」と「給湯温度 スイッチ」を3秒以上同時に押す
(例2)
台所リモコンの「タンク内湯温表示スイッチ」と「給湯湯温▼スイッチ」を3秒以上同時に押す
すべてのエラーは、台所リモコンの強制解除で解除(リセット)できます。
すべてのエラーを強制的に解除できますが、異常内容によっては強制解除後も再びエラーが表示されます。
貯湯タンクユニットからの強制解除の方法
貯湯タンクユニットで強制解除する方法がこちら。(業者向け)
貯湯タンクユニットの制御基板内のリセットスイッチ(SW4)を5秒以上押す
貯湯タンクユニットのカバーを外すと、制御基板があります。SW4がリセット用のスイッチです。
制御基板の側からリセットすると、エラーは強制的に解除しますが、リモコンの設定がすべて初期値に戻ります。(電力契約モードは除く。)
そのため、必ず、リモコンの設定をご使用状態に戻す必要があります。
貯湯タンクユニットは、基本的には専門業者が作業する場所です。一般人が触る場所ではありません。
据付直後の再運転を試みる 又は 凍結に対処する方法
わき上げ温度高温異常のエラーが起きたら、業者に点検してもらうのが一番安心です。
しかし、どうしてもご自身で対処したい場合の基本的な手順をご紹介します。
据付直後の再運転を試みる
エコキュートの据付工事を終えて使用開始してから1週間以内の場合は、自己責任にはなりますが、ご自身で再運転を試みても良いでしょう。
ご自身で対処するときは、三菱電機の公式サイトで掲載されている、次の3ステップの手順に従ってください。
■対処方法
①据付直後の場合は、偶発的なエア噛みがあることでエラーが表示する可能性があります。⇒ヒートポンプ配管のエア抜き運転を実施することにより正常に復帰することがありますのでエラー解除後にエア抜き運転を実施してください。 ※1
②据付直後の場合は、工事中にシールパッキンや砂などが混入して配管のつまりが発生することもあります。
⇒再度運転を再開させることにより正常に復帰することがありますのでエラー解除を実施し、再運転を試みてください。 ※1
③据付直後の場合は、ヒートポンプ配管に止水栓など流れの妨げになるものがある場合や、水漏れや配管のつぶれ、配管のつまり、施工時に配管が逆接続した場合にも発生することがあります。
⇒ヒートポンプ配管に止水栓、水漏れや配管のつぶれ、配管のつまり、配管の逆接続がないかをご確認ください。エラー解除を実施し、再運転を試みてください。 ※1
※1 2017年以降に製造された機種のみエラー解除を実施してください。
出典:三菱電機 公式FAQ
エラー解除の方法は、前述の台所リモコン操作で実施できます。
※エラー解除の操作は2017年以降に製造された機種でのみ行ってください。2017年以前製造の古い機種でエラー解除は行わないでください。
エア噛みは、ヒートポンプ配管に、エア(つまり空気)が混入している状態です。
手動でエア抜きする方法は、基本的には下記操作です。※お使いの機種によって異なることがあります。
選択ボタン上下キー(▲と▼)を同時に3秒以上押す
エア抜きについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参照してください。
ヒートポンプ配管の止水栓は、貯湯ユニット側とヒートポンプ側にそれぞれ2箇所(行き配管と戻り配管)あります。
止水栓は、下図では「水抜き栓」と表示されています。貯湯ユニット側では①の配管に付いています。
貯湯ユニット側のヒートポンプ配管の場所は、機種によって異なるため、お手元の取扱説明書も確認しましょう。
ヒートポンプ配管に、止水栓の異常、水漏れや配管のつぶれ、配管のつまり、配管の逆接続がないかを確認しましょう。
これらは、素人目では、異常があるかどうか分からないケースもあります。
少しでも不安を感じたら自分で判断せず、専門業者に連絡して、プロに判断してもらうことをおすすめします。
なお、②、③の処置後も、念の為、エア抜きを行っておくことをおすすめします。
凍結に対処する
配管の凍結が疑われる場合は、焦らず自然解凍を待つのが一番です。
配管内の凍った水は体積が膨張しているため、配管を内側から圧迫しています。
そこに、ご自身で手を加えると、配管が破損してしまう危険があります。
自然解凍を待っていられない場合には、ぜひ専門の業者に解凍してもらうことをおすすめします。
しかし、どうしてもご自身で解凍したい場合、自己責任で行ってください。
こちらの記事もぜひ参考にしてください。
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