エコキュート災害時の対応は?地震や台風の対策や災害後の復帰手順も解説

地震で断水している・・

台風で停電が起きた!

災害時のエコキュートの対応・対策は?

非常用水はどうやって取り出すの?

そんな疑問に答える記事です。

台風で断水したり、地震で停電したりすると、焦ってしまいますよね。

エコキュートは災害時に役立つ給湯器です。

しかし、エコキュートが災害時にできることが何か、具体的な内容や手順を把握していないと、いざ災害がきた時にうまく活用できません。

そこで今回は災害時のエコキュートの対応やできることを具体的な手順も含めて解説していきます。

不要な出費やトラブルを避けて、落ち着いて対処するためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事で分かること
  • 災害時にエコキュートで出来ること・できないこと
  • エコキュートの災害時の対応
  • エコキュートの災害後の対応
  • エコキュートの地震・台風などの災害対策や備えておくこと
目次

災害時にエコキュートで出来ること・できないこと

断水時

シャワーや蛇口からお湯を出すことはできない

断水時は停電時と違い、貯湯タンクへの水の供給が絶たれてしまいます。

エコキュートは水道水の水圧によってお湯を送っているため、断水してしまうとシャワーや蛇口からお湯を出すことはできません。

停電時

停電時にお湯を沸かすことはできない

エコキュートはバッテリー内蔵ではありません。

そのため、家庭用蓄電池がない場合、お湯の沸き上げやお湯張りは電気が復旧してからになってしまいます。

お湯を沸かすことは出来ませんが、停電前に沸かしておいたお湯をシャワーや食器洗いに使用することは可能です。

お湯を出すことは出来る

エコキュートは沸かしたお湯をためておく「貯湯式」の給湯器です。

そのため、お湯を沸かしてからしばらくの間は、温かいお湯を使うことが可能です。

ただし、停電時は湯温調節ができません。蛇口をひねるといきなり高温のお湯が出てくる場合もあるため注意が必要です。

非常用水としてタンク内の水(お湯)が使える

貯湯タンク内の水(お湯)は非常用水として使える

貯湯タンク内に水が残っている場合、非常用水として使用することができます。

例えば、4人家族で460Lの容量の貯湯タンクを使用していた場合、3日程度は非常用水でまかなえます。

エコキュートを設置する場合、見た目や性能だけでなく、家族の人数や水・お湯の使用用途も加味して容量を検討することが重要です。

断水時にエコキュートから水を取り出す方法については、後ほど詳しく説明します。

貯湯タンク内の非常用水は飲めない

貯湯タンク内の非常用水を飲むことはできません。

安全面と衛生面の両方を考慮した上で、多くのメーカーは「貯湯タンク内のお湯は飲料用に適さない」との見解を出しています。

この見解には、

  • 水道水に含まれている殺菌成分が、エコキュートで湯沸かしを行うことで薄れてしまい、国が指定する安全基準に満たない水になってしまう
  • 基本的に貯湯タンク内は真空になっており滅菌状態が保たれているが、長期間使用している場合、微かなゴミや水垢がタンク内に沈殿している可能性がある

などという理由があります。

とはいえ、どうしても飲み水にしたい場合は、自己責任にはなりますが、しっかり煮沸処理を施してください。

平常時からカセットコンロやガスボンベを備蓄しておくと安心です。

エコキュートの災害時の対応

断水時の対応

断水時はまず、エコキュートの給水止水栓を閉めてください。

工事や災害で断水になったときは、水道管内部に泥水が発生する可能性があります。

その泥水や空気がエコキュートに入らないようにするために給水止水栓を閉めてください。

貯湯タンクに脚部カバーが取り付けられている場合は取り外してご確認ください。

本体付近に取り付けられている場合があります。

給水止水栓が無い(位置がわからない)場合、家の水道メーター横の止水栓を閉めてください。

断水時の対応について、ダイキンの公式サイトはこちら

断水時・断水後の対応について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。(断水時の記事)

停電時の対応

蛇口やシャワーからお湯が出るか確認

蛇口やシャワーからお湯が出るか確認してみましょう。

エコキュートの貯湯タンクは魔法瓶によく似た構造をしているため、停電してもしばらくの間は、タンクに残っている温かいお湯を使うことが可能となっています。

簡単に説明すると、まず停電すると、リモコンが表示されなくなります。

しかし蛇口(又はシャワー)をひねると、最初は配管に残っていたお湯(又は水)が出てきます。

そして、そのまま出し続けていると、今度はタンクに残っていたお湯が出てくる仕組みです。

このとき、場合によっては、タンク内に残っていた高温の熱湯が出てくることもあるため、注意してください。

停電時は湯温調節ができないため、リモコンと異なる温度が出てくることも知っておきましょう。

なお、停電時に、追加でお湯を沸かすことはできません。

そもそもエコキュートはバッテリー内蔵ではないため、家庭用蓄電池がない場合、お湯の沸き上げやお湯張りは、電気が復旧してからになります。

停電時、停電後の対応について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

非常用水の取り出し方

断水時でもエコキュートなら、タンクに残っているお湯や水を非常用取水栓から取り出して使うことができます。

ただし、ここから出した水は、飲まないようにしてください。

一例として、三菱エコキュートの非常時の水の取り出し方法を紹介します。

メーカーや機種によって操作が違いますので、お手元の取扱説明書を確認してください。

具体的な手順を動画で確認したい方はこちらを参考にしてください。

手順① ブレーカーを切る
まずは、漏電遮断機のレバーを下げ、電気が供給されないようにしましょう。
作業中に電気が復旧、あるいは漏電のおそれがあります。
停電時であっても、念のため行ってください。


手順② 止水栓を止める
エコキュートの脚部カバーを取り外して、エコキュート下部にある給水配管用の止水栓を閉めましょう。
給水を停止することで、水量の減少や汚れの混入を防ぎます。


手順③ バルブが閉まっているか確認する
非常用取水栓のバルブが閉まっているか、事前に確認しましょう。
バルブが開いていることに気づかずに逃し弁レバーを開けてしまうと、このバルブからお湯が飛び出してしまう恐れがあります。


手順④ 逃し弁を空ける
逃し弁操作カバーを開け、内部の逃し弁レバーを手前に引きましょう。
逃し弁レバーを操作することで、非常用取水栓から水・お湯を取り出せるようになります。


手順⑤ バルブを開ける(お湯が出ます)
バケツやホースを非常用取水栓のバルブに設置して、非常用取水栓をひねって、水やお湯を出してください。
また、出し始めは汚れが出ることがあります。


【注意】
貯湯タンクからは熱湯が出る可能性があるため、直接触らないように注意してください。
必要分の水やお湯を取り出したら、非常用取水栓や逃し弁レバーを元に戻します。
水道が復旧するまでは、洗面所や台所の蛇口は開けないようにしてください。

この非常用取水栓から取り出したお湯は、飲み水には適しません。

次のような用途で使うようにしてください。

  • 顔を洗う
  • 食器洗いや洗濯に使う
  • トイレを流す

安全面と衛生面の両方を考慮した上で、多くのメーカーは「貯湯タンク内のお湯は飲料用に適さない」との見解を出しています。

とはいえどうしても貯湯タンク内のお湯を飲料用にしたい場合は、自己責任にはなりますが、しっかり煮沸処理を施してください。

平常時からカセットコンロやガスボンベを備蓄しておくと安心です。

エコキュートの災害後の対応

停電後の対応

停電後、次のようなことを確認してみてください。

  • リモコンの時計の表示を確認する
  • エラー表示がないか確認する
  • エコキュートに水がかかった場合など、冠水・浸水、破損していれば点検を行う

リモコンの時計の表示を確認する

リモコンを確認して時計の表示がおかしくなっている場合は、時刻設定の調整をおこないましょう。

停電時間の長さや、使用機種によっては、時刻設定が初期化されていることがあります。

エラー表示がないか確認する

安全装置が働いて、リモコンにエラー表示が出ることもあります。

その際は、取扱説明書やメーカーホームページを確認しながら、エラーからの復旧操作をおこなってください。

エコキュートに水がかかった場合など、冠水・浸水、破損していれば点検を行う

災害の種類によっては、停電復帰後でもエコキュートを使わないでください。

例えば、水害でエコキュートに水がかかってしまったケースです。

万が一水害によって冠水・浸水、破損などをしているのであれば、そのまま使い続けるのは危険です。

エコキュート内部に泥や塩分が残っていると、漏電や発火などのリスクが高まるので注意してください。

見た目には乾燥して見えても、内部までは乾燥していないこともあります。

水害に遭ったときには、停電復帰後すぐにエコキュートを稼働させるのではなく、必ず点検・メンテナンスを受けるようにしましょう。

断水後の対応

洗管作業を行う

断水が解除された際も、すぐにエコキュートを稼働してしまうのは危険です。

通常、水道管内は水と水圧で満たされています。

しかし断水が数日続くと水道管内に空気が入り込み、ゴミや汚れの混入、または錆の発生を引き起こす場合があります。

そのため、断水が解除されたら初めに蛇口を開き、汚れた水が出てくるようであれば、綺麗な水に変わるまでしばらく排出しておきましょう。

エコキュート本体の水栓の開閉よりも、まずはこの「洗管作業」を先に終わらせることが大切です。

もし断水解除からすぐにエコキュートを使用してしまうと、ゴミや錆びを含んだ水が機器内部に回り、故障を引き起こす原因となる場合があります。

排出される水の色から察知できるトラブル

この洗管作業では、水の色で配管内のトラブルを察知できます。

例えば、蛇口をひねって白い濁り水が出たのであれば、水道水の中に空気が混ざっていることの表れです。

いつもと違う色のため気にしてしまう方もいますが、原因は空気ですから、気にする必要はありません。

誤って白い濁り水を入浴や料理に使ってしまっても、健康に影響はないでしょう。

また、しばらく白い濁り水が続いたとしても、しばらくすると透明な水に戻っていくので安心してください。

しかし、赤く濁った水が出てきた場合は、配管の錆が原因だと考えられます。

少量誤って飲んでしまっても健康に影響はないものの、できるだけ使用は控えた方が良いでしょう。

赤い濁り水もしばらく水を出し続ければ、透明な水に変わります。

しかし、長い時間水を出していても、赤く濁ったままの場合は、水道局または水道修理業者に連絡してください。

エコキュートの地震・台風などの災害対策や備えておくこと

【地震対策】基礎工事をしっかり行ってくれる業者を選ぶ

「エコキュートがあれば災害時に停電や断水が起きても安心!」と思われる方も多いかもしれません。

しかし、地震によってエコキュートが倒れてしまったというケースが近年の災害時ではいくつか報告されています。

その際に倒れたエコキュートのほとんどは、設置時に簡易的な基礎工事しか施されていなかったということも後から分かっています。

災害時に思わぬトラブルに見舞われないためにも、工事料金や工事内容などは事前にしっかり施工店に確認しておきましょう。

災害が予想できるときには沸き増しをする

気象庁の予報から、台風や集中豪雨、大雪などの災害情報を確認できます。

停電や断水が予想できるときは、昼間でも沸き増しをしておくと良いでしょう。

実際に停電や断水が起きた際、貯湯タンク内のお湯は災害時の備えになります。

災害時でも、ライフラインがつながり、安全も確保できるようであれば、満タンになるように沸き増しをおこなってください。

そうすることで、再び停電や断水が起こったとしても、貯湯タンク内のお湯を生活用水として使用できるようになります。

生活用水を貯めておく

大型台風ではライフラインとなる水道が被害を受けて断水が発生してしまうことも少なくありません。

自分が住んでいる地域がいつ暴風域に入るのかなどを調べて、あらかじめ生活用水の確保をしておくようにしましょう。

エコキュートを導入しているご家庭であれば、貯湯タンクに貯めているお湯が非常用水として利用できます。

しかし、断水がいつまで続くか分かりませんので、可能な限り水を確保しておくと良いでしょう。

エコキュート貯湯タンクの清掃

災害時に貯湯タンク内の水を安心して使用するためにも、普段からタンク内を清潔な状態に保つように心掛けましょう。

エコキュートの貯湯タンクは、基本的にキレイな水道水が溜められています。

しかし、水道水には僅かながら不純物が含まれており、少しずつ沈殿物として蓄積されていきます。

そういった沈殿物を取り除くために、半年に1回は水抜きをおこなってください。

エコキュートの水抜きは、メーカーや機種によって手順が異なりますが、難しい作業ではありません。

動画で手順を解説しているメーカーもあります。

メーカーのホームページや、お手元の取扱説明書をチェックして、ぜひ行ってみてください。

何年も使っているのに水抜きをしたことがない場合は、貯湯タンクに様々な汚れが溜まっている可能性があります。

その際には、専門業者のメンテナンスを受けて、一度汚れのリセットをお勧めします。

災害時の破損に備えて保険加入も検討

エコキュートは、火災保険の保証対象に含まれることがあります。

地震でエコキュートが倒れた、水害でエコキュートが水を被ったなど、災害によってエコキュートが破損することはありえます。

修理が不可能であれば、エコキュートを再度購入し直すことになってしまうかもしれません。

しかし、火災保険の補償対象に含まれていれば、その要因と被害の内容に応じて、保証を受けられる可能性があります。

ただし、保証内容については保険会社によって様々です。

また、保険適用にあたって故障した部分の提示や、実際の写真の撮影を求められるケースが多々あります。

そのため、災害で壊れたからといってすぐにエコキュートを交換してしまうと、災害による破損を証明できなくなります。

交換工事会社も交換後は原因特定が難しいため証明ができません。

証明できないと保険適用NGになるケースもあるので、注意してください。

蓄電池があれば停電中もエコキュートが使える?

太陽光発電と蓄電池が設置されている住宅では、停電などの非常時に、自宅で発電した電力で電気をまかなう「自立運転」が可能と言われています。

しかし、停電時にエコキュートが使えるかどうかはケースバイケースです。

蓄電池には、全負荷型と特定負荷型という2つの種類があります。

全負荷型というのは、どのような家電にも繋げられますので、災害時には家全ての家電をカバーすることが可能ですが

一方で、特定負荷型というのは、あらかじめ選択した家電としか連携できず、電力を供給できないものとなります。

お使いの機種がどちらのタイプなのかを確認してみましょう。

また、停電時の蓄電池の電池残量がどの程度残っているかでも、エコキュートが使えるかどうかが異なります。

平常時に、エコキュートは1日あたり平均3〜6kWhの電力を消費すると言われています。

停電時にはあらゆる家電が停止してしまうため、蓄電池のリモコンをみて電池残量を確認し、電気を使う家電に優先順位をつけながら対応する必要があるでしょう。

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